第3056回 本戦出場チームが決まった欧州カップ(1) ニース、マッカビ・テルアビブと対戦
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■8月に決定する欧州カップのグループリーグ出場チーム
今年のサッカーカレンダーの特徴は11月から12月にかけてワールドカップが開催されることである。欧州ではシーズンが中断され、そのために各国リーグだけではなく、欧州カップもコンパクトな日程の中に行われることになる。
ただし、そこは欧州人、夏のスケジュールは例年通り行われる。8月上旬から各国のリーグ戦が始まり、欧州カップに関しては7月と8月に予備戦からプレーオフまでが行われ、グループリーグに出場するチームが決まる。
■フランスから予備戦、プレーオフに出場するのはモナコとニース
フランスから欧州カップの予備戦、プレーオフに出場するチームは2チーム、チャンピオンズリーグのモナコとヨーロッパカンファレンスリーグのニースである。これらの戦いはそれぞれのチームにとって重要なことは言うまでもないが、第3053回で紹介した通り、UEFAのリーグランキングを左右する。現在5位のフランスにとって6位のポルトガル、7位のオランダの動向は気になるところであり、モナコはオランダのPSVアイントホーフェンに予備戦3回戦で敗れ、好調なポルトガル勢、オランダ勢に8月上旬の段階でUEFAランキングで肉薄されている。
8月中旬から下旬にかけて欧州カップのプレーオフが行われ、勝者が本戦に出場、グループリーグの組み合わせ抽選が行われる。チャンピオンズリーグは6カードが8月16日または17日に第1戦、23日または24日に第2戦が行われる。この敗者はヨーロッパリーグのグループリーグに回ることとなる。ヨーロッパリーグは第1戦が18日、第2戦が25日に10カードが行われ、敗者はヨーロッパカンファレンスリーグのグループリーグに回る。なお、フランスからはヨーロッパリーグの予備戦、プレーオフに出場しているチームはない。
■すべてのチームがプレーオフ経由で出場するヨーロッパカンファレンスリーグ
そして第3のタイトルであるヨーロッパカンファレンスリーグはグループリーグを戦うすべてのチームがプレーオフを経験することになる。上記のヨーロッパリーグのプレーオフで敗れた10チームと、ヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフを勝ち抜いた22チームの合計32チームによってグループリーグが行われる。ヨーロッパカンファレンスリーグにフランス勢ではニースがプレーオフから出場している。ニースは18日に第1戦、25日に第2戦を戦う。
■ニースと対戦するイスラエルの雄、マッカビ・テルアビブ
ニースの相手はイスラエルのマッカビ・テルアビブである。日本のファンの皆様であればよくご存じのチームであろう。まだイスラエルがサッカーの世界ではアジアに所属したいたころ、現在のアジアチャンピオンズリーグの前身であるアジア選手権で東洋工業の前に立ちはだかったチームである。アジアのレアル・マドリッドと言われた当時の東洋工業とグループリーグの初戦で対戦した第2回大会、この試合で勝利したマッカビ・テルアビブがアジアの王者となっている。その後もイスラエルサッカーの雄としての立場を守ってきたが、昨季は不覚にもレギュラーシーズンで3位、ポストシーズンのプレーオフでも第5戦まで勝ち星がなく、結局3位のままであった。イスラエルリーグからは優勝チームのみがチャンピオンズリーグ(予備戦2回戦)に挑戦でき、2位から4位までのチームはヨーロッパカンファレンスリーグの予備戦2回戦から参戦することになる。マッカビ・テルアビブは予備戦2回戦ではアゼルバイジャンリーグ3位のジラを1勝1分で下し、予備戦3回戦ではギリシャリーグ3位のアリスと1勝1敗であったが、得失点差で上回って勝ち抜いたのである。
このようにすでに欧州の舞台で4試合を戦ってきたマッカビ・テルアビブに対し、ニースはこれが最初の欧州の試合である。ニースはマッカビ・テルアビブとの第1戦の前に国内リーグで2試合戦ってきたが、トゥールーズ、ストラスブール相手にいずれも引き分けに終わっている。第1戦はテルアビブのブルームフィールド競技場で2万9000人の満員の観衆の前で行われたのである。(続く)