第2812回 2022年ワールドカップ予選開幕(2) 3月の3連戦に向けて26人のメンバー発表
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■欧州選手権の延期を受けて予選の日程の変更
前回の本連載で現在セミファイナリストの決定したUEFAネーションズリーグからもワールドカップ予選のプレーオフへの道があることを紹介したが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が現時点でないわけではない。まず、3月に開幕したが無観客での戦いとなる。それから日程面であるが、当初は2021年の3月、6月、9月、10月、11月に2試合ずつ行う予定であったが、これが3月と9月に3試合ずつ、10月と11月に2試合ずつ行われるようになった。6月に試合が行われないわけであるが、これは新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって2020年から1年開催を延期した欧州選手権が行われるからである。当初は6月に行われる予定であったUEFAネーションズリーグの準決勝以降のファイナルステージは10月に行われるようになった。
■5チームのグループで戦うUEFAネーションズリーグのセミファイナリスト
さて、UEFAネーションズリーグのファイナルステージの話題が出てきたついでであるが、これに出場するイタリア、スペイン、フランス、ベルギーの4か国は過密日程を避けるために、このワールドカップ予選では5か国からなるグループに入るように設計されている。また、55か国が予選に参加することから、1つのグループはUEFAネーションズリーグのセミファイナリストが不在の5チームから構成されるが、このグループには開催国のカタールが加わって親善試合扱いで戦うことになる。
ワールドカップ予選のグループ分け抽選会は2020年12月に行われたが、最新のFIFAランキングに従って6つのシードに分けられた。フランスはFIFAランキング2位で第1シード、その他のトップシードの国はFIFAランキング順に紹介すると、ベルギー、イングランド、ポルトガル、スペイン、イタリア、クロアチア、デンマーク、ドイツ、オランダである。
■グループDに入り、初戦は第2シードのウクライナとホームで対戦
組み合わせ抽選の結果、フランスはグループDに入る。第2シードからウクライナ、第3シードからフィンランド、第4シードからボスニア・ヘルツェゴビナ、第5シードからカザフスタンという国々と対戦することになった。
また3月には一気に3試合行うことになるが、24日の初戦は最大のライバルとなる第2シードのウクライナとホームで戦い、28日にはアウエーでカザフスタン、31日にはアウエーでボスニア・ヘルツェゴビナという日程である。
■発表された26人のメンバーには新人は不在
昨年11月17日のUEFAネーションズリーグのスウェーデン戦以来の試合となり、ディディエ・デシャン監督がどのようなメンバーを選出するか注目が集まった。
しかし、指揮官の選んだ26人には初招集の選手はいなかった。これはちょうど初招集の可能性のある若手が21歳以下の欧州選手権と日程が重なっていることに加え、デシャン監督が今年行われる欧州選手権、UEFAネーションズリーグのファイナルステージでまず勝利することを目標としていることの表れであろう。
26人のメンバーであるが、GKはウーゴ・ロリス、マイク・マイニャン、スティーブ・マンダンダ、アルフォンス・アレオラの4人、DFはルカ・ディーニュ、レオ・デュボワ、ルカ・エルナンデス、プレスネル・キンペンベ、クレマン・ラングレ、フェルラン・マンディ、ラファエル・バラン、クルト・ズーマの8人、MFはエンゴロ・カンテ、タンギ・エンドンベレ、ムーサ・シッソコ、ポール・ポグバ、アドリアン・ラビオの5人、FWはオリビエ・ジルー、ウィッサム・ベン・イェデル、アントワン・グリエズマン、ウスマン・ダンベレ、アントニー・マルシャル、キリアン・ムバッペ、キングスレー・コマン、キリアン・ムバッペ、トマ・ルマールの9人となった。
初招集の選手はいないが、久しぶりに代表に復帰した選手がいる。2018年11月のUEFAネーションズリーグのグループリグの最終戦のオランダ戦以来となるダンベレである。ダンベレはスペインのバルセロナに所属しており、チャンピオンズリーグのパリサンジェルマン戦での活躍が2年半ぶりの代表復帰につながったのかもしれない。それ以外にもアレオラ、エンドンベレ、ルマールは1年以上のブランクを経て代表に復帰してきたのである。(続く)