第2897回 UEFAネーションズリーグファイナルズ(2) FIFAランキング1位を3年以上保つベルギー
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■フランスにとって最も対戦数が多いベルギー
第2回のUEFA ネーションズリーグ、フランスは準決勝でベルギーと対戦する。ベルギーとの対戦は本連載でもしばしば取り上げてきたが、1904年にフランス代表が初めての国際試合を行った相手がベルギーである。そしてこの試合は欧州大陸のチームによる初めての国際試合であった。以来、両国は毎年のように親善試合を行ってきたが、1960年代に入り、ワールドカップに加えて欧州選手権が始まったことから、親善試合を行う日程的な余裕がなくなってきたが、それでもフランスにとって最も対戦数が多い相手がベルギーであり、これまでに74試合対戦している。
直近の対戦は2018年のワールドカップ準決勝である。サンクトペテルブルクで行われた試合、フランスは51分にアントワン・グリエズマンが得点を決めて、決勝進出、決勝でもクロアチアを破って2回目の優勝を果たしている。それ以来3年ぶりの対戦となり、今回もまた決勝進出をかけた戦いとなる。
■スイスに得失点差で敗れた第1回UEFAネーションズリーグ
この後に2018年秋に行われた第1回UEFAネーションズリーグ、2019年春から秋にかけて行われた欧州選手権予選、2020年秋に行われた第2回UEFAネーションズリーグが行われた。第1回UEFAネーションズリーグではスイス、アイスランドが同じグループ2である。ベルギーとスイスの争いとなる。両国ともアイスランドにはホーム、アウエーとも勝利する。ベルギーのホームゲームではベルギーが2－1と勝利する。グループの最終戦はルツェルンでの直接対決。勝ち点6のスイスが勝ち点9のベルギーを迎え撃つ。スイスが勝利した場合はベルギーと勝ち点で並ぶが、その時は直接対決での成績の優劣で順位を決める。この試合でスイスが5－2と点差をつけて勝利し、ベルギーはファイナルズへの進出を逃した。
欧州選手権予選は2019年3月から始まった。グループIに入ったベルギーはロシア、スコットランド、キプロス、カザフスタン、サンマリノと対戦し、10戦10勝で予選を突破した。
■イングランド、デンマークを押さえて首位になった第2回UEFAネーションズリーグ
新型コロナウイルスの感染拡大によって欧州選手権の本大会が1年延期され、国際試合は2020年秋から第2回UEFAネーションズリーグが始まり、ベルギーはグループ2でイングランド、デンマーク、アイスランドと対戦した。ウェンブリーでのアウエーゲームでイングランドに逆転負けを喫したが、それ以外の5試合はすべて勝利する。イングランドもデンマークも取りこぼしがあり、ベルギーが首位となりファイナルズに進出した。
■欧州選手権ではイタリアに惜敗、ワールドカップ予選では独走
2021年3月からはワールドカップ予選が始まっている。3月に3試合、9月に3試合行ったベルギーはチェコにアウエーで引き分けた以外は5勝、同じく6試合消化の2位チェコは勝ち点8、5試合消化の3位ウェールズは勝ち点7であり、2位以内を確定している。
そしてワールドカップ予選中に行われる形となった欧州選手権の本大会は優勝候補筆頭と目され、グループBでは前評判通りの強さを見せ、ロシア、デンマーク、フィンランド相手に2試合がアウエーゲームという条件ではあったが3連勝し、決勝トーナメントに進出する。決勝トーナメント1回戦はスペインのセビリアに移動してポルトガルと対戦、トルガン・アザールの得点で勝利する。しかし、ドイツのミュンヘンに移動して行われたイタリアとの準々決勝、この大会で優勝することになるイタリアに2点を先行され、ロメル・ルカクが1点を返すにとどまり、ここで敗れた。
ベルギーは2018年9月にFIFAランキングで1位に躍り出たが、それ以降の戦いを見ると、敗れたのは2018年11月のスイス戦、2020年10月のイングランド戦、そして2021年7月のイタリア戦だけであり、引き分けも親善試合の2試合のみ、それ以外の試合ですべて勝利している。その結果、FIFAランキング1位の座を現在に至るまで確保しているのである。（続く）
