第2547回 日本行きの31人のメンバー決定(2) エジンバラでスコットランドに敗れる

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■フランスにとって鬼門のエジンバラ

 前回の本連載でフランスはエジンバラでスコットランドに連敗中であると紹介したとおり鬼門である。本連載第2297回で紹介したとおり、昨年の6か国対抗では26-32とスコットランド戦での最多失点記録で敗れたが、試合の夜、一部の選手はスコットランド警察から取り調べを受けている。犯罪は認められなかったものの、夜遅くまで外出していたということで8人の選手が次の試合のメンバーから外れている。この中には今回のスコットランド戦で先発するフェリックス・ランベイとアルツール・イトゥリアも含まれており、汚名を返上したいところである。一方、これらの選手と入れ替わってきて次の試合のために加わってきた選手の中にはガエル・フィクーがいる。

■試合開始直後、相手のミスで両チームが得点

 スコットランド特有の曇り空の下、スチュワート・ホッグのキックオフで試合が始まる。開始早々、スコットランドのセンターのピーター・ホーンのパスをダミアン・プノーがインターセプトしゴール真下にトライする。この日はフルバックのトマ・ラモスがキッカーを務め、7-0とフランスが先制した時点では先週のニースでの試合の再現かと、誰しもが期待した。しかし、スコットランドもその直後にラックで押し込んでフランスのオフサイドを誘う。25メートルの地点からグレイグ・レイドローがペナルティゴールを決めて、7-3とフランスのリードは4点となる。双方、相手のミスを得点につなげてスコアした。 27分にはフランスはソフィアン・ギトゥンとプノーが2対1と数的有利な場面を作り、最後はプノーがこの日2つ目のトライをあげ、ラモスがゴールも決めて14-3とリードを広げた。しかし、これがこの日のフランスの最後の得点となってしまったのである。

■前半の終盤から試合のリズムはスコットラッドへ

 前半の終盤にはロペスが軽く負傷し、大事を取ってスタンドオフのポジションをロマン・エンタマックに譲る。ロペスはキック中心で試合を組み立てていたものの、2回ノックオンしており、負傷だけではなく戦術面でも選手の入れ替えが必要であるとブルネル監督は判断したのであろう。
 前半終了間際の39分にはフランスのノックオンをスコットランドのブレア・キングホーンが拾い、フィン・ラッセル、ショーン・マイトランドとつないでマイトランドがトライする。角度のあるところではあったがキックの名手レイドローがゴールを決めて、スコットランドは10-14と追い上げてハーフタイムを迎えた。

■後半は無得点に終わり、逆転負けを喫したフランス

 後半に入ると両チームは積極的に選手交代を行う。52分にはフランスはフッカーを主将のギラドからカミーユ・シャに代える。ギラドはこの日が代表の主将30試合目、歴代で6番目の数字となった。ところが代わって入ったシャが連続ノックオン、リズムが狂い始める。60分にスコットランドはクリス・ハリスが力強い突進でトライをあげる。レイドローがゴールを決めて17-14とスコットランドが逆転した。
 逆転されたフランスはマキシム・メダール、デュポンなどを投入し、事態を打開しようとするが、全体的に攻撃の意識が希薄であり、なかなかゴールラインに迫ることができない。またスコットランドのスタンドオフのラッセルのキック処理をフランスの守備陣がうまく処理できなかったこともフランスの敗因となった。
 最終スコアは14-17、わずか3点差ではあったが、後半のフランスは無得点。フランスの低調な試合運びは1週間前の快勝を帳消しにするものであり、メンバーの入れ替えを望む声がファンから上がった。
 昨年のエジンバラでのスキャンダルの後に入れ替わった選手のうちの1人にマチュー・バスタローがいる。バスタローは6月に発表されたワールドカップの予備メンバーから外れ、代表を引退している。バスタローはどのような思いでこの試合を見たであろうか。(続く)

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