第2578回 3連勝で折り返したパリサンジェルマン(3) 交代出場のキリアン・ムバッペがハットトリック
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■独走の予感がするパリサンジェルマン
チャンピオンズリーグは10月下旬に行われる第3節と11月初めに行われる第4節で中盤戦を迎える。前回と前々回の本連載で第2節のフランス勢3チームの戦いについて紹介したが、第2節を終えてパリサンジェルマンが2勝、リヨンが1勝1分、リールが2敗となっている。
チャンピオンズリーグのグループリーグには32チームが出場しているが、連勝したのはグループAのパリサンジェルマン以外にはグループBのバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、グループCのマンチェスター・シティ(イングランド)、グループHのアヤックス・アムステルダム(オランダ)だけである。また、グループAではパリサンジェルマン以外に勝利をあげたチームはなく、2位はクラブ・ブルージュ(ベルギー)であるが、勝ち点は2、首位と2位の勝ち点差が一番開いているのがグループAであり、パリサンジェルマンの独走も考えられる。
そしてパリサンジェルマンはクラブ・ブルージュと第3節、第4節で対戦する10月22日にブルージュ、11月6日にパリで試合を行う。第3節はアウエーでの対戦となるが、パリサンジェルマンは昨季から通算してアウエーゲームでは3連勝と敵地での対戦を苦としていない。
■クラブ・ブルージュからパリサンジェルマンに移籍したトマ・ムニエ
パリサンジェルマンとクラブ・ブルージュは隣国ながらこれが欧州カップでの初対戦となる。パリサンジェルマンの右DFのベルギー代表のトマ・ムニエは2016-17シーズンまでクラブ・ブルージュに所属し、パリサンジェルマンに移籍した。クラブ・ブルージュに5季在籍したが、最後のシーズンではリーグ優勝を果たし、有終の美を飾っている。クラブ・ブルージュは昨季は2位であったが、今季のリーグ戦では10戦して8勝2分という2年ぶりの優勝を狙う勢いである。試合はアウエーゲームを苦にしないパリサンジェルマンがクラブ・ブルージュの組織的守備を崩すことができるかどうかが焦点となる。
■控えに回ったキリアン・ムバッペ、MCNは先発せず
そのパリサンジェルマンの攻撃陣であるが、MCNと言われる欧州を代表する3人のうち、ネイマールは負傷で離脱、エディンソン・カバーニも本調子ではない。キリアン・ムバッペも負傷していたが、4日前に行われたリーグ戦のニース戦では終了7分前に交代出場し、ピッチに入った5分後に得点を決め、さらにアディショナルタイムにはマウロ・イカルディの特典をアシストし、終盤まで1点差だった試合で、短時間で2得点にからむ活躍をした。ムバッペはこのクラブ・ブルージュ戦では先発するのではないかと予想されたが、ベンチスタートとなる。パリサンジェルマンの攻撃陣は中央にイカルディ、右はアンヘル・ディマリア、左はマキシム・シュポ・モティンというMNC抜きの布陣となった。
試合はほぼ互角の展開となるが、シュートに対する意識の高いパリサンジェルマンが先制点を奪う。7分にディマリアのパスを受けたイカルディが得点を奪う。9月に加入したばかりのイカルディはガラタサライ戦で公式戦初ゴールを決めたが、その後のリーグ戦でもアンジェ戦、ニース戦でも得点をあげ、4試合連続のゴールとなった。しかしながら前半のパリサンジェルマンはこの1点どまりとなる。
■後半に登場したムバッペ、3得点1アシストの大活躍
後半に入って間もない52分、パリサンジェルマンのベンチは最初の交代を行い、シュポ・モティンに代えてムバッペを投入する。ここからショーが始まった。ムバッペは早速61分にはディマリアのクロスをクラブ・ブルージュのGKがはじいたところをヘディングでシュートを決める。その直後の63分にはイカルディのゴールをアシスト、ここまではニース戦と同じである。ムバッペは79分にはペナルティエリア内にボールを持ち込み、相手DFとGKのタックルを交わし、無人のゴールに右足でシュート、そして83分にはディマリアのパスを左足でゴールにたたきこみ、ハットトリックを達成する。途中出場でハットトリック達成はチャンピオンズリーグでは2008年のビジャレアル(スペイン)のホセバ・ジョレンテ以来11年ぶりの偉業である。ヘディング、右足、左足で得点したムバッペの活躍でパリサンジェルマンは5-0と大勝したのである。(続く)