第3032回 ラグビーフランス代表、4回目の訪日(2) ノンキャップ17人を含む42人のメンバーを発表
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■TOP14の決勝進出チーム、2000分以上出場した選手以外からメンバーを選出
10か月にわたるシーズンの後に行われる日本遠征、6月20日にメンバーが発表されたが、選出については以下のような方針となった。まず、6月24日に行われるフランスのTOP14の決勝戦に進出したチーム(カストルとモンペリエ)のメンバーは除外すること。そして2021-22シーズンの所属クラブと代表チームでの合計出場時間が2000分を超える選手は休息させるために招集しなかった。この方針はすでに6か国優勝を果たした3月の時点でファビアン・ガルチエ監督は表明している。フレッシュなメンバーで訪日することは織り込み済みであったが、昨夏のオリンピックの男子サッカーチームのように大会直前までメンバーが入れ替わり、本大会で惨敗するようなことは失敗を繰り返したくない。
■準フランス代表となったバーバリアンズの指揮を執ったファビアン・ガルチエ監督
6月19日にイングランドと対戦したバーバリアンズをガルチエが指揮を執ることになり、チームのスタッフをフランス人で固めた。そして、上記の出場時間に満たず、TOP14の準決勝に出場しない代表クラスとそれに準じるクラスの19人のフランス人選手を招集した。日本の皆様にとっては来年のラグビーワールドカップで対戦するイングランドの試合ということで関心が高かったであろう。イングランドもプレミアシップの決勝戦を戦ったレスター・タイガースとサラセンズのメンバーを欠く陣容であったが、結局、準フランス代表ともいえるバーバリアンズが8トライをあげて52-21と大勝した。
■バーバリアンズに選出されたメンバーに23人を加えて日本に遠征
このバーバリアンズに選ばれた19人はそのまま残り、それに23人のメンバーを加えた42人のメンバーから構成されたメンバーが日本に遠征する。
メンバーは以下のとおりである。プロップはジャン・バティスト・グロ、デンバ・バンバ、ダニー・プリソ、シピリ・ファラテア、マティ・ペルショー、トマ・ラクラヤ、ドリアン・アルドゲリ、フッカーはピエール・ブルガリ、ペアト・モーバカ、クリストファー・トロフア、ロックはチボー・フラマン、トマ・ジョルムス、トマ・ラボー、スワン・ルバジ、レミ・ピケット、バックローはシャルル・オリボン、ディラン・クレタン、ヨアン・タンガ、セレバジオ・トロフア、セクー・マカルー、イブラヒム・ディアロ、バスティアン・ベルネ・テイルフェ、マティアス・アダ・ビクトール、ここまでがFWである。
BKは、スクラムハーフはマキシム・ルク、バティスト・クルー、ノラン・ルギャレック、スタンドオフはマチュー・ジャリベール、アントワン・ハストワ、ルイ・カルボネル、センターはヨラム・モエファナ、タニ・ビリ、ビリミ・バカタワ、ルイ・ルブルン、ウイングはエンゾ・レイビエ、レミ・バゲ、マティス・ルベル、ダミアン・プノー、ジュール・ファーブル、フルバックはアイメリク・リュック、マックス・スプリング、メルバン・ジャミネ、ロマン・ブロスというメンバーである。
■ノンキャップの17人から第二のメルバン・ジャミネが誕生するか
アントワン・デュポン(30試合、2079分出場)、ロマン・エンタマック(32試合、2380分)、グレゴリー・アルドリット(30試合、2180分)など2000分以上出場している選手、モンペリエに所属しているポール・ウィレムス、モハメド・アウアも外れ、今春の6か国対抗優勝メンバーは10人だけである。
一方、ノンキャップの選手は17人を数える。しかし、ノンキャップの選手の中ではバーバリアンズの一員として出場したルギャレックとスプリングのラシン92のコンビはイングランド戦では活躍した。そして本連載第3022回から第3024回で紹介した欧州チャンピオンのラロッシェルからは代表出場歴のあるプリゾ、ブルガリの他に出場歴のないラボー、ピケット、アダ・ビクトール、ファーブルが選出された。また、4人は2部のクラブに所属している選手である。バイヨンヌからペルショーとバゲ、オヨナックスからラクラヤとレイビエといずれもノンキャップの選手であり、ペルショーは経験の必要なプロップでありながら19歳とチーム最年少である。
昨年の夏の豪州遠征で代表にデビューし、そのまま定着しキッカーを任されているジャミネのような道を歩む選手は誕生するのであろうか。(続く)