第3182回 フランス勢最後の望み、ニース(2) UEFAインデックスで脅威にさらされる5位フランス

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■ニースの決勝トーナメント第1戦の前夜にパリサンジェルマンが敗退

 ヨーロッパカンファレンスリーグの決勝トーナメント1回戦に臨むニース、モルドバのシェリフ・ティラスポリとの第1戦は3月9日、モルドバの首都のキシナウにあるジンブル競技場で行われる。この前夜にチャンピオンズリーグではパリサンジェルマンが決勝トーナメント1回戦の第2戦でバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に0-2と敗れた。すなわち、ニースはフランスから6チームが出場した欧州カップで最後のチームとなってしまった。

■チャンピオンズリーグなどの出場枠を決めるUEFAインデックス

 フランスのファンにとっては3月上旬の段階で欧州で戦うチームが1つになってしまったことは残念であるが、気がかりなのはUEFAインデックスである。これは各リーグに所属するチームの欧州での過去5年分の成績を数値化したものである。この指数によって各リーグからチャンピオンズリーグなどの欧州カップに出場するチーム数、出場する段階などが決められる。
 現在、フランスはイングランド、スペイン、イタリア、ドイツに次いで5番目である。1位から5位までの国はチャンピオンズリーグのグループステージに4チームが出場でき、ヨーロッパリーグのグループリーグに2チーム、ヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフに1チームが出場できる。ところが、5位の国からはヨーロッパリーグ、ヨーロッパカンファレンスリーグについては4位までと同じ条件であるが、肝心のチャンピオンズリーグには2チームしか出場できず、リーグ3位のチームは予備戦3回戦からの参戦となる。このように4位と5位とでは大きな差がある。

■4位と5位、5位と6位とでは出場枠に差

 5位と6位とでは欧州への門戸の広さが異なり、6位となるとヨーロッパリーグのグループステージ出場権が1チーム、さらに7位になるとチャンピオンズリーグにはグループリーグ1チーム、予備戦3回戦1チームとなる。
 また2024-25シーズンからは各リーグからのチャンピオンズリーグなどへの出場枠の数が変更されるが、1位から4位までは同一(チャンピオンズリーグのグループリーグに4チーム出場)で、5位になると出場枠が少なくなり(チャンピオンズリーグのグループリーグに3チーム出場、予備戦3回戦に1チームなど)、6位になるとさらに少なくなるチャンピオンズリーグのグループリーグに2チーム出場、予備戦3回戦に1チームなど)というフレームは変わらず、5位というのは実に微妙な位置にある。

■5位フランスを猛追する6位ポルトガルと7位オランダ

 しかし、現在のフランスは4位とは大きな差があり、3位と4位を争っているドイツやイタリアが1年間全くポイントをあげることができなくても追いつくことができない。
 逆に6位のポルトガル、7位のオランダがフランスに迫っている。この3月9日の時点でポルトガル勢はチャンピオンズリーグにベンフィカとポルト、ヨーロッパリーグにスポルティングが勝ち残っており、オランダ勢はヨーロッパリーグにフェイエノールト、ヨーロッパカンファレンスリーグにAZアルクマールが残っている。ただし、チャンピオンズリーグだけは週をずらして試合を行うため、ベンフィカはベスト8に勝ち進んだが、ポルトはインテル・ミラノ(イタリア)とのアウエーの第1戦を0-1と落として第2戦を控えているところである。またヨーロッパリーグは前日に1回戦(ベスト8決定戦)の第1戦が行われ、スポルティングはホームでアーセナル(イングランド)と2-2の引き分け、フェイエノールトはウクライナのシャフタール・ドネツクとアウエー(実際にはロシアのウクライナ侵攻により、ポーランド国内)で1-1と引き分けたところである。
 そしてニースなどは3月10日の金曜日にヨーロッパカンファレンスリーグの1回戦の第1戦を戦うが、AZアルクマールは火曜日の7日にアウエーでラツィオ・ローマと対戦し、2-1と勝利している。
 このように考えるとフランスにとって怖いのは6位のポルトガルよりはむしろ7位のオランダ、ニースはフランスの他のクラブのためにも勝ち進まなくてはならないのである。(続く)

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