第3046回 モナコ、リーグ開幕前のチャンピオンズリーグ予備戦でドロー
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■フランスリーグ3位はチャンピオンズリーグ予備戦3回戦から参戦
前回の本連載はリーグ戦開幕の前週にイスラエルのテルアビブで行われたチャンピオンズトロフィーの模様を紹介した。リーグチャンピオンで日本ツアーを終えたばかりのパリサンジェルマンがフランスカップ優勝のナントを4-0と下し、11回目の栄冠を獲得した。
この両チーム以外にリーグ開幕前に公式戦を戦うチームが1つある。それが昨季リーグ3位となったモナコである。UEFAのリーグランキングで5位のフランスリーグから欧州カップへの出場権は今年も変わらず、リーグ1位と2位がチャンピオンズリーグの本戦にあたるグループリーグからの出場となるが、3位はチャンピオンズリーグの予備戦3回戦からの参戦となる。予備戦3回戦とプレーオフを勝ち抜いてようやく本戦出場となる。
■惜しくもリーグ2位を逃したモナコが対戦する強豪
本連載第3071回で紹介した通り、昨季のフランスリーグは最終節を迎える時点でモナコとマルセイユが同勝ち点で並び、得失点差でモナコが2位、マルセイユが3位であった。モナコは最終戦の後半アディショナルタイムに痛恨の勝ち越しゴールを奪われて引き分けに終わり、3位に転落した。チャンピオンズリーグ出場のためにマルセイユよりも4試合多く戦うことが必要になったのである。
予備戦3回戦は第1戦が8月2日または3日、第2戦が9日とちょうどフランスリーグの開幕を挟んで行われる。中堅以下のリーグのチャンピオンチーム同士の6試合と上位リーグの2位以下のチーム同士の4試合が行われる。モナコは後者に相当するが、予備戦3回戦から参戦するのは6チーム、予備戦2回戦から勝ち抜いてきたチームが2チームであり、UEFAインデックスによりシード分けされ、モナコはシードをとれなかった。なお、モナコが対戦する可能性のある4つのシードチームはベンフィカ(ポルトガル)、グラスゴー・レンジャーズ(スコットランド)、ディナモ・キエフ(ウクライナ)、PSVアイントホーフェン(オランダ)といずれも欧州カップで優勝経験のあるチームばかりである。
■南野拓実を獲得し、オーレリアン・チュアメニを放出したモナコ
抽選の結果、モナコはPSVアイントホーフェンと対戦、第1戦をホームで戦うこととなった。モナコは新シーズンを迎えるにあたり、主力メンバーの移籍を行った。まず、獲得したのはリバプール(イングランド)から南野拓実を補強した。日本代表としての活躍は日本のファンの皆様はよくご存じであろう。ウイングプレーヤーとしてキリアン・ムバッペの再来と言えるであろう。一方、モナコを去ったのは守備的MFのオーレリアン・チュアメニである。モナコでは2シーズンプレーしたが、その間に代表に初選出され、ディディエ・デシャン監督の信頼を勝ち取っている。欧州のビッグクラブが注目し、このたびレアル・マドリッド(スペイン)に移籍した。
■大観衆の前で先制点を奪われたが、追い付き、第2戦に期待
モナコは6月中旬から練習を開始し、親善試合も重ね、シーズン初戦に臨む。注目の南野は右サイドのMF、2トップの右にはウィッサム・ベンイェデルが控えており、ホットラインを構築できるかどうかが見ものである。南野効果であろうか、ルイ2世競技場には1万人を超える大観衆が集まった。
試合はPSVアイントホーフェンが組織的に攻める展開となった。守勢のモナコであったが、32分にはペナルティエリア内でユスフ・フォファナが倒された。しかし、VARの末、PKは与えられず、モナコは先制のチャンスを得ることができなかった。一方、PSVアイントホーフェンはヨエイ・フェールマンが37分に先制点を奪う。
1点リードされて迎えた後半の立ち上がりの49分、ようやくモナコの南野がシュート、しかし枠内には飛ばず、同点ゴールはならず。南野はモナコで最初に交代させられてしまう。モナコは試合の終盤に攻勢に出て、80分にFKのチャンスをつかみ、ゴール前でフォファナがへでぃぐで落としたボールをストッパーのアクセル・ディザジが右足で蹴り込んで同点に追いつく。5分間のアディショナルタイムも攻め続けたが、勝ち越し点を奪えず、ストラスブールでのリーグ開幕戦の後、アウエーの第2戦に向かうのである。(この項、終わり)