第3215回 ジブラルタル、ギリシャと欧州選手権予選(5) 2連勝のギリシャと全勝対決
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■グループBは3連勝のフランスが首位、2位は2連勝のギリシャ
世界ランキング201位のジブラルタルにアウエー(ポルトガルで開催)で3-0と勝利したフランス、これで欧州選手権3連勝となった。グループBで第1シードのオランダはUEFAネーションズリーグの決勝ラウンドに進出したため、6月には予選の試合がない。 6月16日にはジブラルタル-フランス戦以外にギリシャ-アイルランド戦が行われ、ギリシャが2-1と勝利している。この結果、グループBは各チームの試合消化数にばらつきがあるが、フランスが3連勝で首位、ギリシャが2勝で2位、オランダが1勝1敗で3位、アイルランドは2敗、ジブラルタルは3敗となっている。
■全勝対決となったフランス-ギリシャ戦
6月19日にはフランス-ギリシャ戦という全勝対決とアイルランド-ジブラルタル戦という未勝利戦が行われる。
第1シードのオランダ、第3シードのアイルランドが勝ち点を伸ばせない中で、第2シードのフランス、第4シードのギリシャはともに上位シード国にホームで勝利し、全勝をキープしている。
フランスにとってはワールドカップ以降、3月のオランダ戦に続いて2試合目のホームでの試合であるが、ワールドカップ効果もあるのか、スタッド・ド・フランスでの試合はいずれも早々にチケットが前売りで完売となった。この試合はシーズンの最終戦となる。シーズンをホームでの勝利で締めくくり、選手、スタッフはバカンスを迎えたいところである。そしてこれはファンも同様であり、ジブラルタル戦の500万人を超える700万人弱がテレビで観戦、スタッド・ド・フランスには8万近い観衆が集まった。
■オリビエ・ジルーに代えてCFにランダル・コロムアニを起用
3連勝でスタートし、ライバルのオランダ、アイルランドが試合数が少ないとはいえもたついている中で、ディディエ・デシャン監督は試合前日の記者会見で11人中5人くらいは先発メンバーを入れ替えることを表明した。
上下は青、ストッキングは赤のフランス代表、GKはマイク・メニャン、DFは右からジュール・クンデ、イブラヒマ・コナテ、ダヨ・ウパメカノ、テオ・エルナンデス、MFは右にアントワン・グリエズマン、中央の低い位置にオーレリアン・チュアメニ、左にエドゥアルド・カマビンガ、FWは中央にランダル・コロムアニ、右にキングスレー・コマン、左にキリアン・ムバッペという布陣となった。ジブラルタル戦と比較するとメニャン、クンデ、ウパメカノ、コロムアニの4人が先発メンバーとなる。注目はコロムアニ、中盤より上で唯一ジブラルタル戦とは入れ替わったメンバーで、36歳のオリビエ・ジルーの次の背番号9の候補の一番手であり、ムバッペ、グリエズマン、コマンといった攻撃陣とのコンビネーションが見ものである。
■2004年の欧州選手権準々決勝でフランスを破り優勝したギリシャ
フランスとギリシャはこれまでに8回対戦しているが、久しぶりの対戦となる。最後の対戦は2006年11月のスタッド・ド・フランスでの親善試合、この時はティエリー・アンリのヘディングシュートでフランスが1-0と勝利している。しかし、フランスのファンにとって忘れられないのはその前の2004年の対戦であろう。ポルトガルで開催された欧州選手権、フランスがグループリーグを勝ち上がって決勝トーナメントに進出した。この時の決勝トーナメントの初戦(準々決勝)で対戦したのがギリシャであった。
リスボンのアルバラド競技場での試合、一進一退の攻防が続き、ギリシャは後半の65分にアンゲロス・ハリステアスのヘディングシュートに沈み、それまで6勝1分と負けなしだったギリシャに初めて敗れ、準々決勝敗退となる。他方、勝利したギリシャは準決勝でチェコを延長の末に下し、開催国のポルトガルとの決勝でもハリステアスがヘディングシュートを決め、唯一の国際大会での優勝を飾った。
ワールドカップでは2014年大会、欧州選手権では2012年大会を最後に本大会から遠ざかっているギリシャ、第4シードではあるが、本大会出場を狙っているのである。(続く)