第3176回 2024年欧州選手権に向け、好発進(5) 欧州選手権予選で屈指の好カード

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■カタールのワールドカップで唯一無敗のオランダ

 ワールドカップ後の初めての試合となる欧州選手権予選、これはフランスだけではなく対戦相手のオランダも同様である。オランダはワールドカップではベスト8であったが、実は出場32チームの中で唯一負けなかったチームである。優勝したアルゼンチンはグループリーグの第1戦でサウジアラビアに1-2と敗れており、準優勝のフランスはグループリーグの最終戦でチュニジアに0-1で敗れている。
 アルゼンチンはグループリーグは2勝1分、そして準々決勝でアルゼンチンに敗れているが、これはPK戦で敗れており、記録上は引き分けとなる。そのアルゼンチンとの準々決勝は決勝のフランス戦と似た展開であった。アルゼンチンは試合を支配し、2-0とリードして終盤を迎えたが、83分に1点を返し、後半アディショナルタイムの101分に同点に追いつき、延長戦となるも決着がつかなかった。最後はPK戦でアルゼンチンのGKのエミリアーノ・マルティネスが活躍し、アルゼンチンが準決勝に進む。

■直近の対戦で敗れるも、その前は5連勝しているフランス

 UEFAネーションズリーグ、カタールワールドカップとオランダは2022年に開催された大会で卓越した成績を残しており、今回の予選の第1シードにふさわしいチームである。現在のオランダの世界ランキングは6位である。フランスは3位とオランダよりは上位であるが、欧州選手権予選では屈指の好カードとなる。FIFAランキングが導入された1992年以降、ワールドカップや欧州選手権の予選でフランスがランキング10位以内の国と対戦するのは初めてのことである。
 フランスは2022年のワールドカップ予選では無敗であり、2020年の欧州選手権予選では2019年6月にトルコでアウエーで敗れたのが最後の予選での敗戦である。そのフランスにとってもオランダは手ごわい相手である。フランスとオランダのこれまでの戦績はフランスが13勝、オランダが11勝、4つの引き分けとなっているが、最新の対戦は2018年11月のUEFAネーションズリーグ、ロッテルダムでのアウエーゲームでフランスは0-2と敗れている。しかし、その前は2014年から2018年のスタッド・ド・フランスでのUEFAネーションズリーグのホームゲームまでフランスが5連勝している。

■ワールドカップ決勝の先発メンバーのうち7人が先発したフランス

 ワールドカップでも好成績を残した相手ということで、スタッド・ド・フランスで行われる試合のチケットは早々に売り切れた。
 さて、フランスのメンバーを紹介しよう。GKはマイク・メニャン、DFは右からジュール・クンデ、イブラヒマ・コナテ、ダヨ・ウパメカノ、テオ・エルナンデスの4バックシステム、MFは3人、中央の低い位置にオーレリアン・チュアメニ、右にアントワン・グリエズマン、左にアドリアン・ラビオ、FWも3人で右にキングスレー・コマン、左にキリアン・ムバッペ、中央にはランダル・コロムアニという布陣である。直近の試合であるワールドカップ決勝の先発メンバーと比べるとシステムは同じ4-3-3、そして7人が同じメンバーである。

■ロナルド・クーマン監督が復帰したオランダ

 一方のオランダはルイス・ファン・ハール監督に代わってロナルド・クーマン監督が復帰した。ワールドカップのメンバーを中心に編成されたが、負傷のためワールドカップでも活躍したフランキー・デ・ヨングとステーフェン・ベルフワインがメンバー発表後に離脱した。また、マタイス・デ・リフトやコーディ・ガクポは体調不良のため、ベンチから外れた。ワールドカップ準々決勝のアルゼンチン戦の先発メンバーのうち6人がこのフランス戦でも先発している。この試合で唯一の代表デビューとなったのが、右サイドDFの位置に入ったルチャレル・ヘールトライダである。
 デシャン監督にとって就任以来6回目の予選(2016年欧州選手権は自国開催のため予選免除)が始まったのである。(続く)

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