第2868回 2021-22シーズン開幕(1) リールがチャンピオンズトロフィーで初優勝
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■2部は7月24日、1部は8月6日に開幕したフランスリーグ
新型コロナウイルスの感染拡大下で開催された東京オリンピックのサッカーの優勝は男子がブラジル、女子がカナダ、欧州勢にはタイトルが遠い。
東京でオリンピックが行われている間に、フランスではリーグ戦が開幕し、リーグ戦開幕を告げるチャンピオンズトロフィー、そしてチャンピオンズリーグの予備戦が行われている。フランスリーグは2部は7月24日に開幕している。2部のクラブからオリンピックに出場したのはフランスのアレクシス・ベカ・ベカ(カーン)とイスマエル・デュクレ(バランシエンヌ)、コートジボワールのイスマイル・ディアロ(アジャクシオ)とシェイク・ティミテ(アミアン)、ルーマニアのアレックス・デュブレ(ディジョン)の5人であった。そしてフランスチーム代表に13人(実際に合流しなかった2人を除くと11人)を送ったほか、韓国の黄大義(ボルドー)、ブラジルのギマラエス(リヨン)、アルゼンチンのファクンド・メディーナ(RCランス)を送り込んだ1部は8月6日に開幕した。
■例年、1部の開幕前週に国外で行われるチャンピオンズトロフィー
2部の開幕がオリンピックの開会式、1部の開幕は閉会式とほぼ同じタイミングである。そして1部開幕の1週間前の8月1日にはリーグチャンピオンとフランスカップ勝者の間でチャンピオンズトロフィーが行われた。そして目を欧州に転じると昨季リーグ3位のモナコはチャンピオンズリーグの予備戦3回戦から参戦し、第1戦は8月3日、第2戦は10日に行われる。
今回はシーズン到来を告げるチャンピオンズトロフィーについて紹介しよう。昨季は当初はシーズン開始前週の8月1日にコートジボワールのアビジャンあるいは米国のミネアポリスで開催する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大のために、1月13日というリーグ戦の前半戦が終了した時点で国内のランス(Lens)で開催され、リーグチャンピオンのパリサンジェルマンが代替出場のマルセイユを下して8季連続の優勝を果たしている。
■初優勝を目指すリールと9連覇のかかるパリサンジェルマンがテルアビブで対戦
今季はリーグチャンピオンのリールがフランスカップ優勝チームのパリサンジェルマンと対戦、舞台はイスラエルのテルアビブである。新型コロナウイルスのワクチン接種の進んだイスラエル、会場には2万9000人の観衆が集まった。
リーグチャンピオンのリールは二冠を獲得した2011年以来、2回目の出場である。前回はリーグ2位のマルセイユに壮絶な点の取り合いの末、4-5と敗れている。一方のフランスカップ勝者のパリサンジェルマンは9年連続13回目の出場となり、9連覇を狙う。
■主力を欠くパリサンジェルマンに対し、新監督率いるリールが最少得点で勝利
パリサンジェルマンはキリアン・ムバッペ、ネイマール、アンヘル・ディマリア、マルキーニョスという主力を欠くほか、新加入のセルヒオ・ラモスやジャンルイジ・ドンナルンマも帯同していない。しかし、それでもケイロス・ナバス、プレスネル・キンペンベ、マウロ・イカルディ、ユリアン・ドラクスラーなどをそろえたラインナップである。
一方のリールはリーグ優勝を果たしたクリストフ・ガルティエ監督に代わってジョスリン・グルベネック新監督の初陣となる。昨季の優勝メンバーではレナート・サンチェス、ゼキ・チェリクを欠く程度で、37歳のジョゼ・フォンテ、3連敗に終わってしまったトルコ代表の主将ブラク・イルマズ、ジョナタン・バンバなどのメンバーをそろえている。試合はほぼ互角の展開で進み、間もなくハーフタイムという45分にイルマズからのクロスをパリサンジェルマンの守備陣がクリアできず、リールのシェカがシュートを決める。
9連覇を目指すパリサンジェルマンは、後半は一方的に試合を支配する。しかし、パリサンジェルマンには得点をあげることのできる役者がテルアビブには来ていなかった。74分にはイカルディがゴールを決めたかに見えたが、イスラエル人の審判団の判定はオフサイド。結局リールが1-0と勝利し、初優勝を収める。9連覇を狙ったパリサンジェルマンは記録がストップ、主力を加えた態勢で臨むリーグ戦での覇権奪回を目指すのである。(続く)