第2675回 2019-20フランスリーグ2部フィナーレ(2) 首位ロリアンに勝利して暫定2位となったACアジャクシオ

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、昨年の台風15号、19号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■入替戦出場をかけて、3位から5位のチームで争われるプレーオフ

 前回の本連載では紹介しなかったが、2部から1部への道は1位と2位は自動昇格となり、もう1チームが1部の18位のチームとの入替戦を戦う。入替戦に出場するためのプレーオフがあり、4位のチームがホームで5位のチームを迎えて1回戦制で戦い、その勝者は3位のチームのホームで1回戦制で戦う。5位のチームは入替戦に出場するためにアウエーで連勝しなくてはならないが、3位のチームはホームで1勝すればよい。順位を1つでもあげることが1部への近道となる。

■引き分けたトロワ、勝利したクレルモン、いずれも暫定順位を上げる

 最終節となった第28節で昇格圏内にある5位以内のチームでレギュラーの金曜日の3月6日に試合を行ったのは3位のトロワと5位のクレルモンである。
 3位のトロワについては前回の本連載で紹介した通り、17位のパリFCとホームで痛恨のドローとなり、暫定で順位を2位に上昇させたが、勝ち点は1しか上積みすることができなかった。
 このトロワと同じ時刻にキックオフを迎える5位のクレルモンの勝ち点は47、12位のソショーと対戦する。クレルモンは勝利すれば、土曜日に試合を行うACアジャクシオを暫定ながら抜き、月曜日に試合を控えているRCランスと勝ち点で並ぶ。
 クレルモンは前回行われた2週間前のホームゲームではパリFCに敗れていたが、今回のソショー戦は前後半に1点ずつ得点を決めて2-0で勝利する。
 この結果、金曜日に8試合が行われた後の暫定順位は1位ロリアン(勝ち点54)、2位トロワ(51)、3位RCランス(50、得失点差+14)、4位クレルモン(50、+10)、5位ACアジャクシオ(49)となったのである。

■負けが込んでいる首位ロリアン、ACアジャクシオとアウエーで対戦

 そして3月7日の土曜日の昼下がり、15時にコルス島のアジャクシオにロリアンが乗り込んでキックオフを迎える。前回の本連載で紹介した通り、後半戦でロリアンは首位をキープしている。しかし、このところ負けが続いており、第28節を迎える時点で4位のACアジャクシオと対戦した後もルアーブル(6位)、トロワ(3位)、RCランス(2位)と上位勢の挑戦を連続して受ける。まさに10日目前後に前頭勢相手に連敗し、終盤戦で大関、横綱と連戦する横綱と同じ状況であろう。
 一方のACアジャクシオであるが、2年前には2部で3位となり、1部昇格のためのプレーオフを勝ち抜いたが、ホームでの試合でファンがトラブルを起こし、勝利はしたものの、制裁を受けて1部18位のトゥールーズとの入替戦はホームゲームを中立地で戦うこととなった。ホームゲームを戦えなかったこともあり、連敗したACアジャクシオは2部にとどまった。この制裁のおかげでACアジャクシオのファンはおとなしくなったのであろうか、今季のACアジャクシオは、ホームで5勝4分4敗、アウエーで9勝3分2敗とホームよりアウエーの成績が良いという変わったチームになった。

■ACアジャクシオ、ロリアンに勝利し暫定で2位に

 3月7日の土曜日の昼下がり、アジャクシオのフランソワ・コティ競技場には3,450人のファンが集まった。実はこれが今季の2部リーグで最後に観客の前で行われる試合となったのである。この試合最初の得点機はロリアンであったが、ACアジャクシオのGKがよく防ぐ。ACアジャクシオは後半に入って52分にこの試合初めての得点を記録する。この1点を守り切ったACアジャクシオが勝利する。ACアジャクシオは勝ち点を52としてクレルモン、RCランス、トロワを抜いて2位に躍り出る。敗れた首位ロリアンはこれで直近の5試合中4試合が敗戦、2位との勝ち点差はわずか2となった。
 そして月曜日には暫定で順位が4位に落ちたRCランスがホームに最下位のオルレアンを迎え、第28節の最後の試合となるが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響がいよいよ大きくなってきたのである。(続く)

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