第2594回 終盤戦のチャンピオンズリーグのグループリーグ(3) リヨンもリールもそろって敗れる
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、このたびの台風15号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■サンクトペテルブルクで勝利すれば2位以内になるリヨン
前回の本連載は11月26日に行われたチャンピオンズリーグのグループリーグの第5節で2点をリードされたパリサンジェルマンがレアル・マドリッド(スペイン)に追いつき、ドローに持ち込んでグループリーグ首位を確定したことを紹介した。今回は残るリヨンとリールの戦いを紹介しよう。
11月27日、まず先にピッチに立ったのはリヨンである。リヨンはアウエーでゼニト・サンクトペテルブルク(ロシア)と対戦する。リヨンの所属するグループGは首位がRBライプチヒ(ドイツ)で勝ち点9、2位のリヨンは勝ち点7、3位のゼニト・サンクトペテルブルクは勝ち点4である。したがって、リヨンはアウエーで勝利すれば2位以内を確定、一方、ゼニト・サンクトペテルブルクがホームで勝利すれば、勝ち点7で並んで最終節を迎えることになる。
■ホームで強く、フランス勢に相性のいいゼニト・サンクトペテルブルク
昨季までのリヨンはチャンピオンズリーグでなかなか勝てず、11試合勝ちがないという状況で今季を迎え、グループリーグの初戦は敗れたが、その後立て直し、2勝している。しかしリーグ戦では中位にとどまっており、監督も10月にシルビーニョからルディ・ガルシアに代わっている。監督がガルシアに代わってから7試合にフル出場しているムーサ・ダンベレであるが、チャンピオンズリーグではまだ無得点、そろそろ得点が欲しいところである。
一方のゼニト・サンクトペテルブルクは地元では強く、チャンピオンズリーグでは過去15試合で12勝している。そしてフランス勢との相性も良く、これまで6試合して4勝2分と負けなしである。
■勝利への執念にかけるリヨンが敗れ、ゼニト・サンクトペテルブルクと並ぶ
5万を超える観衆が、グループリーグで最後のホームゲームとなるゼニト・サンクトペテルブルクを支える。試合はほぼ互角の拮抗した内容となったが、いわゆる球際の強さ、ゴールへの執念というところでリヨンは精彩を欠く。前半終了間際の42分にリヨンはマルセロとアンダーセンのストッパー陣が集中力を欠き、ゼニト・サンクトペテルブルクのヘディングによる先制を許す。リヨンは枠内シュートこそ上回ったものの、得点を奪うことができない。そして84分にも追加点を奪われてしまい、結局0-2と敗れてしまい、両チームは勝ち点7で並んだのである。
グループGのもう1つの試合は最下位のベンフィカ(ポルトガル)が首位のRBライプチヒ相手にアウエーで2点を先行したが、RBライプチヒが終盤に追いついて、引き分ける。この結果、RBライプチヒは勝ち点を10に伸ばす。勝ち点7のリヨンとゼニト・サンクトペテルブルクは、最終節の結果によってはRBライプチヒに並ぶ可能性があるが、直接対決の結果によってRBライプチヒが首位を確定する。首位の決まったRBライプチヒをホームに迎えるのがリヨンの最終戦となる。
■リールは元気なく最下位が決定
リヨンが敗れた後の21時にキックオフを迎えたのがリールである。グループHは勝ち点1のリール以外の3チームが勝ち点7で並ぶという三強一弱という構図である。リールは数字の上ではヨーロッパリーグ出場となる3位の可能性が少し残っている。第5節でリールはホームにアヤックス・アムステルダム(オランダ)を迎える。チャンピオンズリーグではホームの最終戦となるため、地元のファンの前で意地を見せたいところである。
観衆は4万人、これまでの試合より少ない4万人であるが、この状況でも足を運ぶファンの期待に応えたい。しかしながら、リールは開始早々の2分に先制点を与える。試合は完全にアヤックス・アムステルダムのペースでリールはボールを保持できない。後半にも追加点を奪われ、リヨン同様に0-2で敗れ、最下位が確定する。
リールはこれでチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグで16戦連続で勝ちがない(7分9敗)。これはフランスのクラブにとって不名誉な記録なのである。(続く)