第3200回 終盤を迎えたフランスリーグ(3) 降格の危機にあるトロワに勝利したパリサンジェルマン
第3200回の連載を迎えることになりました。連載開始以来22年で3200回もの連載を続けることができたのは読者の皆様のおかげです。読者の皆様に改めて感謝するとともに、引き続きのご愛読をよろしくお願いいたします。
■降格の危機にある18位のトロワ
フランスリーグも終盤を迎え、5月6日に行われた第34節では3位RCランスが2位マルセイユに勝利し、優勝争いに残った。RCランスはこの時点で勝ち点72となり、首位のパリサンジェルマンに勝ち点3差に迫った。
逃げ切りたいパリサンジェルマンは7日にアウエーでトロワと戦う。トロワはこの時点で18位、勝ち点は22である。力量的にはパリサンジェルマンが優位であるが、トロワは降格圏内にある。来季から1部はチーム数が2つ減って18となるため、今季は下位4チーム、17位以下が2部に降格となる。すでに最下位のアンジェは17位以下が確定しており、2部降格が決定している。19位のACアジャクシオと勝ち点で並ぶトロワは極めて危険な位置にある。勝ち点33で15位のオセール、勝ち点32の16位のストラスブール、17位のナントとトロワは勝ち点10以上離れている。
第34節は土曜日の6日にRCランス-マルセイユ戦などの3試合が行われ、残る7試合は日曜日の7日の昼から夜にかけてキックオフされる。注目を集めるトロワ-パリサンジェルマン戦はほかの試合がすべて終了してから結びの一番といえる20時45分に試合が行われる。また、勝ち点で並ぶストラスブールとナントは15時にナントで直接対決、この試合で引き分け以外の結果、すなわちいずれかのチームが勝ち点3を獲得し、同時刻にキックオフされるオセール-クレルモン戦でオセールが勝利すると、トロワはパリサンジェルマンに敗れると2部陥落となる。
■オセールが引き分け、トロワは2部降格を回避
まずは15時キックオフの2試合、フランスカップで準優勝したなんとであるが、シーズン終盤のリーグ戦の戦績は芳しくない。このストラスブール戦もボージョワール競技場に集まった3万近いファンを失望させる。前半にPKで1点を失い、後半も追加点を奪われ、-2と敗れてしまう。勝利したストラスブールは危険地帯から抜け出した。また、トロワのファンにとって気がかりなもう1試合は、オセールは試合を優勢に進め、先制点を奪いながら、追加点をあげることができず、逆に追いつかれてしまう。結局、オセールはクレルモンと引き分け、トロワのパリサンジェルマン戦での2部陥落はなくなった。
パリサンジェルマンはリオネル・メッシが出場停止、ネイマールは負傷で欠場している。トロワは主力選手のいない強豪相手に勝ち点を獲得して残り4試合での逆転につなげたい。
■主力の欠けたパリサンジェルマン、中盤の活躍で順当勝ち
パリサンジェルマンは8分にキリアン・ムバッペが先制点を奪う。圧倒的にボールを支配したが、この攻撃を止めたのがトロワの主将、元フランス代表のアディル・ラミである。パリサンジェルマンは追加点をあげることなく後半に入る。後半に入って、この日中盤が好調なパリサンジェルマンはマルコ・ベラッティのパスをビティーニャが決めてようやく2点差となる。追うトロワも83分に1点を返し、1点差に詰め寄ったが、最後はパリサンジェルマンのフェルラン・ルイスが3点目を決め、パリサンジェルマンが3-1と勝利し、2位RCランスとの勝ち点差を6とした。
他チームの試合前の結果により、ホームでの2部降格を免れたトロワであるが、シーズン終盤は過去11試合でわずか勝ち点3と、チーム状態は非常に悪い。残留となる16位との勝ち点差は11と開いてしまい、残り4試合で挽回することは難しいであろう。
■欧州カップをあきらめないリヨン、大逆転勝利
一方、この34節でミラクルを起こしたのがリヨンであった。勝ち点53で7位のリヨンの目標は5位以内に入って来季の欧州カップに出場することである。5位のリールとの勝ち点差は6である。ホームにモンペリエを迎えた試合、31分にアレクサンドル・ラカゼットが先制するが、そこから20分強の間に立て続けに4点を奪われ、1-4となる。しかし、ラカゼットが59分に1点を返し、70分のデヤン・ロブレンのゴールで1点差に迫る。そして82分のラカゼットのハットトリック達成となるゴールで追いつく。そして長いアディショナルタイム、ラカゼットが倒され、VARの末、PKが与えられ、99分にラカゼットが決めて、5-4と勝利、リヨンは欧州への道をあきらめていないのである。(続く)