第2517回 ブラジルを延長戦で下し、準々決勝へ(1) 決勝トーナメント1回戦はブラジルと対戦
8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■ワールドカップのグループリーグで初めて3連勝したフランス
これまでの本連載で紹介したとおり、フランスはグループリーグで韓国、ノルウェー、ナイジェリアに勝利し、グループAの首位として決勝トーナメントに進出した。今回で4回目の本大会出場となるフランスは3大会連続で決勝トーナメント進出となった。首位通過は2大会連続であるが、グループリーグで3連勝したのは初めてのことである。前回大会も4位に入った2011年大会もグループリーグの成績は2勝1敗であった。
■グループリーグ最終日まで決まらないフランスの対戦相手
24か国が出場することからグループAからグループFまでの6つのグループがあったが、フランスの所属するグループAとグループBが最終戦を6月17日に行ったが、最も試合日程の遅いグループEとグループFは20日に終了した。各グループの3位チームにも決勝トーナメント進出の可能性があるため、決勝トーナメントで3位チームと対戦するフランスもその相手がグループリーグがすべて終了するまで決まらなかった。
3位チームの中で成績の良い4チームが決勝トーナメントに進出するが、その4チームの所属していたグループの組み合わせによってフランスの相手が決まる。可能性としてはグループC、グループD、グループEの3位チームと対戦する。すべてのグループリーグのうち最終日となる6月20日を迎える段階でグループAからグループDまでが日程を終了しており、グループCの3位はブラジル、グループDの3位はアルゼンチンである。
■決勝トーナメント進出に1点足りなかったチリ、フランスの相手はブラジル
グループリーグ最終日を迎えた段階でグループEもグループFも二強二弱という構図で、二強同士、二弱同士が最終戦を戦う。グループEはオランダとカナダが2勝、カメルーンとニュージーランドが2敗である。最終戦はオランダとカメルーンが勝利する。オランダが3連勝で首位、カメルーンは後半のアディショナルタイムの94分に決勝点をあげて3位にすべり込む。グループFは米国とスウェーデンの2勝同士の争いは米国が2-0で勝利し、首位通過となる。フランスより後に最終戦を戦った米国は準々決勝でフランスと対戦するか、ドイツと対戦するかを選択することができたが、スウェーデンに順当に勝利し、首位となり、スウェーデンが2位、そして下位同士の戦いはチリがタイに2-0と勝利し3位となったが、チリは得点が1点足りなかった。
3位チームはグループAから順にナイジェリア(勝ち点3、得失点差-2)、中国(4、0)、ブラジル(6、+3)、アルゼンチン(2、-1)、カメルーン(3、-2)、チリ(3、-3)となり、ナイジェリア(グループA)、中国(B)、ブラジル(C)、カメルーン(E)の4チームが次のステージに進むこととなった。グループA、B、C、Eの3位チームが勝ち上がったので、フランスはブラジルと対戦することになったのである。もし、グループFの最終戦でチリがタイにもう1点取って勝利した場合、カメルーン、ナイジェリア、チリは勝ち点、得失点差で並び、総得点での勝負となっていた。その場合はグループAのナイジェリアの代わりにチリが決勝トーナメントに進出し、フランスはカメルーンと対戦することになっていたのである。
■第1回大会から8回連続出場のブラジル、2勝しながら3位にとどまる
サッカー王国のブラジル、女子は南米では無敵であり、ノルウェー、スウェーデン、日本、ナイジェリアと並んで第1回大会から8回連続出場である。しかし、これまでに目立った戦績は2007年大会の準優勝くらいである。
今大会のグループCは三強一弱で、豪州、イタリア、ブラジルが2勝1敗、ジャマイカが3敗となり、3チームが勝ち点で6で並び、得失点差ではジャマイカに5-0と大勝したイタリアが首位、ブラジルは豪州と得失点差で並んだが、総得点で及ばずに3位に甘んじている。しかし勝ち点6のブラジルは2位以内のチームとは差がないと言ってよく、フランスにとっては今大会で初めて世界ランキング10位以内のチームと対戦するのである。(続く)