第2598回 フランス勢不振のヨーロッパリーグ(2) レンヌもサンテチエンヌも初戦を飾れず
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■安定した成績を残すレンヌとサンテチエンヌが出場するヨーロッパリーグ
ヨーロッパリーグはストラスブールがプレーオフで敗れたため、サンテチエンヌとレンヌの2チームがグループリーグを戦うことになった。
サンテチエンヌは3年ぶりのヨーロッパリーグとなったが、このところ安定した成績を保っている。2011-12シーズンから8季連続して一桁順位である。かつての栄光を知っているオールドファンにとってはタイトルが欲しいところである。
一方のレンヌは2年連続のヨーロッパリーグである。昨季の欧州カップでフランス勢として最後まで戦ったチームである。このレンヌも昨季はリーグ戦で10位になったがそれまでの4シーズンは一桁順位、21世紀に入ってから二桁順位は5回だけとこちらも安定した成績を残している。
■欧州での経験値に乏しく、両チームとも第3シード
しかし、両チームとも欧州での経験が少ない。これがヨーロッパリーグのグループリーグの抽選の際のシード順に影響する。サンテチエンヌもレンヌも第3シードに留まる。サンテチエンヌはグループI、第1シードからドイツのヴォルフスブルク、第2シードからベルギーのゲント、第4シードはウクライナのオレクサンドリーヤとなる。レンヌはグループE、第1シードからイタリアのラツィオ、第2シードからスコットランドのセルチック・グラスゴー、第4シードからルーマニアのCFRクルージという顔ぶれである。ヨーロッパリーグにはイングランドのアーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、スペインのセルビア、ポルトガルのポルト、イタリアのASローマというビッグクラブも名を連ねており、これらのクラブと同じグループに入らなかったことからファンの期待も高まった。
グループリーグの第1節は48試合すべてが9月19日の木曜日に行われ、グループAからFまでが18時55分キックオフ、グループGからLまでが21時キックオフとなり、レンヌが先に登場する。
■ケルト文化圏の戦いとなったレンヌ-セルチック・グラスゴー戦は引き分け
レンヌの初戦はホームでのセルチック・グラスゴー戦である。昨季のヨーロッパリーグはアーセナルに敗れてベスト16で敗退となったレンヌにとって同じ英国のチームとの対戦から雪辱のシーズンが始まる。セルチック・グラスゴーは昨季のスコットランドリーグでチャンピオンになったが、チャンピオンズリーグの予備戦から参戦し、予備戦3回戦でCFRクルージに敗れたため、ヨーロッパリーグのプレーオフに回った。
レンヌが中心都市であるブルターニュはケルト文化の影響を強く受けており、セルチック・グラスゴーとは同じ文化を持つ。フランス人選手も多数セルチック・グラスゴーに所属し、現在も3人が名を連ねる。レンヌの本拠地、ロアゾンパークは友好的な雰囲気の中でキックオフされた。この時点で国内リーグでは首位パリサンジェルマンと勝ち点2差の2位のレンヌが新たなシーズンで昨年以上の成績を残すと信じたファンの期待に応えたのはCFのムバイ・ニアン、前半の38分に先制点を入れる。しかし、セルチック・グラスゴーも後半にライアン・クリスティが同点ゴールを決める。試合はこのままドローで終わるが、この後でレンヌが苦戦することは誰もが思わなかったのである。
■サンテチエンヌはゲントに競り負ける
そして21時にはサンテチエンヌがゲントで対戦する。昨季リーグで4位となったゲントの注目選手は21歳のエリシャ・オブス、パリ郊外で生まれ、8年間にわたりリヨンの下部組織で研鑽を積んだ。ライバルのサンテチエンヌ戦でもいい動きを見せる。ゲントが2分に先制し、サンテチエンヌはリードを許すが38分にワビ・カズリが同点ゴールを決める。しかし、ゲントは先制点をあげたジョナサン・ダビッドが43分に勝ち越しゴールを決める。
後半は両チームともオウンゴールで相手に点を許した。64分にサンテチエンヌのロイック・ペランが自らのゴールにボールを入れてしまい、2点差となる。一方、ゲントも75分のGKトーマス・カミンスキーがオウンゴールをしてしまい、試合は1点差となるが、サンテチエンヌは追いつくことができず、初戦を2-3と落としたのである。(続く)