第2751回 2020-21チャンピオンズリーグ(6) マルセイユ、レンヌとも0-3で敗れる
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■ポルトガル人監督のアンドレ・ビラスボラスの率いるマルセイユ
今季のチャンピオンズリーグは第2節まで終了した時点でフランス勢の成績は1勝1分4敗と振るわない。11月第1週と第4週に行われる第3節と第4節は同じチームと対戦するため、ここで浮上のきっかけをつかみたいところである。
第3節もマルセイユがフランス勢の中で最初に登場する。11月3日の相手はポルトガルチャンピオンのポルト、まずはアウエーでの戦いとなる。マルセイユの監督はポルトガル人のアンドレ・ビラスボラス、2年目にしてチャンピオンズリーグに7年ぶりの復帰を果たし、シーズン序盤でパリサンジェルマンに勝利するなど期待を集めたが、チャンピオンズリーグでは連敗スタート、特に前節のマンチェスター・シティ(イングランド)戦はシュート数の少なさだけではなく、5バックシステムで3失点と守備も崩壊した。このポルト戦では4バックシステムに戻して臨む。
■試合を組み立てられないマルセイユ、PKも失敗
しかし、ポルトのドラゴン競技場で行われたこの試合、マルセイユはまたもファンの期待を裏切ってしまう。立ち上がりの4分にマルセイユは攻め込みながらも逆襲にあう。メキシコ代表のヘスース・コロナが攻めあがってクロスを上げ、2トップの一角であるムーサ・マレガが至近距離からシュートを放つ。マルセイユで主将を務めるスティーブ・マンダンダも防げず、あっさりと先制点を奪われる。ところが10分にマルセイユは同点のチャンスを得る。フローラン・トーバンがペナルティエリア内で倒され、PKが与えられる。キッカーはディミトリ・パイエ、しかし、このPKを外してしまう。逆にマルセイユは27分にジョルダン・アマビがペナルティエリア内でコロナを倒してしまう。スペイン人の主審は悩んだ末にPKを命じる。このPKをセルジオ・オリベイラが決めて2-0となる。2点をリードされたマルセイユであるが、パスをつなぎ、ボール支配率はポルトを上回る。しかしながら攻撃を組み立てることができず、シュートを打つことができない。
■15年前のアンデルレヒトと並ぶ不名誉な12連敗
後半に入ってもこの流れは変わらず、ポルトは69分にルイス・ディアスが追加点を入れて3-0と大差がつく。結局マルセイユは枠内にシュートを一本も放つことができず、完敗する。これでマルセイユはチャンピオンズリーグで12連敗となる。この不名誉な記録は2003年から2005年にかけてベルギーのアンデルレヒトの残した記録に並ぶこととなった。
■不可解な判定に泣いたレンヌ
その翌日の11月4日、レンヌとパリサンジェルマンが21時にキックオフを迎えたが、まずは勝ち星のないレンヌから紹介していこう。レンヌはイングランドのチェルシーと対戦する。レンヌとイングランド勢というと一昨年のヨーロッパリーグでのアーセナルとの対戦を思い出される読者の方も少なくないであろう。グループEはチェルシーとセビリア(スペイン)の二強と目されているが、レンヌは二強の一角を崩したいところである。
しかし、チェルシーの本拠地スタンフォードブリッジでの試合、疑惑の判定もあり、レンヌにとっては残念な結果になった。7分にレンヌは攻め込み、ゴール前でチェルシーの選手がハンドをしたかに見えたが、レンヌの主張は認められなかった。その3分後、レンヌは自陣ペナルティエリア内でダウベルトがファウル、今度はPKとなり、ティモ・ベルナーが決める。さらに38分、今度はダウベルトがペナルティエリア内でハンド、VARの結果、PKがチェルシーに与えられる。ダウベルトは9分のファウルに続いて2回目の警告となり、退場する。ダウベルトは1試合に2回PKを与えるという不名誉な記憶とともにピッチを去ったのである。
不可解な判定が重なり、数的不利になったレンヌに勝利の可能性はなかった。後半の立ち上がりにも追加点を奪われ、0-3というスコアで敗れてしまったのである。(続く)