第2833回 リール、10年ぶりにリーグ優勝(4) リール、リヨンを大逆転、首位の座を守る

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■チャンピオンズリーグの準決勝進出を決めたパリサンジェルマン

 4月初めの第31節、リールをホームに迎えたパリサンジェルマンは0-1と惜敗し、首位から陥落する。この直後にチャンピオンズリーグの準々決勝のバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)との第1戦が行われたが、すでにご紹介した通り、アウエーで勝利し、準決勝進出に大きく前進している。上位四強のうち、第31節ではパリサンジェルマンが敗れ、リヨンが引き分けたが、第32節は4チームとも勝利している。パリサンジェルマンはバイエルン・ミュンヘンとの第2戦は敗れたが、通算スコアで準決勝進出を決めて、国内外でのタイトルを狙う。

■首位リールが引き分け、パリサンジェルマン、モナコ、リヨンは勝利し大混戦

 第33節では最初に試合を行ったのがリール、モンペリエを迎えての試合であり、リールが一方的に攻めながら、先制を許し、敗れるかと思われたが、終盤にルイ・アラウジョが同点ゴールを決めて、かろうじて引き分ける。パリサンジェルマン以下のチームにとっては首位に迫るチャンスである。パリサンジェルマンはサンテチエンヌとホームで対戦する。アジア市場向けに日曜日の午後に行われた試合、パリサンジェルマンは勝てばリールに勝ち点1差に迫るが、なかなか得点をあげることができない。そして先制点を78分に許してしまう。ここからがスペクタクルな展開となった。先制を許した1分後にキリアン・ムバッペが同点ゴール、さらに87分にはPKを獲得し、ムバッペが決めて逆転し、勝ち点3獲得かと思われたが、アディショナルタイムにサンテチエンヌは同点に追いつく。しかし、パリサンジェルマンは95分にマウリシオ・イカルディが決勝点をあげ、3-2と見事な逆転勝利でリールに勝ち点1差に迫った。リヨン、モナコも勝利し、勝ち点70のリール以下、パリサンジェルマン、モナコ、リヨンと4位までは勝ち点1差ずつでひしめく。
 この第33節の直後の週の半ばにはフランスカップの準々決勝があり、4強のうち残っていたパリサンジェルマンとモナコが準決勝に進出した。

■リヨンとリールが対戦、2点を先行したリヨン

 次の第34節ではフランスカップで敗退してしまったリヨンとリールが対戦する。この1戦は第34節の結びの一番として組まれ、この試合の前にパリサンジェルマンがメッスに勝利、モナコもアンジェに勝利したため、暫定的にパリサンジェルマンが首位(勝ち点72)、2位が勝ち点71のモナコとなる。リールは勝ち点70で暫定3位、リヨンは勝ち点67で暫定4位となる。パリサンジェルマンはこの3日後にチャンピオンズリーグ準決勝のマンチェスター・シティ(イングランド)との第1戦を控えており、フランスリーグの首位としてプレミアリーグの首位チームと対戦したいところである。
 リヨンは今季欧州カップの出場権を失ったが、チームの目標は欧州カップ出場、さらにはタイトル獲得であろう。そのリヨンの思いが現れたのは試合の序盤であった。20分にリヨンはイスラム・スリマニがリールの守備陣をかわしてシュート、これが先制点となる。リールのGKのマイク・マイニャンはこれまでクリーンシートと言われる完封勝ちを今季18試合記録している。これは欧州五大リーグのGKの中では最多である。その堅守を誇るマイニャンから先制点を奪う。その直後にリールはジョナタン・ダビッドがゴールを決めるが、オフサイドの判定で得点ならず。そして35分にリールはポルトガル代表の名手ジョゼ・フォンテが痛恨のオウンゴール、押し気味で試合を進めながら2点をリードされる。

■2点差を逆転したリール、首位をキープ

 しかし、リールは前半のアディショナルタイムにブラク・イルマズが1点を返し、1点差でハーフタイムを迎える。
 後半に入って60分にリールはダビッドが同点ゴールをあげ、さらに85分にはイルマズが決勝ゴールをあげて、2点差から逆転勝ちを収める。パリサンジェルマンに明け渡した首位の座をものの数時間で取り返し、首位をキープしたのである。(続く)

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