第2822回 パリサンジェルマン、マンチェスター・シティと対戦(6) マンチェスター・シティに連敗、準決勝で敗退

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■エースのキリアン・ムバッペはベンチスタート

 クラブ史上初めてのアウエーの第2戦での逆転勝利を目指すパリサンジェルマン、5月4日にイングランドのマンチェスター、シティ・オブ・マンチェスター競技場のピッチで2年連続の決勝進出を目指す先発メンバーはこの日も4-2-3-1のシステムである。GKはケイロス・ナバス、DFは右からアレッサンドロ・フロレンツィ、マルキーニョス、プレスネル・キンペンベ、ディアロ、MFは低い位置に2人、アンデル・エレーラとレアンドロ・パレデス、攻撃的なMFは右からアンヘル・ディマリア、マルコ・ベラッティ、ネイマール、FWは1トップでマウロ・イカルディである。エースのキリアン・ムバッペは第1戦の前に痛めたふくらはぎの状態が思わしくなくベンチスタートとなる。1週間前のパリでの試合と比べると3人が入れ替わっている。

■復帰のフェルナンジーニョが主将を務めるマンチェスター・シティ

 一方のマンチェスター・シティ、こちらも4-3-3システムは堅持するが、第1戦とは2人を入れ替えてきた。GKはエデルソン、DFは右からカイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、ルベン・ディアス、オレクサンドル・ジンチェンコ、MFは右からフェルナンジーニョ、イルカイ・ギュンドガン、ベルナルド・シウバ、FWは右からリヤド・マフレズ、ケビン・デブライネ、フィル・フォデンである。ジンチェンコとともに復帰してきたフェルナンジーニョがキャプテンマークを巻き、コイントスに臨み、クラブ史上初のチャンピオンズリーグ決勝進出を目指す。

■先制点はマンチェスター・シティのリヤド・マフレズ

 パリサンジェルマンのキックオフで始まったこの試合、少なくとも2点の必要なパリサンジェルマンは立ち上がりから積極的にマンチェスター・シティのゴールに迫る。最初のチャンスは5分、ネイマールのシュートがストーンズにブロックされる。そしてその直後、パリサンジェルマンのクロスボールがペナルティエリア内でジンチェンコの腕に当たり、ハンドかどうかの判定はVARに委ねられたが、パリサンジェルマンにPKは与えられなかった。
 パリサンジェルマンが攻め込んだ展開の序盤であったが、先にゴールをあげたのは水色のユニフォームのマンチェスター・シティであった。カウンターアタックの起点はGKのエデルソン、ジンチェンコ、デブルイネとつなぎ、デブルイネのシュートがフロレンツィにあたる。ここでこぼれたボールに反応したのがマフレズであった。利き足ではない右足でよく反応し、先制ゴールとなる。時間はわずかに11分、パリサンジェルマンは2点をあげてもアウエーでの延長戦に突入するだけである。
 パリサンジェルマンにとって同点のチャンスは17分、CKからディマリアが左サイドからクロスをあげる。これをマルキーニョスがストーンズに競り勝ってヘディングするが、シュートはバーを直撃、同点にはならなかった。19分にもディマリアがロングシュートを放つが、枠からわずかに外れ、そのまま試合は後半に入る。

■枠内シュートなしで敗退したパリサンジェルマン

 後半になってもリズムは変わらず、パリサンジェルマンのボール支配率は6割以上であり、ネイマールを中心に積極的にシュートを放つが、枠内にシュートが飛ばない。シュートの精度が悪いというよりはマンチェスター・シティの両ストッパーのストーンズとディアスが果敢にシュートをブロックし、GKのエデルソンを助ける。こういう時に事態を打開できるのがムバッペのスピードであるが、マンチェスター・シティが引き気味であることから、これまでバルセロナ(スペイン)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)という強豪相手に見せてきたカウンターアタックを活かすことができないと判断したのか、交代要員として呼ばれない。
 そしてマンチェスター・シティは63分にマフレズがカウンターアタックから2点目を決める。1点目と同様にジンチェンコが起点となってパスをつなぎ、今度は聞き足の左足で決めた。
 試合はパリサンジェルマンが枠内にシュートを打つことなく、マンチェスター・シティが勝利し、決勝進出を決める。欧州カップでは1970年のカップウィナーズカップ以来の決勝進出、つまり、パリサンジェルマンが誕生した年以来のことなのである。(この項、終わり)

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