第2818回 パリサンジェルマン、マンチェスター・シティと対戦(2) 2年前の準々決勝で 対戦した両監督

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■フランス勢として30年ぶりに2年連続で四強入りしたパリサンジェルマン

 日本の皆様にとってマンチェスター・シティが来日した数多くのチームの中で日本代表との力量差を最も痛感したチームであるといえよう。そしてパリサンジェルマンも今まで3戦して一度も勝利したことがないことは前回の本連載で紹介した通りである。
 パリサンジェルマンは昨年に続き2年連続の準決勝となる。フランスのクラブで2年連続してチャンピオンズリーグの準決勝を戦うのはパリサンジェルマンが初めてであり、前身のチャンピオンズカップまで含めても1990年と1991年のマルセイユ以来30年ぶりのこととなる。
 準決勝の第1戦は4月28日にパリ、第2戦は5月4日にマンチェスターで行われる。準々決勝同様に中1週間、第1戦の結果がそのまま第2戦に影響することは想像に難くなく、昨年を上回る成績、すなわち優勝をするためにはパリでの試合で先勝、さらには得点差をつけておきたいところである。

■過密日程の中で国内外での三冠を狙う両チーム

 パリサンジェルマンは準々決勝のバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)との第2戦の後は国内リーグ2試合、フランスカップ準々決勝1試合を戦ったが、すべて勝利した。国内タイトルに関しては残り4試合となったリーグ戦では2位、フランスカップはあと2勝であり、国内外の三冠は射程距離にある。
 一方のマンチェスター・シティはプレミアリーグで2位のマンチェスター・ユナイテッドに大差をつけて独走中である。FAカップは準決勝でチェルシーに敗れたが、リーグカップは決勝でトットナム・ホットスパーを下して優勝している。分母は違うが、こちらも国内外での三冠を狙っている。
 このようにシーズン終盤になっても国内外のタイトルを争う両チームは4月は過密日程であり、両チームとも8試合を消化する。マンチェスター・シティは国内リーグ戦は3試合、FAカップ1試合、リーグカップ1試合、そしてチャンピオンズリーグ3試合、パリサンジェルマンは国内リーグ4試合、フランスカップ1試合、チャンピオンズリーグ3試合、両チームとも月間成績は5勝2敗で、4月最後の試合がパリでの準決勝第1戦である。

■監督は同世代のマウリシオ・ポチェッティーノとジョゼップ・グアルディオラ

 タイトルのかかった過密日程を乗り切るために、両チームは豊富な戦力のうち、どのように各試合に選手のリソースを配分するか、指揮官の手腕の問われるところである。パリサンジェルマンはシーズン途中に就任したアルゼンチン人のマウリシオ・ポチェッティーノ監督、マンチェスター・シティはスペイン人のジョゼップ・グアルディオラ監督である。グアルディオラは監督としてバルセロナ(スペイン)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)を経てマンチェスター・シティで5シーズン目を迎える。バルセロナではチャンピオンズリーグで2回優勝したが、マンチェスター・シティではプレミアリーグで2回の優勝はあるが、チャンピオンズリーグは過去4シーズンとも決勝トーナメントに進出しているが、準々決勝の壁を破ることができない。そして4回の決勝トーナメントでの敗戦のうち、2階はフランス勢に阻まれ、就任初年の2017年は1回戦でモナコに、そして昨季は準々決勝でリヨンに敗れている。
 一方のポチェッティーノ監督は1月に就任したばかりであるが、監督としてはスペインのエスパニョール、イングランドのサザンプトンとトットナム・ホットスパーを率いてきた。

■2年前の準々決勝でトットナム・ホットスパーとマンチェスター・シティが対戦

 2人は同世代であり、監督としてバルセロナ対エスパニョール、マンチェスター・シティ対トットナム・ホットスパーという対決をしてきた。
 2人の最後の対戦は国内リーグではなくチャンピオンズリーグであった。2017-18シーズンのチャンピオンズリーグ準々決勝、この時はベスト8の半数の4チームがイングランド勢であったが、唯一のイングランド勢対決としてトットナム・ホットスパーとマンチェスター・シティが対戦した。ロンドンでの第1戦はソンフンミンのゴールで1-0とポチェッティーノが勝利、そしてマンチェスターでの第2戦は得点の奪い合いとなりグアルディオラのチームが4-3と勝利したが、2試合通算成績でトットナム・ホットスパーが準決勝に進出、結局は準優勝を果たした。
 それ以来のライバル対決が実現したのである。(続く)

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