第3005回 マルセイユ、準決勝で敗れる(3) 長い道のりを経て準決勝に進出したフェイエノールト
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■フランス勢で最多となる7回目の準決勝
ギリシャのPAOKテッサロニキとヨーロッパカンファレンスリーグの準々決勝で対戦し、ホーム、アウエーとも連勝したマルセイユは準決勝に進出した。同時に行われたヨーロッパリーグの準々決勝ではリヨンはイングランドのウェストハムに1分1敗で敗退しているため、マルセイユがフランス勢の中で最後まで欧州カップで残った。今季の欧州カップ出場の根拠となった昨季のフランスリーグでは5位のマルセイユはヨーロッパリーグのグループリーグから参戦したが、グループリーグで3位チームに今季から与えられたヨーロッパカンファレンスリーグの決勝トーナメント転戦というチャンスを活かし、勝ち続けてきた。
マルセイユはこれまでにチャンピオンズリーグ(チャンピオンズカップ)2回、カップウィナーズカップ1回、ヨーロッパリーグ(UEFAカップ)3回と6回欧州カップの準決勝に進出している。今回が7回目となるが、これはフランス勢の中ではモナコ、パリサンジェルマンと並ぶ記録である。リーグ戦の優勝回数など、マルセイユの記録はパリサンジェルマンに追いつかれることが多かったが、今回は追いついた。そしてパリサンジェルマンもモナコも3種類のタイトルでしかセミファイナルを経験していないが、マルセイユは4つのタイトルで準決勝に進出した。
■初代王者を目指すマルセイユ
このヨーロッパカンファレンスリーグの優勝チームは来季のヨーロッパリーグへの出場権が与えられるが、準決勝を迎える段階で現在、マルセイユはリーグ戦で2位である。本連載ですでに取り上げた通り、リーグ優勝はパリサンジェルマンのものとなったが、2位に入れば、来季のチャンピオンズリーグのグループリーグから出場することができる。ただし、マルセイユがヨーロッパカンファレンスリーグで優勝しても来季の欧州カップのフランス勢の出場枠が拡大することはない。
マルセイユにとって、リーグ2位でのチャンピオンズリーグ出場の方が、ヨーロッパカンファレンスリーグ優勝でのヨーロッパリーグ出場より価値があるが、初タイトルを狙っている。マルセイユはフランス勢で初めて当時の欧州三大カップで優勝(1993年のチャンピオンズリーグ、八百長疑惑によりタイトル剥奪)したチームであり、それから29年ぶりに欧州の頂点に立ちたいところである。
■昨夏からヨーロッパカンファレンスリーグを戦うASローマとフェイエノールト
さて、初代のヨーロッパカンファレンスリーグの王者を目指すチームは4チームに絞られた。準決勝でマルセイユはフィエノールト(オランダ)と顔を合わせ、もう1つの準決勝はASローマ(イタリア)とレスター(イングランド)が対戦する。
この4チームのうち、昨年の夏からヨーロッパカンファレンスリーグを戦ってきたのはASローマとフェイエノールトの2チームである。レスターもマルセイユ同様、ヨーロッパリーグのグループリーグではスパルタク・モスクワ(ロシア)、ナポリ(イタリア)に次いで3位にとどまり、新タイトルの挑戦に進路変更した。
■国内のプレーオフから戦い続けてきたフィエノールト
ASローマは昨季のイタリアリーグ7位としてプレーオフから参戦したが、フェイエノールトはそれよりも2段階前の予備戦2回戦からの参戦である。また、オランダリーグは4位チームが予備戦3回戦からの出場、5位から8位までのチームはヨーロッパカンファレンスリーグ出場のためのプレーオフを戦い、勝者が予備戦2回戦に参戦できる。フェイエノールトはスパルタ・ロッテルダムとユトレヒトを倒して、ようやく予備戦2回戦に出場した。予備戦2回戦でコソボのドリタ、予備戦3回戦でスイスのルツェルン、プレーオフでスウェーデンのエルフスボリを下してようやくグループリーグにたどり着いた。
グループリーグでは初戦こそイスラエルのマッカビ・ハイファと引き分けたが、4勝2引き分けでスラビア・プラハ(チェコ)、ウニオン・ベルリン(ドイツ)をおさえて首位突破する。そして決勝トーナメントではベスト8決定戦でパルチザン・ベオグラード(セルビア)、準々決勝でスラビア・プラハを下し、長い戦いはまだ続くのである。(続く)