第2736回 第2回UEFAネーションズリーグ開幕(13) ポルトガルとの直近の対戦は欧州選手権決勝
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■ダヨ・ウパメカノが負傷で離脱
新型コロナウイルスによる相手チームのGKの離脱というアクシデントはあったものの、フランスはウクライナに7-1と大勝した。
9月に代表に新たに加わった3人がそろって先発し、中でも初先発となったエドゥアルド・カマビンガは、代表史上2番目の若さでゴールを奪った。また、9月の連戦では新型コロナウイルスで陽性となったためにリームからの離脱を余儀なくされたホッサム・アウアもデビュー戦で得点にからんだ。一方、9月から3試合連続で先発出場していたダヨ・ウパメカノは負傷したため、ハーフタイムでピッチを去った。ウパメカノの負傷を補う形でクルト・ズーマが代表に呼び戻された。
■1984年と2000年の欧州選手権準決勝で延長戦の末、ポルトガルを下す
そして決戦ともいうべきポルトガル戦は10月11日、スタッド・ド・フランスで行われる。本来であれば、パリのポルトガル戦はパリ並びに近郊に在住しているポルトガル人が大挙して押しかけるため、アウエー状態となるが、今回は無観客に近い状態となる。
20世紀に入ってからは力をつけているポルトガルであるが、フランスはポルトガルに対して相性がいい。1975年に親善試合で敗れてからは連戦連勝であった。親善試合の対戦がほとんどであったが、公式戦では3試合対戦し、いずれも印象深い対戦となった。
まず、1984年の欧州選手権の準決勝、マルセイユでの戦いは激闘として今でも語り継がれ、延長戦でミッシェル・プラティニが決勝点を挙げ、フランスが勝利している。
2試合めは2000年の欧州選手権である。1998年のワールドカップの優勝チームとして出場したフランスは準決勝でポルトガルと対戦する。黄金世代が円熟期を迎えたポルトガルは強かった。19分にヌーノ・ゴメスが先制点を挙げる。対するフランスは後半に入って51分にティエリー・アンリがニコラ・アネルカのクロスをグラウンダーでゴールを決めて同点に追いつく。そして試合は16年前同様に延長戦に突入する。このままでいくとPK戦かと思われた117分、シルバン・ビルトールのCKがポルトガル選手の手に当たったということでPKが与えられる。現在であればVARなどの判定に持ち込まれたであろう微妙なプレーであったが、このPKをジネディーヌ・ジダンが決めて、フランスが決勝に進出する。
いずれも準決勝での対戦で、フランスが延長戦で勝利し、決勝でも勝利して優勝することなる。
■2006年のワールドカップ準決勝でもフランスが勝利
そして3回目の対戦は2006年のワールドカップ、これも準決勝での対戦である。ドイツのミュンヘンでの試合、この試合も33分にジダンが唯一のゴールを決めて、フランスが逃げ切り、決勝進出を果たす。
■地元開催の2016年欧州選手権決勝では敗れる
2006年のワールドカップのみ、フランスは決勝でイタリアに敗れたが、公式戦の準決勝ではフランスはポルトガルに3連勝し、親善試合を含め10連勝で迎えたのが直近の対戦である。それが2016年欧州選手権決勝である。
フランスにとっては地元開催の欧州選手権である。フランスが主要大会を開催したのは1938年のワールドカップ、1984年の欧州選手権、1998年のワールドカップである。このうち2回でフランスは優勝を果たしており、3回連続での自国開催自国優勝の舞台は整った。その相手がポルトガルである。この時のポルトガルにはエースのクリスティアーノ・ロナウドがいたものの、フランス優勢という下馬評であった。さらに主将も務めていたクリスティアーノ・ロナウドは負傷によって25分に早々にピッチを離れてしまった。しかし、両チームなかなか得点を挙げることはできず、試合は延長戦へと突入する。延長戦でゴールネットを揺らしたのはフランスリーグのリールに所属する選手であった。エデルの放ったミドルシュートにウーゴ・ロリスは届かず、これが決勝点となり、ポルトガルが優勝する。そしてポルトガルは第1回のUEFAネーションズリーグでも優勝し、二冠を獲得する。二冠のポルトガルとワールドカップ優勝のフランスの対戦となるのである。(続く)