第2670回 2019-20フランスリーグ回顧 (6) ホームに戻ったレンヌが大量点で3位確保
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、昨年の台風15号、19号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■チャンピオンズリーグ出場をかけて3位争いをするレンヌとリール
前回の本連載ではヨーロッパリーグ出場争いにおいて3月7日の土曜日に試合があったニースとスタッド・ド・ランスが勝利し、暫定で順位を上げたことを紹介した。この両チームに勝ち点で抜かれたのがニースに敗れたモナコと試合を日曜日に控えるリヨンとモンペリエである。
3月8日のスケジュールであるが、15時からサンテチエンヌ－ボルドー戦、17時からレンヌ－モンペリエ戦、19時からリール－リヨン戦が行われる。モンペリエの相手のレンヌは勝ち点47で現在3位、リヨンの相手のリールは勝ち点46で4位である。3位であればチャンピオンズリーグの予備戦に出場できるが、4位になればヨーロッパリーグの本戦出場にとどまり、3位争いも見逃せない。
■フランスカップ準決勝で敗れ、チャンピオンズリーグ出場を目指すレンヌ
第28節を迎える時点の3位争いで優位に立つレンヌが、暫定8位となったモンペリエをホームのロアゾンパークに迎える。レンヌは直前の3月5日に行われたフランスカップの準決勝でサンテチエンヌに敗れ、2年連続の決勝進出を逃したばかりであり、レンヌは残るタイトルはフランスリーグだけとなった。
首位のパリサンジェルマンとは勝ち点で20点以上の差があり、優勝は現実的な目標とはなりえないが、マルセイユとは勝ち点9の差、2位は射程距離にある。そして最低限、リールとの3位争いに競り勝ってチャンピオンズリーグに出場したいところである。
一方のモンペリエもこの試合で勝利すれば最高5位まで順位を上げることになる。両チームにとって対戦相手がライバルではなく、試合終了後にとって試合を行うリールとリヨンがライバルであり、この試合で勝ち点を積み上げてライバルに精神的なプレッシャーを与えたいところである。
■ホームの大声援を受けたレンヌがゴールラッシュ
3日前にはアウエーの緑の洗礼を受けたレンヌはホームに帰ってきて、今度は赤と黒のファンの援軍を得て、素晴らしい試合を展開した。9分に先制点をあげたのはフェット・マウアサ、21歳の左サイドバックである。右サイドバックのハマリ・トラオレが逆サイドのパス、それを強烈にシュートし、モンペリエのGKジェロニモ・ルリがキャッチすることができず、先制点となる。追加点は21分、この日CFに起用されたアドリアン・ウヌである。レンヌのインザーギというニックネームのあるウヌであるが、先発出場は1月31日以来のことである。久しぶりの先発出場に燃えたウヌはスピード感のあるプレーで無人のゴールに得点を決め、1月15日のニーム戦以来の得点となる。
■レンヌが大量得点で勝利
後半に入ってもレンヌの攻撃は止まらない。68分に左ウイングのフラビアン・テが3点目を決める。前半戦のこのカードは8月10日にモンペリエで行われたが、その試合でテは退場処分を受け、さらに3試合出場停止となる。シーズンの序盤に出場できなかったテは不本意なシーズンとなったが、後半戦に入ってから2得点3アシストとなり、チャンピオンズリーグ出場に向けたラストスパートには欠かせない存在となったかもしれなかった。試合の終盤はモンペリエの守備陣がペナルティエリア内で反則を繰り返し、73分と87分にレンヌはPKを得る。73分のPKはロマン・デルカスティーヨが決め、87分はウヌが決める。ウヌは今季初めての複数得点となる。最終スコアは5－0という大差となり、レンヌは勝ち点を3、得失点差を5積み上げる。リールは前日アミアン相手に引き分けた2位マルセイユとは勝ち点6の差に迫り、得失点差では＋14となり、＋12のマルセイユを逆転する。そして、これから試合を迎えるリールに勝ち点4の差をつけて第28節終了後の3位の座を確保する。
一方、敗れたモンペリエは、スタッド・ド・ランスとニースを再逆転することができず、順位も8位のままとなった。さらに得失点差も改悪し、リヨンとは同勝ち点で並ぶものの、得失点差では15点差をつけられてしまったのである。（続く）
