第371回 2004-05チャンピオンズリーグ開幕(2) フランス勢の初戦はイングランド勢

■ビッグクラブは予備戦を勝ち抜き、本戦へ

 リヨン、パリサンジェルマンに加え、予備戦を勝ち抜いたモナコが本戦に出場することになった今年のチャンピオンズリーグ。8月26日に組み合わせ抽選会がモナコで行われた。前回の本連載でも紹介したビッグクラブが目白押しの予備戦3回戦であったが、レアル・マドリッド、デポルティーボ・ラコルーニャ(以上スペイン)、マンチェスター・ユナイテッド、リバプール(以上イングランド)、インテル・ミラノ、ユベントス(以上イタリア)、レバークーゼン(ドイツ)などは順当に勝ちあがり、本戦を逃したのはベンフィカ(ポルトガル)くらいであった。
 結局、例年通りのビッグクラブが欧州の頂点を目指すことになり、本戦に出場する32チームは8チームずつ4つのシードに振り分けられた。前述した予備戦組のビッグクラブが下位シードに振り分けられれば戦々恐々となるところであったが、秩序を重んじる欧州である。過去の欧州カップ戦での戦績を計算したクラブのランキングに基づいてシード分けがなされた。

■4つのシードに分けられた32チーム

 シード分けの結果、第1シードはポルト(ポルトガル)、レアル・マドリッド、バレンシア、デポルティーボ・ラコルーニャ、バルセロナ(以上スペイン)、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル(以上イングランド)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)の8チーム。第2シードはリヨンのほかにACミラン、ユベントス、インテル・ミラノ、ASローマ(以上イタリア)、リバプール、チェルシー(以上イングランド)、パナシナイコス(ギリシャ)。第3シードはパリサンジェルマン、モナコのほかにレバークーゼン(ドイツ)、PSVアイントホーフェン、アヤックス(以上オランダ)、アンデルレヒト(ベルギー)、セルチック・グラスゴー(スコットランド)、スパルタ・プラハ(チェコ)。第4シードはローゼンボリ(ノルウェー)、ディナモ・キエフ、シャフタール・ドネツク(以上ウクライナ)、オリンピアコス(ギリシャ)、ベルダー・ブレーメン(ドイツ)、CSKAモスクワ(ロシア)、マカビー・テルアビブ(イスラエル)、フェネルバフチェ(トルコ)となり、注目の抽選となった。

■注目のフランス勢の組み合わせ

 抽選の結果、リヨンはグループD、第1シードのマンチェスター・ユナイテッド、第3シードのスパルターク・プラハ、第4シードのフェネルバフチェと同じ組になった。パリサンジェルマンはグループHで昨年覇者のポルト(第1シード)、チェルシー(第2シード)、CSKAモスクワ(第4シード)と対戦、グループAのモナコはデポルティーボ・ラコルーニャ(第1シード)、リバプール(第2シード)、オリンピアコス(第4シード)と同組になった。
 注目すべきはフランス勢の3チームは4チームが本戦に出場するイタリア勢と対戦しない代わりに、同じ4チームが出場するイングランド勢と対戦するという点である。しかもフランス勢3チームの初戦の相手は全てイングランド勢である。イングランドと言えば6月に行われた欧州選手権のグループリーグで対戦し、しかもそれは初戦であった。このときはフランスがロスタイムの2得点で逆転勝ちを収めたが、それまでの90分間、試合は完全にイングランドのものであった。ドーバー海峡を挟むライバル国がシーズンを挟んで対戦することになる。

■初戦で対戦するイングランド勢

 さて、フランス勢とグループリーグで対戦するイングランド勢であるが、過去の戦績を見てみよう。フランスのチームとの過去のチャンピオンズリーグ(チャンピオンズカップ)での対戦成績は、マンチェスター・ユナイテッドは8勝7分1敗と圧倒的に勝ち越しているが、リバプールは6勝1分5敗、チェルシーは1勝1分2敗とほぼ伯仲している。
 そして、いずれのチームにもフランス人選手が在籍している。まず、マンチェスター・ユナイテッドにはルイ・サア、リバプールにはオセールから今季移籍したジブリル・シセ、そしてチェルシーにはクロード・マケレレがいる。いずれも現役のフランス代表選手であり、彼らの活躍を代表の試合でしか見ることのできないファンにとっても楽しみな対戦となる。フランス勢とイングランド勢が?????広いきなり激突する第1節は14日と15日に行われる。14日に先陣を切るのはチェルシーをホームに迎えるパリサンジェルマン、翌日にはモナコがリバプールに乗り込み、リヨンがマンチェスター・ユナイテッドを迎え撃つ。今年も楽しみな1年の開幕である。(続く)

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