第2985回 決勝トーナメントで苦戦するフランス勢(4) ブラガに敗れたモナコ

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■国内で苦戦するモナコ、リヨン同様ポルトガル勢と対戦

 前回の本連載ではリヨンがヨーロッパリーグのベスト8決定戦でポルト(ポルトガル)を下したことを紹介したが、今回はヨーロッパリーグの決勝トーナメントに残ったもう1つのフランス勢のモナコを紹介しよう。
 モナコもリヨン同様にグループリーグを首位で突破したが、国内リーグでは8位と思うように勝ち点を伸ばしていない。また、前週の半ばに行われたフランスカップの準決勝ではナントにPK戦の末敗れており、現実的に残された唯一のタイトルがヨーロッパリーグであるという点もリヨンに似ている。さらにベスト8決定戦の相手がポルトガルのチームであることも共通点であり、モナコはブラガと対戦する。

■ポルトガルで四番手のブラガ

 ポルトガルのクラブの勢力地図はベンフィカ、スポルティング・リスボン、ポルトが三強、それを追うブラガは四番手である。過去10季の成績を振り返ると、4位が6回、3位が2回、5位と9位が1回ずつ、今季で7季連続のヨーロッパリーグ出場となる。ポルトガル勢の中では最もヨーロッパリーグでの試合数の多いチームとなった。しかし、2011年には準優勝したが、過去2年間はいずれも決勝トーナメント1回戦(ベスト16決定戦)で敗退している。
 今季は第1シードとしてグループリーグに参戦したが、アウエーで2敗し、セルビアのレッドスター・ベオグラードに次いで2位となり、決勝トーナメントのベスト32決定戦を戦うことになった。ベスト32決定戦ではチャンピオンズリーグのグループリーグの3位チームと対戦する。ブラガの相手はレアル・マドリッド(スペイン)から勝利したモルドバのシェリフ・ティラスポリである。モルドバでの第1戦はシェリフ・ティラスポリが2-0と勝利、しかし第2戦はブラガが90分を終えた時点で2-0、試合は延長戦となる。延長ではスコアが動かず、PK戦となり、ブラガが3年連続の決勝トーナメント進出を決めた。

■優勢に試合を進めたがアウエーの第1戦を落としたモナコ

 3月10日、モナコはブラガとアウエーで対戦した。ブラガのチームカラーはイングランドのアーセナルを由来とする赤と白、モナコは黒のセカンドユニフォームで試合に臨む。ウクライナ侵攻に揺れるロシア代表のアレクサンドル・ゴロビンはベンチスタートとなる。試合はブラガが立ち上がりに先制する。3分のこの試合の最初のCK、アベル・ルイスがヘディングで合わせ、モナコのGKのアレクサンダー・ニューベルが弾いたが、ルイスがこぼれ球を右足で決めた。先制を許したモナコは果敢に攻めた。23分にはケビン・フォランド、25分にはウィッサム・ベン・イェデルがブラガのゴールを襲うが、GKのマテウスが立ちふさがる。29分にはポルトガル人のジェウソン・マルティンスがネットを揺らすが、オフサイドでノーゴール、33分のベン・イェデルのヘディングシュートもオフサイド、VARでゴールが取り消される。
 後半もモナコの一方的な試合であったが、ゴールが生まれず、ベン・イェデル、フォランドという攻撃の主力を交代させる。しかし、ブラガは88分にビティーニャが追加点を決め、攻勢のモナコは0-2と第1戦を落としたのである。

■第2戦も試合を支配したが、ドローのモナコは敗退

 第2戦は翌週の3月17日にモナコのルイ二世競技場で行われる。両チームともメンバー交代は2人ずつ、ユニフォームはモナコが赤と白、ブラガは黄色に変わる。試合は第1戦と同様にモナコがボールを支配し、積極的に攻めるが、この試合も先制点はブラガであった。19分にブラガはモナコのゴール近くでボールを奪い、アンドレ・カストロがシュート、これをモナコのニューベルが弾いたところを、ルイスが蹴り込んで、リードを広げた。
 少なくとも3点が必要なモナコはシュートを果敢に放つが、ブラガのGKマテウスがことごとくセーブする。ようやくモナコは90分、この日も交代出場となったゴロビンのCKからアクセル・ディザジがヘディングでゴールを決めるが、時すでに遅く、2試合通算成績で1-3となり、ベスト8に入ることはできなかったのである。(続く)

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