第2876回 欧州カップ本戦出場への道(1) 新ルールに泣いたモナコ、本戦出場を逃す

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■直接本戦に出場できないモナコとレンヌ

 今季はフランスリーグから欧州カップに参戦するのは6チームである。チャンピオンズリーグには昨季リーグ1位から3位までのリール、パリサンジェルマン、モナコ、ヨーロッパリーグには4位のリヨンと5位のマルセイユ、新設されたヨーロッパカンファレンスリーグには6位のレンヌが出場する。なお、フランスカップで優勝したパリサンジェルマンにはヨーロッパリーグの出場権があるが、上位のチャンピオンズリーグの出場権を獲得しているため、リーグ6位のチームまで欧州カップの出場権が与えられた。
 これらの6チームの中でモナコとレンヌは本戦にそのまま出場できるわけではない。モナコは予備戦3回戦とプレーオフを勝ち抜かなくてはならず、レンヌはプレーオフが待っている。

■チャンピオンズリーグの常連のシャフタール・ドネツクとプレーオフで対戦

 今回はモナコを紹介しよう。モナコは予備戦3回戦をスパルタ・プラハと争い、連勝してプレーオフに進出したことは本連載第2872回で紹介した。本戦出場を決めるプレーオフの相手はウクライナのシャフタール・ドネツク、ホームの第1戦は8月17日に、アウエーの第2戦は25日に行われた。
 リーグ開幕戦でナントと引き分けたモナコは第2節ではロリアンにアウエーで敗れ、まだ勝ち星がない。相手のシャフタール・ドネツクはチャンピオンズリーグの常連であり、過去15年間のうち13回、チャンピオンズリーグの本戦を戦っている。昨季はリーグ5連覇を逃して2位となった。ウクライナリーグでは優勝しても本戦出場はできず、今年で6年連続でプレーオフ、予備戦からの参戦となった。

■第1戦はシャフタール・ドネツクが先勝

 シャフタール・ドネツクはレギュラーの半数をブラジル人選手で固め、残り半分はウクライナ人選手であるが、監督はイタリア人のロベルト・デ・ゼルビ。モナコはウィッサム・ベン・イェデルとケビン・フォランドの2トップ、中盤のジェウソン・マルティンス、アレクサンドル・ゴロビン、オーレリアン・チャムメニが2トップを支える。
 この試合の先制点はボール支配率に上回るシャフタール・ドネツクであった。19分にペドリーニョが決める。これに対してモナコはすぐに反撃し、ブノワ・バディシル、ベン・イェデル、フォランドなどがゴールを襲うが同点には追いつけない。後半に入ってモナコは積極的に選手交代を行って同点への扉を開けようかとするが、なかなか追いつけない。終盤の82分にはマイロン・ボアドゥのシュートがポストに嫌われる。度重なる得点機をものにできなかったモナコは第1戦を0-1と落としてしまった。

■第2戦はアウエーゴール2倍のルール撤廃により、延長戦へ、痛恨のオウンゴール

 モナコはリーグ戦第3節でもスタッド・ド・ランスに0-2と敗れ、調子のあがらないままウクライナでの第2戦に臨む。ドンバス戦争のため、ドネツクでは試合が開催できず、ハリコフでの試合となる。両チームとも第1戦とほとんど同じメンバーで臨む。 逆転したいモナコは立ち上がりから積極的に攻める。そして18分にモナコは先制点を決める。決めたのは主将のベン・イェデル、今シーズン初得点を左足のボレーシュートで決めた。38分にはバディシルのシュートがポストに当たったが、39分にはベン・イェデルが追加点を再び左足ボレーで決める。さらに前半のアディショナルタイムにベン・イェデルはハットトリック達成かという得点機をつかむ。
 後半に入ってモナコは試合直前にリヨンから獲得したジャン・ルーカスが交代出場、追加点を狙うが、逆に得点を奪ったのはシャフタール・ドネツク、74分に1点を返す。試合は90分終えたところでモナコが2-1となった。昨年までのアウエーゴール2倍ルールであれば、モナコが本戦出場であるが、今年からそのルールが撤廃され、2試合通算得点が2-2ということで延長戦に入る。
 新ルールにモナコは泣いた。延長後半の114分、シャフタール・ドネツクのクロスをクリアしようとしたモナコのルーベン・アギラーは右足でボールに触る。しかし、アギラーのタッチしたボールはループシュートなってオウンゴールとなった。モナコは2試合通算スコア2-3でプレーオフ敗退、ヨーロッパリーグに転戦したのである。(続く)

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