第3208回 2022-23フランスリーグフィナーレ(4) 4位レンヌと5位リールが欧州カップ出場
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■7連勝のRCランスは2位、3連敗のマルセイユは3位
フランスリーグの終盤戦について優勝争い、残留争いを紹介してきたが、今回は欧州カップの出場権のかかる上位のチームについて紹介しよう。
ここで改めて確認するとリーグ戦で1位と2位はチャンピオンズリーグの本戦出場、3位はチャンピオンズ予備戦3回戦への出場、4位はヨーロッパリーグ、5位はヨーロッパカンファレンスリーグに出場、そしてこれとは別にフランスカップで優勝したトゥールーズはヨーロッパリーグに出場することができる。
第37節にパリサンジェルマンがオセールと引き分けて優勝を決めたことを第3204回の連載で紹介したが、第3206回の連載ではパリサンジェルマンを追っていたRCランスも第37節ですでに降格の決まっているACアジャクシオに勝利して2位を確定したことをお伝えし、同時にマルセイユが3位を確定している。
1位から3位までの順位は第37節で決定したが、最終節はこれらチャンピオンズリーグ組は三者三様の結果となった。前回の本連載でRCランスがオセールで勝利してオセールを2部降格に導いたことを紹介したが、RCランスはシーズンの最後を7連勝で飾る。
マルセイユはACアジャクシオとコルシカ島で対戦し、0-1と敗れ3連敗でシーズンを終えた。
■1部に昇格して2年目のクレルモンと対戦するパリサンジェルマン
一方、すでに優勝を決めているパリサンジェルマンであるが、最終戦はパルク・デ・プランスにクレルモンを迎えて行われた。クレルモンは2021年にクラブ史上初めて1部に昇格、初年度は17位でかろうじて残留を決めたが、4チームが2部降格となる今季はピンチ化と思われた。しかし、終盤戦に勝ち星を重ね、最終戦を迎える時点で8位というクラブ史上最高の成績を残している。昇格2年目のクレルモンはこれまでパリサンジェルマンと3回戦い3回とも敗れている。
■2点先行しながら3点を奪われ、逆転負けしたパリサンジェルマン
パリサンジェルマンのネイマールは負傷のため、最終戦も欠場したが、リオネル・メッシとキリアン・ムバッペは出場、今季観客収容率99%とほぼ全試合で満員となったパルク・デ・プランスのファンの期待に応える。パリサンジェルマンが優位に試合を進め、16分にはセルヒオ・ラモスがCKをヘディングシュートで決め、先制点を奪う。そのすぐ後の19分にはペナルティエリアにボールを持ち込んだアクラフ・ハキミがクレルモンのDFに倒され、パリサンジェルマンにPKが与えられる。ペナルティスポットに立ったのはムバッペ、ここまで28得点をあげ得点王争いのトップである。2位は27点のアレクサンドル・ラカゼット(リヨン)、ムバッペがPKを決めて勝利と得点王を確定したかに見えた。しかし、今季のパリサンジェルマンは取りこぼしが多い。24分にはミスからボールを奪われ、ジョアン・ガスティアンに1点を返され、37分にはペナルティエリア内でウォーレン・ザイール・エメリがファウル、クレルモンにPKが与えられるが、同点となるPKをクレルモンは外してしまう。そして前半のアディショナルタイムにはGKのジャンルイジ・ドンナルンマが処理を誤ったところをメディ・セファンに同点ゴールを決められ、ハーフタイムを迎える。
後半に入って63分、クレルモンはPKを失敗したグレジョン・キエイが勝ち越し点を奪う。その後もクレルモンは追加点のチャンスがあったが、このままのスコアで試合は終わり、パリサンジェルマンはホームでの最終戦は黒星、結局2位のRCランスとの勝ち点差は1点でしかなく、ファンにとっては満足できないシーズンとなった。
■4連勝のレンヌが4位、5位はリール
4位と5位争いであるが、最終節を迎える段階で4位リール(勝ち点66)、5位レンヌ(65、得失点差+30)6位モナコ(65、+12)、7位リヨン(62)までが対象となる。リールはアウエーでトロワと引き分けてしまう。これを追うレンヌはアウエーでブレストに勝利するが、モナコはホームでトゥールーズに敗れる。終盤に4連勝したレンヌが4位に入り、3連敗したモナコは最後の2節は順位を1つずつ落として6位に沈む。5位にはリールが入り、最後の欧州行きのチケットをつかんだのである。(この項、終わり)