第2879回 ワールドカップ予選、9月の3連戦(2) 新人3人を含む23人のメンバー発表
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■ボスニア・ヘルツェゴビナ、ウクライナ、フィンランドと対戦するフランスの23人
欧州選手権明けの9月初めにワールドカップ予選の3連戦が行われるが、ここでそのスケジュールを紹介しよう。1日にストラスブールでボスニア・ヘルツェゴビナ(2試合消化、勝ち点2)と対戦し、4日にウクライナ(3試合、3)、7日にリヨンでフィンランド(2試合、2)と対戦する。フランスは3試合消化して勝ち点7、この3連戦で一気に差を広げたいところである。
フランスのディディエ・デシャン監督は8月26日にこの3連戦に向けたメンバーを発表した。GKはウーゴ・ロリス、スティーブ・マンダンダ、マイク・メニャンの3人、DFはプレスネル・キンペンベ、ラファエル・バラン、ダヨ・ウパメカノ、クルト・ズーマ、ルカ・ディーニュ、レオ・デュボワ、ジュール・クンデ、テオ・エルナンデスの8人、MFはポール・ポグバ、コランタン・トリッソ、エンゴロ・カンテ、ジョルダン・ベレトゥ、オーレリアン・チュアメニの5人、FWはアントワン・グリエズマン、トマ・ルマール、キリアン・ムバッペ、キングスレイ・コマン、カリム・ベンゼマ、ムサ・ディアビ、アントニー・マルシャルの7人、総勢23人である。
■メンバーから外れたベテラン勢
欧州選手権明けということでメンバーの入れ替わりが気になるが、欧州選手権の26人のメンバーで今回はずれたのがDFではバンジャマン・パバール、クレマン・ラングレ、MFではムーサ・シッソコ、アドリアン・ラビオ、FWではオリビエ・ジルー、ウスマン・ダンベレ、ウィッサム・ベン・イェデル、マルクス・テュラムの8人である。この中で30歳以上はジルー(34歳)、シッソコ(31歳)、ベン・イェデル(30歳)の3人である。一方、今回加わったメンバーは、ウパメカノ、ベレトゥ、チュアメニ、ディアビ、マルシャルとなる。
■期待の若手、オーレリアン・チュアメニとムサ・ディアビ
ウパメカノとマルシャルは復帰組であり、代表初選出はベレトゥ、チュアメニ、ディアビの3人である。チュアメニはモナコに所属する21歳であり、シーズン開幕後から本連載にもしばしば登場している。17歳でボルドーとプロ契約し昨年初めの冬の移籍期間にモナコに移ってきた。年代別代表の常連であり、今春行われた21歳以下の欧州選手権には3月のグループリーグ、5月の決勝トーナメントいずれにも選出されている。そして所属するモナコでは2シーズン目の2020-21シーズンにはリーグ最優秀若手選手に選出されている。
22歳のディアビはパリ出身でパリサンジェルマンの下部組織で育ち、18歳でプロ契約を果たしている。現在はドイツのレバークーゼンの左ウイングである。スピードが魅力の選手であり、昨季は6アシストを決めている。メンバー発表の直前に行われたボルシア・メンヘングランドバッハ戦では今季勝ゴールを決め、初めての代表入りとなった。
■28歳で初の代表入りとなったジョルダン・ベレトゥ
若い2人と対照的なのがベレトゥである。ベレトゥは28歳で初めての代表入りとなった。ナントの下部組織で育ち、当時2部に降格していたナントとプロ契約を果たした。ナントではプロ2年目からコンスタントに試合に出場し、1部昇格にも貢献した。イングランドのアストンビラに移籍し、イタリアのフィオレンティーナを経て、現在はASローマに所属している。年代別のフランス代表では活躍し、2013年には20歳以下のワールドカップで優勝した。この時のチームメイトにはポグバ、ズーマ、ディーニュと今回の代表メンバー、さらにはアルフォンス・アレオラ、そしてオーバーエイジでオリンピックに出場したフローリアン・トーバンも名を連ねている。ウルグアイとの決勝はPK戦となったが、ベレトゥは成功させており、現在もASローマではPKのキッカーを務めている。
そしてベテランというと第1GKのロリス(34歳)、第2GKのマンダンダ(36歳)に加え、フィールドプレーヤーとして33歳のベンゼマが欧州選手権に続いて選ばれているのである。(続く)