第3130回 年末のリーグ戦再開 (4) パリサンジェルマンは勝利、RCランスは引き分けで再開
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■ワールドカップ組が4人先発したパリサンジェルマン
前回の本連載ではワールドカップに8人を送り込んだレンヌが再開初戦でスタッド・ド・ランスに敗れたことを紹介したが、11人を送り込んだパリサンジェルマンはレンヌが敗れてから21時にキックオフを迎えた。パリサンジェルマンは本拠地パルク・デ・プランスにストラスブールを迎え、4万7000人の観衆が集まった。
パリサンジェルマンの先発メンバーでワールドカップから帰ってきたのは4人、フランスのキリアン・ムバッペ、ブラジルのネイマールとマルキーニョス、ポルトガルのビティーニャである。モロッコのアクラフ・ハキミ、ポルトガルのダニーロ・ペレイラ、コスタリカのケイロス・ナバス、スペインのカルロス・ソレールとパブロ・サラビアはベンチスタート、アルゼンチンのリオネル・メッシとポルトガルのヌーノ・メンデスはメンバーから外れている。
一方のストラスブール、ガーナのアレクサンドル・ジクは主将として出場しているが、日本の川島永嗣はメンバーに入っていないのは残念である。
キックオフ前には11月16日に42歳の若さで脳卒中により亡くなった審判員のジョアン・アメル氏を悼んで拍手が捧げられた。
■オウンゴールで追いつかれ、ネイマールが退場したパリサンジェルマン
パリサンジェルマンはストラスブールに対してはホームゲームでは滅法強く、過去31戦無敗(24勝7分)である。この試合も立ち上がりからボールを支配する。ワールドカップ中断によってベストメンバーではないとは言ってもストラスブールを寄せ付けない。最初のゴールはワールドカップメンバーが作り出す。ムバッペがファウルで止められ、FKを蹴るのはネイマールである。ゴール前のマルキーニョスがヘディングでシュートして14分に先制点を奪った。
1点だけのリードであったがパリサンジェルマンはストラスブールを完全に抑え込んで後半を迎えた。ところが、ここからワールドカップでしばしば見られた光景が繰り返される。契約を延長したばかりのマルコ・ベラッティがボールを失い、アドリアン・トマソンがクロスをあげる。これがマルキーニョスに当たり、予期せぬ方向にボールが跳ね返り、ジャンルイジ・ドンナルンマも取ることができず、サイドネットが揺れて同点となる。61分にはドリブルしていたトマソンの顔をネイマールが平手打ちをして止めて、警告を受ける。さらにその直後にネイマールはムバッペからのスルーパスをペナルティエリア内で受けたが、転倒する。これを主審はネイマールのシミュレーションと判定し、2枚目のイエローカード、ネイマールは退場という不名誉な復帰初戦となった。
■後半アディショナルタイムにPKを獲得し、自ら決めたキリアン・ムバッペ
残り30分余りを1人少ない状態で戦わなくてはならないパリサンジェルマン、厳しい試合となったが、後半のアディショナルタイムの94分、ペナルティエリア内に攻め込んだムバッペが倒されたが、マルキーニョスがシュートを決める。ところがマルキーニョスが蹴る前に主審のトゥルパン氏は笛を吹いており、ゴールは取り消しとなってPKとなる。このPKを蹴るのはムバッペ、ワールドカップ決勝から通算して4本目のPKを成功させ、今度はPKで勝利に結びつけ、パリサンジェルマンは復帰初戦を白星で飾った。
■パリサンジェルマンを追うRCランスはスコアレスドロー
中断前に2位のRCランスはアウエーでのニースとの試合が再開初戦となる。ニースは中断前まで5勝5分5敗で9位であるが、10月1日のパリサンジェルマン戦を最後に負けていない。RCランスのワールドカップ前は5連勝である。ちょうど盛り返したところでワールドカップの中断となった。ニースのワールドカップ組であるが、デンマークのカスパー・シュマイケルはゴールを守るが、ウェールズのアーロン・ラムジーはまだチームに合流していない。RCランスは3人のワールドカップ組が全員メンバー入り、ポーランドのチェミスワフ・フランコフスキとガーナのサリス・アブドゥル・サメドは先発、ベルギーのロイス・オペンダはベンチスタートとなる。
両チームとも攻め合い、シュートが決まるシーンもあったが、いずれもオフサイドの判定で取り消され、スコアレスドローとなる。RCランスは、首位パリサンジェルマンとの勝ち点差が7に広がったところで、直接対決を迎えるのである。(続く)