第2836回 リール、10年ぶりにリーグ優勝(7) パリサンジェルマン、モナコ、リヨンがそろって勝利

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■過密日程のパリサンジェルマン、国内二冠に向けた残り3試合

 フランスリーグも残り2節、第37節でリールは2位のパリサンジェルマンよりも良い結果を残せば優勝を果たすことができたが、前回の本連載で紹介した通り、ホームのサンテチエンヌ戦はスコアレスドローであった。同時にキックオフされた他の上位陣の戦いについて紹介しよう。
 まずは勝ち点3差で追うパリサンジェルマン、ホームにスタッド・ド・ランスを迎える。パリサンジェルマンは前節ではレンヌに引き分け、若干後退したかに見えたが、このスタッド・ド・ランス戦との間の5月12日にはフランスカップ準決勝ではモンペリエにPK戦で勝利し、決勝進出を決め、第37節と最終節の間にモナコと決勝を戦う。チャンピオンズリーグ優勝の夢が破れ、国内二冠に向けて残り3試合に希望を託す。

■ネイマールが先制点、得点ランキングトップのキリアン・ムバッペが追加点

 パリサンジェルマンは1トップにキリアン・ムバッペ、その下にネイマール、アンヘル・ディマリア、ユリアン・ドラクスラーとベストメンバーである。パリサンジェルマンは今年が創立51年、パリサンジェルマンが誕生した時にはフランスリーグで最多優勝を誇ったスタッド・ド・ランスもその優勝回数を積み上げることなく半世紀がたった。意地を見せたいところであったが、10分にディマリアからパスを受けたムバッペが抜け出してシュート、スタッド・ド・ランスのDFユニス・アブデルハミッドがスライディングして防ごうとするがボールが手に当たってしまう。これが決定的な得点機のハンドによる阻止ということでレッドカード、そしてペナルティスポットにボールが置かれる。ネイマールは小刻みな助走から落ち着いて相手GKの動きを観察しつつ右サイドに決め、パリサンジェルマンが先制する。
 もちろん、ベンチにはリールの試合展開も入っているであろうが、得点を積み重ねることのみに選手は専念する。26分にはスタッド・ド・ランスのゴール前でのパスをムバッペが奪ってダイレクトにシュート、今季26ゴール目となる。

■久しぶりの完封勝利、本拠地最終戦を飾ったパリサンジェルマン

 パリサンジェルマンはスペクタクルなゲームを見せ、53分にはペレイラのミドルシュートがポストに当たって跳ね返ったところをネイマールが鮮やかに決めるが、これはオフサイドで得点ならず。68分には左サイドからのネイマールのCKをゴール前に上がってきたマルキーニョスがヘディングで3点目、スタッド・ド・ランスの守備陣はわかっていても失点を防ぐことができない、パリサンジェルマンの鉄壁の得点パターンである。リールでの試合が両チームともなかなか得点をあげることができない中で、パリサンジェルマンは試合終了直前にも途中からムバッペに代わって出場したモイス・キーンがゴール前の混戦から左足で得点をあげる。結局、パリサンジェルマンは4-0という大差で国内二冠の望みをつないだのである。またパリサンジェルマンはリーグ戦では7試合連続で失点していたが、ほぼ2月ぶりにクリーンシート、ホームでの今季最終戦を飾ったのである。

■3位モナコが勝利し、リールと勝ち点3差、4位のリヨンも勝利

 そして3位のモナコと4位のリヨンについても紹介しなくてはならなくなった。残り2試合の時点で首位リールと勝ち点5差のモナコ、6差のリヨンは数字の上では優勝の可能性があり、チャンピオンズリーグの出場権争いも続く。
 3位のモナコは前節でパリサンジェルマンと引き分けているレンヌをルイ2世競技場に迎える。モナコは16分にウィッサム・ベン・イェデルがカウンターアタックから先制点を奪う。今季20得点目となり、ムバッペに次ぐ得点ランキング2位であり、欧州選手権でのフランス代表入りも期待される。さらにアレクサンドル・ゴロビンが追加点、後半にオウンゴールで1点を失うが、2-1で勝利し、首位リールとの勝ち点差は3となったのである。
 そしてチャンピオンズリーグ出場権の3位以内を狙う「秋の王者」リヨンは、降格間際の19位のニームとアウエーで対戦した。降格を免れたいニームに先制点を許したが、逆転してゴールを重ね、5-2と勝利する。3位モナコとの勝ち点差は1のままで、チャンピオンズリーグ出場への望みをつなぐとともに、ニームを2部に降格させたのである。(続く)

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