第406回 フランス勢5チームが越年 (3) モナコとリヨンがグループリーグを首位で突破
■光の祭典に沸くリヨンでゴールラッシュ
パリサンジェルマンが本拠地で敗れ、UEFAカップ出場すら逃してしまったが、その翌日にモナコとリヨンが最終節を迎えた。両チームの試合は同時刻にキックオフされたが、まずはすでにグループリーグ突破を決めているリヨンから紹介しよう。リヨンの町は本連載で何回か紹介しており、食の都というイメージが強いであろう。三ツ星レストランは週末ともなるとパリからの日本人客で占拠されてしまう。映画が斜陽となった日本では忘れられがちであるが、ルミエール兄弟によって世界で初めて映画が上映された街でもあり、光をフランス語でルミエールということから、光の町と言われている。そして12月8日はフェット・デ・ルミエール(光の祭り)がこの街で行われ、4万人の観衆で埋まったジェルラン競技場ではまばゆいばかりの祭典が繰り広げられたのである。すでにチャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出チーム(リヨン、マンチェスター・ユナイテッド)、UEFAカップ出場チーム(フェネルバフチェ)が決まっているグループDにとって首位争いだけが唯一の関心であったが、その期待に若手主体のリヨンのイレブンは応えた。試合開始早々にミカエル・エシアンが先制点、19分にはエウマールが追加点をあげる。後半に入って51分にエウマールがゴールをあげて3-0。その後もシルバン・イダンガ、ベルグノーが得点し、5-0と大勝する。
■リヨン、グループDを首位で突破
グループDのもう1つの試合はイスタンブールでフェネルバフチェがマンチェスター・ユナイテッドを迎えた。マンチェスター・ユナイテッドもすでに決勝トーナメント進出を確定していていることから若手中心の布陣で臨んだが、フェネルバフチェが意地を見せ、3-0と勝利する。このイスタンブールの試合結果はフェット・デ・ルミエールとゴールラッシュに沸くリヨンにも伝わり、リヨンは首位でグループリーグを突破したのである。
■アウエーで勝利が要求されるモナコ
そしてオリンピアコス(勝ち点10)、モナコ(9)リバプール(7)の三つ巴となったグループAはデポルティーボ・ラコルーニャ-モナコ、リバプール-オリンピアコスの2試合が同時にキックオフ。デポルティーボ・ラコルーニャはすでに最下位が確定しているとはいえ、昨季は準決勝まで進出しているチームがここまで無得点という汚名を返上したいところである。モナコはアウエーゲームが引き分けに終わった場合、勝ち点は10となるが、もう1つの試合でリバプールが勝てばモナコと同勝ち点となるが直接対決の成績でリバプールが優先される。また、その場合、リバプールは首位のオリンピアコスとも勝ち点で並ぶが、これまた直接対決でリバプールが優位に立つことから、リバプールの勝利への意欲は非常に高い。つまり、モナコはアウエーゲームの引き分け以下では厳しい結果となるであろう。
■モナコ、デポルティーボ・ラコルーニャを一蹴、首位突破
しかし、闘将ディディエ・デシャン率いるモナコは前年度準優勝チームである。前年度のファイナリストがセミファイナリストに負けるわけには行かない。コンゴ代表のシャバニ・ノンダを負傷で欠くモナコはウルグアイ代表エルンスト・チェバントンを起用、このチェバントンが見事に期待に応え、22分に先制点を決める。その後もモナコは主力が抜けて元気のないラコルーニャから次々とゴールを奪う。主将を務めるガエル・ジベが37分に追加点。そして39分にサビオラが3点目。後半に入ってもマイコン、アデバヨルがゴールを奪い、なんとアウエーで5-0と大勝する。
そしてもう一方のアンフィールドでの試合はリバプールが3-1で勝利する。この結果、グループAは勝ち点を12に伸ばしたモナコが首位、勝ち点10でリバプールとオリンピアコスが並んだが、直接対決の結果、リバプールが上位となり、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出を決める。最終節を迎えるまで首位だったオリンピアコスは3位に沈み、UEFAカップへまわることになってしまったのである。
フランス勢としてリヨンとモナコの2チームが首位でグループリーグを突破、決勝トーナメントに進むことになったのである。(続く)