第2552回 アルバニア、アンドラに連勝(2) シーズン最初の試合でアルバニアに完勝
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、このたびの台風15号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■チケットは前売りで完売、ラグビーと逆転した代表人気
シーズン最初の代表の試合は欧州選手権予選、9月7日にアルバニア、10日にアンドラとスタッド・ド・フランスで連戦する。スタッド・ド・フランスでのスポーツイベントは8月30日のラグビーのイタリア戦に続いて2週連続となったが、このアルバニア戦はチケットが前売りで完売した。従来スタッド・ド・フランスではサッカーの代表戦よりもラグビーの代表戦の方が人気が高かったが、ここにきて形勢が逆転した。
スタッド・ド・フランスにはほぼ満員の7万8000人の観衆が集まった。サッカーの代表の試合でスタッド・ド・フランスが満員になったのは昨年10月16日のヨーロッパリーグのドイツ戦以来のことである。
■勝利すればフランスと勝ち点で並ぶアルバニア
フランスにとっては6月にアウエーゲームとはいえトルコに敗れたのが、大きくのしかかっている。トルコ、アイスランドも1敗しており、この時点で3チームが勝ち点9で並んでいるが、2勝2敗のアルバニアはもしフランスに勝利すれば、フランスと勝ち点で並ぶことになる。
アルバニアは今年の4月に監督をクリスティアン・パヌッチからエドアルド・レヤに交代した。2人ともイタリア人であるが、パヌッチの前任もイタリア人であり、アルバニアの代表監督はこのところイタリア人が連続して務めている。パヌッチは在任15試合の中で4勝しかできず、今年の3月の欧州選手権最初の2試合で1勝1敗となったところで解任され、その後を引き継いだレヤは73歳でイタリアのトップレベルのクラブの監督を歴任したベテランであるが、初めて外国の代表監督となり、6月に行われた予選の試合ではアイスランドにアウエーで敗れ、モルドバにホームで勝利している。
アルバニアの先発メンバーは全員が国外のクラブに所属している。これは国内の混乱によって多くの国民が難民として外国に流出したことと深い関係がある。アンダーエイジで他国の代表となりながらフル代表として故国を選んだという選手もいる。
そしてフランスにもたくさんのアルバニア出身者がおり、双頭の鷲が描かれた国旗を携えてスタッド・ド・フランスに結集した。
■4人のバイエルン・ミュンヘンの選手が先発したフランス
フランスの先発メンバーであるが、GKはウーゴ・ロリス、DFは右からバンジャマン・パバール、ラファエル・バラン、クレマン・ラングレ、ルカ・エルナンデス、MFは低い位置にコランタン・トリッソとブレーズ・マツイディ、攻撃的な位置に右からキングスレー・コマン、アントワン・グリエズマン、トマ・ルメール、FWはオリビエ・ジルーとなる。パバール、コマン、エルナンデス、トリッソはドイツのバイエルン・ミュンヘンの選手であり、先発メンバーのうち4人が同じクラブに所属するというのは2017年6月のイングランド戦のモナコ勢(ジブリル・シディベ、キリアン・ムバッペ、バンジャマン・マンディ、ルマール)以来のことである。
■キングスレー・コマン、先制点を含む2ゴール、代表デビューで初得点のジョナタン・イコネ
満員の観衆の前でバイエルン・ミュンヘン勢はその声援に応えた。8分にバランからのパスをゴール前で受けたコマンはアルバニアの守備陣を振り切り、ゴール前で左足でシュート、先制点をあげる。コマンの先制点で試合は決まった。フランスはボール支配率でアルバニアを大きく上回り、シュートを浴びせ続ける。27分にはジルーがエルナンデスのパスを受けて左足で2点目を決める。ジルーはこれで代表通算36ゴールとなり、歴代2位のミッシェル・プラティニまであと5得点となった。35分にはPKを得ながらグリエズマンがバーに当てて失敗するが、後半に入っても試合のペースは変わらない。
68分にはコマンがグリエズマンのクロスを今度は右足でシュートし、3-0となる。そして77分にはコマンに代わってジョナタン・イコネがピッチに入り、うれしい代表デビューとなる。85分には途中出場のナビル・フェキルとイコネがワンツーパスを決め、左足でニアポストにシュート、これがゴールインし、デビュー戦で初ゴールを決めた。
終了間際にアルバニアはPKで1点を返すが、フランスは4-1とアルバニアに得点差をつけて勝利し、新シーズン最初の試合を飾ったのである。(続く)