第3027回 思わぬ結果となったUEFAネーションズリーグ(3) 守備の乱れからデンマークに逆転負け
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■今回も3バックシステムで臨むフランス
11月のカタールでのワールドカップ本大会のグループリーグでも対戦するデンマークをスタッド・ド・フランスに迎えるフランス。このところのワールドカップ本大会での相性の良くない相手であるが、ここはしっかりと勝ってUEFAネーションズリーグの連覇、そしてワールドカップの連覇に向けた第一歩を記したいところである。
ディディエ・デシャンに変わって監督を代行したギ・ステファンはこの試合も3バックシステムで臨んだ。先発の布陣であるが、GKは主将のウーゴ・ロリス、DFは右からジュール・クンデ、ラファエル・バラン、ルカ・エルナンデス、MFは低い位置に4人並び、右からキングスレー・コマン、エンゴロ・カンテ、オーレリアン・チュアメニ、テオ・エルナンデス、高い位置にはトップ下のアントワン・グリエズマン、2トップは右にカリム・ベンゼマ、左にキリアン・ムバッペとなっている。昨年9月のワールドカップ予選のフィンランド戦からフランスは継続して3バックシステムを採用、そしてその両翼にはクンデ、ルカ・エルナンデスという若い選手を起用し続け、3月の時には負傷で離脱していたベテランのバランが戻ってきた。またMFについてはポール・ポグバが離脱した後をカンテが埋め、MF以下の9人に関してはバランとカンテ以外は3月の連戦の初戦のコートジボワール戦と同じメンバーである。また、2トップにはムバッペとベンゼマ、11歳年が離れているが、現在のフランスにおいて得点力のある2人であることに間違いはない。
■35歳のカスパー・シュマイケルが主将を務めるデンマーク
一方のデンマークも主将がGKを務め、ロリスと同じ35歳のカスパー・シュマイケルが守る。デンマークは4バックシステムも予想されたが、この試合は3バックシステムを採用した。守備陣は夫人が出産間際のアンドレアル・クリステンセンがフランス遠征には参加せず、かつてリヨンに所属したヨアキム・アンデルセンとヤニク・ベステルゴール、ビクトル・ネルソンがフランスの攻撃陣の前に立ちはだかる。
■チャンピオンズリーグを制したカリム・ベンゼマが先制点
久しぶりのスタッド・ド・フランスでの試合、ファンの期待は大きかったが、残念な結果となった。最初の得点機はデンマークであった。開始4分、デンマークは右サイドから攻撃を仕掛ける。アンドレアス・スコフ・オルセンがクロスをあげ、CFのカスパー・ドルベリがこのボールをシュートするが当たり損ねる。ところがこれがヨアキム・メーレへのパスとなり、メーレがシュートするがポストをたたき、フランスは命拾いする。
フランスもリズムをつかみ、レアル・マドリッド(スペイン)の一員としてチャンピオンズリーグを制したばかりのベンゼマがふさわしい動きを見せる。13分のシュートはブロックされるが、16分のシュートはゴールイン、しかしこれはオフサイドの判定でノーゴール。フランスがやや優勢に試合を進めるものの、両チーム無得点で折り返そうとしている前半アディショナルタイムのことであった。ムバッペが左ひざの痛みにより、グランドにうずくまってしまう。
ハーフタイムを終えた後半のピッチにムバッペの姿はなく、クリストファー・ヌクンクが交代出場した。そして51分に先制点をあげたのはベンゼマであった。ベンゼマはヌクンクとパスを交換してデンマークのゴール前に迫り、守備陣をかわして左足でシュートを決めた。
■キリアン・ムバッペに続き、ラファエル・バランも負傷退場、逆転負けを喫する
ところが59分、フランスはバランも座り込んでしまい、負傷退場するというアクシデントに見舞われる。精神的な支柱となる選手が続けて退場し、フランスの守備陣は集中力を失う。
デンマークは勝負所と見て選手を次々と入れ替え、4バックにする。68分にはルカ・エルナンデスとテオ・エルナンデスの間に上がったボールを簡単にデンマークのシュートを許し、アンドレアス・コーネリウスが同点ゴールを決める。これで試合の流れが変わる。試合終了間際の88分にデンマークはメーレのパスを受けたコーネリウスが角度のないところからゴールを決め、フランスは1-2と逆転負けを喫したのである。(続く)