第2819回 パリサンジェルマン、マンチェスター・シティと対戦(3) 唯一の無敗チーム、マンチェスター・シティ

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■5季目に入ったジョゼップ・グアルディオラ監督

 選手としてよりも監督としての評価が高くなった感のあるジョゼップ・グアルディオラであるが、5シーズン目に入る。これまでバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、バルセロナ(スペイン)というビッグクラブでも4季しか指揮を執っていなかったグアルディオラについては最長政権となる。そして5シーズン目には名将にふさわしい最後のタイトル、チャンピオンズリーグ優勝を獲得したいところである。今季のマンチェスター・シティはイングランドのプレミアリーグで独走しているが、チャンピオンズリーグでの戦いを振り返ってみよう。

■唯一の無敗チーム、9勝1分で準決勝を迎える

 グループリーグはマルセイユと同じグループC、マンチェスター・シティは昨季のプレミアリーグでは優勝できなかったため第2シードに甘んじる。第1シードはポルトガルチャンピオンのポルトである。第1節で両チームがマンチェスターのシティ・オブ・マンチェスター・スタジアムで対戦した。UEFAランキングではマンチェスター・シティの方がはるかに上であり、意地を見せたいところである。ポルトが先制したが、マンチェスター・シティはPKで追いつき、後半に2点を奪って3-1と勝利する。これでマンチェスター・シティは勢いに乗る。第2戦はベロドロームでマルセイユに3-0、第3戦はギリシャ王者のオリンピアコスにホームで3-0と3連勝で折り返す。第4節でもアウエーでオリンピアコスに1-0と勝利し、勝ち点12とし、決勝トーナメント出場を早々に決める。また、初戦でマンチェスター・シティに逆転負けしたポルトも第2節以降は3試合連続で完封勝利、勝ち点を9に伸ばし、決勝トーナメント進出をほぼ手中にしている。第5節はこの二強のポルトでの頂上決戦となった。この試合はスコアレスドロー、この時点でマンチェスター・シティの首位通過、ポルトの2位通過が決定し、マンチェスター・シティは最終戦も勝利する。
 決勝トーナメント1回戦はシード扱いとなり、ドイツのボルシア・メンヘングランドバッハと対戦する。アウエーの第1戦、ホームの第2戦とも2-0で勝利し、これまでのクラブの最高成績である準々決勝に進出する。そして準々決勝については前々回の本連載で紹介した通り、1回戦と同じドイツ勢のボルシア・ドルトムントと対戦し、連勝している
 今季のチャンピオンズリーグの戦績は9勝1分で無敗を保っている。準決勝に進出したほかのチームの戦績を見ると、パリサンジェルマンは6勝1分3敗、チェルシー(イングランド)は7勝2分1敗、レアル・マドリッド(スペイン)は6勝2分2敗であり、ここまで無敗のマンチェスター・シティの成績が抜きんでていることがわかる。

■国内ほど良い成績を残していないチャンピオンズリーグの戦績

 しかし、国内外で圧倒的な成績を残していてもホームアンドアウエー方式のノックアウト方式では何が起こるかわからない。グアルディオラ監督就任後の4年間はプレミアリーグでは優勝2回、2位と3位が1回ずつ、FAカップは優勝1回、リーグカップは優勝3回と圧倒的な成績を残しながらも、チャンピオンズリーグは準々決勝の壁を破ることができず、就任初年は決勝トーナメント1回戦、それから3年間は準々決勝で敗れていた。

■決勝進出を目指すマンチェスター・シティの先発メンバー

 4月28日の無人のパルク・デ・プランス、5年目にかけるグアルディオラが決勝進出のために送り出さしたメンバーはGKはエデルソン、DFは右からカイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、ルベン・ディアス、ジョアン・カンセロ、MFは右からイルカイ・ギュンドガン、ロドリゴ、ケビン・デブライネ、FWは右からリヤド・マフレズ、ベルナルド・シウバ、フィル・フォデンである。2週間前のボルシア・ドルトムントとの第2戦と比べても、1人しか先発メンバーが入れ替わっておらず、グアルディオラ監督が自信をもっているメンバーなのである。(続く)

このページのTOPへ