第2984回 決勝トーナメントで苦戦するフランス勢(3) ポルトを下しベスト8入りしたリヨン
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■ヨーロッパリーグの常連となったリヨン
3月16日にリールがチェルシー(イングランド)に敗れ、フランス勢はチャンピオンズリーグから姿を消した。フランス勢がチャンピオンズリーグのベスト8に残ることができなかったのは2018-19シーズン以来3年ぶりのことである。
ヨーロッパリーグ、ヨーロッパカンファレンスリーグのベスト8決定戦は3月10日(9日)に第1戦、3月17日に第2戦が行われる。つまり、フランス勢は3月16日と17日で全滅する恐れもある。
今回からはヨーロッパリーグで勝ち進んでいるリヨンとモナコの戦いを紹介しよう。領チームともグループリーグを首位で通過し、第1戦をアウエーのイベリア半島で迎える。先に登場したのはリヨン、3月9日にポルトガルのポルトと対戦する。リヨンは国内リーグでは不本意なシーズンとなっており、この時点で11位である。フランスカップは失格となっており、唯一獲得の可能性のあるタイトルがヨーロッパリーグであり、グループリーグでの戦いぶりからは無理な話ではない。かつてはチャンピオンズリーグの常連であったが、現在の定位置はヨーロッパリーグ、フランスでヨーロッパリーグでの試合を最も多く経験したチームとなった。
■国内では独走するポルト
対するポルトはチャンピオンズリーグのグループリーグでリバプール(イングランド)、アトレチコ・マドリッド(スペイン)に次いで3位となり、ヨーロッパリーグに転戦してきた。国内リーグでは2020年の秋以来負けたことがなく、この時点でも2位のスポルティング・リスボンに勝ち点6の差をつけている。両チームはチャンピオンズリーグならびにその前身のチャンピオンズカップのノックアウト形式で対戦経験があり、1964年のチャンピオンズカップではポルトが2勝、2004年のチャンピオンズリーグの準々決勝ではポルトが1勝1分という成績であり、リヨンは今度こそ勝ちたいであろう。
■判定に恵まれたリヨンがアウエーの第1戦を制す
試合は立ち上がりから両チームの選手が負傷で倒れ、積極的にシュートが放たれる展開となった。互角の展開であり、リヨンのアントニー・ロペス、ポルトのディオゴ・コスタと両チームのGKが見せ場を作る。前半はポルトがやや優勢な形を作るが、両チーム無得点で後半を迎える。
後半に入り、52分、リヨンのメンデスがポルトの選手をペナルティエリア内でチャージするシーンがあり、ポルトはPKを主張したが、スペイン人の主審はファウルを取らない。59分にリヨンはカール・トコ・エカンビが左サイドを攻めあがり、ウスマン・ダンベレにパス、ダンベレからヒールキックでパスを受けたルーカス・パケタがシュートを決める。最初はオフサイドと判定されたが、VARの結果、ゴールとなってリヨンが先制する。ところがパケタはその3分後に自陣ペナルティエリア内でハンド、PKかと思われたが、VARで今後はPKではないとの判断、パケタとリヨンは2回救われる。しかし、ポルトは長い後半アディショナルタイム、95分にFKからヘディングでシャンセル・ムベンバがヘディングで同点ゴールを決めたかと思われたが、オフサイドでノーゴール、リヨンが第1戦を制した。
■大観衆の声援を受けたリヨン、ベスト8入り
3月17日にリヨンで行われた第2戦、ポルトは第1戦で警告を受けた主将のオタビオが累積警告のため出場停止となる。リヨンはグルーパマ競技場の5万7000人の大声援を受けて精神的に優位な戦いを進める。13分にはダンベレがオフサイドギリギリのところでデュボワからのパスを受け、ポルトの守備陣を交わして右足で先制点を決める。これで2試合通算ではリヨンの2点のリードとなる。リヨンは引き気味でボール支配率を高める戦術に転換する。しかし、これまで2回欧州の頂点に立ったポルトは27分にビエイラからのクロスをペペがボレーで豪快に同点ゴールを決めた。
ポルトはこのところフランスでの試合で3連勝中であったが、リヨンはポルトの勝ち越しを許さない。第2戦を1-1で乗り切ったリヨンはベスト8入りしたのである。(続く)