第2698回 リヨン、ユベントスを下す (1) 過去1勝1分3敗のユベントスとアウエーで第2戦

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■国内6番目の欧州カップ出場権はスタッド・ド・ランス

 前回までは今季国内最後の試合となったリーグカップ決勝の模様を紹介した。パリサンジェルマンがリヨンをPK戦で下し、今年で最後となったリーグカップの最後の優勝チームとなるとともに国内三冠を達成した。リーグカップの優勝チームに与えられる来季のヨーロッパリーグの予備戦への出場権はリーグ6位のスタッド・ド・ランスに与えられることになった。一方、敗れたリヨンはリーグ戦では7位に終わっており、23年間連続して出場してきた欧州カップの出場権を国内の成績で獲得することができなかった。
 しかし、リヨンには最後の望みがある。それがリーグカップ決勝の翌週から再開するチャンピオンズリーグである。これで優勝すれば、タイトルホルダーとして来季のチャンピオンズリーグに出場することができるのである。

■ユベントスとの第2戦は8月7日にトリノで無観客試合

 チャンピオンズリーグの決勝トーナメントは、1回戦の途中で中断しており、リヨンは1回戦の第2戦から、そしてパリサンジェルマンは準々決勝から参戦する。
 リヨンはリーグカップ決勝で敗れたちょうど1週間後の8月7日に、トリノでユベントスと対戦する。第1戦は2月26日にリヨンで行われた。この試合の模様については本連載第2633回で紹介している通り、リヨンがルカ・トゥザールのゴールで1-0と勝利した。本来はその2週間後に行われるはずだった第2戦は、結局5か月以上の間隔をあけてトリノのアリアンツ競技場で開催の運びとなった。
 決勝トーナメント1回戦の第2戦については8月7日と8日に本来行われるべき場所で行われ、7日にはリヨン-ユベントス戦と並行してマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)-レアル・マドリッド(スペイン)、8日にはバルセロナ(スペイン)-ナポリ(イタリア)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)-チェルシー(イングランド)が行われる。なお、これらの試合、ならびに8月12日からポルトガルのリスボンで集中開催される準々決勝以降の試合はすべて無観客で行われる。

■2月のリヨンでの試合がユベントス相手の初勝利

 リヨンは2月26日の試合では57,335人の観客の前で勝利したが、これはユベントスとの5回目の対戦での初勝利であった。それまでの対戦歴は2013-14シーズンのヨーロッパリーグの準々決勝、2016-17シーズンのチャンピオンズリーグのグループリーグでそれぞれ2試合対戦している。ヨーロッパリーグでは第1戦のホームでも第2戦のアウエーでもリヨンは敗れている。チャンピオンズリーグではリヨンはホームで敗れ、アウエーで引き分け、4回目の対戦でようやく負けを免れた。結局グループリーグの結果はユベントスが首位で、リヨンは3位となっている。

■再開後公式戦14試合を行いセリエAで優勝したユベントス

 過去の戦績に加え、リヨンにとって不利なのはコンディションである。3月に中断した後、リヨンが戦った公式戦は直近のリーグカップ決勝だけである。もちろん、本連載で紹介してきたようにその前には準備のための試合を重ねてきたとはいえ、親善試合であり、選手交代の規定なども公式戦とは異なる。
 一方、欧州で最も早く新型コロナウイルスの感染が拡大し、いち早くリーグ等を中断したイタリアであるが、6月中旬からイタリアカップ、セリエAを再開し、ユベントスは公式戦を1か月半の間に14試合も戦ってきた。ユベントスは再開初戦となった6月12日のイタリアカップの準決勝はACミランを下したが、決勝ではナポリにPK戦で敗れた。第27節からの再開となったリーグ戦では初戦でボローニャに勝利してから4連勝を飾る。セリエAは8月1日に終了したが、ユベントスは9季連続36回目の優勝を果たしたのである。
 リヨンにとって頼みの綱は第1戦で1-0の僅差とはいえ、勝利していること、そして敵地とはいえ無観客であることである。(続く)

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