第3129回 年末のリーグ戦再開 (3) ワールドカップに8人を送り込んだレンヌは黒星
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■無敗でワールドカップ期間を迎えたパリサンジェルマン
12月28日の第16節で再開したリーグ戦は、1月1日に第17節を戦い、その次の週末はフランスカップのベスト32決定戦を迎えることになり、小休止する。再開後のリーグ戦2試合のパフォーマンスがフランスカップ、さらに残りのリーグ戦にも影響してくる。この年末年始のリーグ戦の模様を紹介しよう。
前回の本連載ではワールドカップで活躍したフランスのクラブに所属する選手を紹介したが、リーグ戦が中断した時点の成績を確認しよう。
首位はパリサンジェルマン、13勝2分と負けなしの勝ち点41である。2位はRCランス、11勝3分1敗で勝ち点36、3位はレンヌで9勝4分2敗で勝ち点31、4位はマルセイユで9勝3分3敗で勝ち点30、5位はロリアンで8勝4分3敗で勝ち点28、6位はモナコで8勝3分4敗で勝ち点27、7位はリールで8勝2分5敗で勝ち点26、8位はリヨンで6勝3分6敗で勝ち点21となっている。
■ワールドカップに選手を送り込んでいるチームがリーグ戦上位を占める
上位のチームを紹介したが、前回の本連載で紹介したフランスのクラブで多くの選手をワールドカップに送り込んだチームが並んでいる。フランスのクラブでワールドカップに選手を送り込んだのはパリサンジェルマンの11人に続き、レンヌが8人、モナコが6人、マルセイユが5人、RCランスが3人となっているが、これらのチームはリーグ戦でも上位を占めている。5位のロリアンもチュニジアのモンタサル・タルビ、7位のリールは米国のティモシー・ウェア、カナダのジョナサン・デイビッドという次回大会の目玉選手が所属、8位のリヨンには世界チャンピオンとなったアルゼンチンのニコラス・タグリアフィコとカメルーンのカール・トコ・エカンビがいる。
ワールドカップで活躍するような選手を抱えるチームがリーグ戦でも上位であるということは順当であるが、再開後のコンディショニングに苦心するということも事実であろう。
■ホームで8戦全勝のRCランスがパリサンジェルマンを迎える第17節
リーグ戦の順位もワールドカップに登録した選手の数もトップであるパリサンジェルマンが盤石かというとそうではない。侮れないのは2位RCランスである。これまでのホームゲームでは8戦全勝である。そしてRCランスは再開2試合目の第17節ではホームでパリサンジェルマンと対戦する。
RCランスからワールドカップに出場したのはポーランドのチェミスワフ・フランコフスキ、ベルギーのロイス・オペンダ、ガーナのサリス・アブドゥル・サメドの3人、早期敗退したことに加え、出場時間も短く、ワールドカップから戻ってからの調整にはそれほど苦労しないであろう。
■再開初戦で敗れ、8月以来の黒星となったレンヌ
他方、3位のレンヌはリーグ戦の序盤はもたついたが、8月末の第5節から11試合連続で負けなしでワールドカップ期間の中断を迎えたが、8人がワールドカップに登録している。セネガルのアルフレッド・ゴミス、ウェールズのジョー・ロドン、フランスのスティーブン・マンダンダ、ベルギーのアルトゥール・テアテとジェレミー・ドク、クロアチアのロブロ・マイエル、カメルーンのクリストファー・ウォー、ガーナのカマルディーン・スレマナというメンバーで、こちらもチームが早期に敗退したか、出場機会が少なかった選手が多い。
この3チームのリーグ再開の初戦に注目が集まったが、12月28日の水曜日の夜、最初に登場したのはレンヌである。19時からレンヌはアウエーでスタッド・ド・ランスと対戦した。スタッド・ド・ランスで唯一ワールドカップに登録した日本の伊東純也は先発出場、一方のレンヌは8人のワールドカップ登録メンバーで先発したのはGKのマンダンダとDFのテアテの2人だけである。ルカ・モドリッチの後継者と言われて3位になったマイヨルはメンバーに入っていない。レンヌは前半の早い時間帯に2点を先行されてしまう。前半アディショナルタイムにテアテが1点を返し、レンヌがボールを支配し続けたが、終盤にも追加点を入れられてしまい、8月27日の第4節以来の黒星となったのである。(続く)