第3216回 ジブラルタル、ギリシャと欧州選手権予選(6) キリアン・ムバッペのPKで4連勝したフランス
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■ギリシャをリーグBに昇格させたグスタボ・ポジェ監督
満員のスタッド・ド・フランス、3連勝のフランスが2連勝のギリシャを迎え撃つ試合、フランスのアントワン・グリエズマンのキックオフで試合が始まった。2日前にはラグビーのトップ14の決勝戦が行われたため、グランドの状態は決して良くはない。
白いユニフォームに身を包むギリシャ代表を率いるのはウルグアイ人のグスタボ・ポジェである。選手としてはグルノーブルに所属したことがあり、監督としてはボルドーを率いたこともある。ギリシャ代表監督になったのは2022年、当時のギリシャはワールドカップ予選で敗れ、UEFAネーションズリーグでもリーグCに低迷していた。就任後最初の仕事は3回目となるUEFAネーションズリーグである。6月と9月に行われたグループリーグで、ギリシャは北アイルランド、コソボ、キプロス相手に5勝1敗で1位になり、リーグBへの昇格を決めたのである。その勢いでギリシャは欧州選手権予選に臨み、連勝スタート、12年ぶりの本大会出場を目指す。
■攻め込むが枠内シュートのないフランス
キックオフ直後からフランスが攻め込む。2分にはキングスレー・コマンの右サイドからのパスをペナルティエリア内で受けたキリアン・ムバッペがギリシャの選手に服をつかまれて倒されたように見えたが、主審はペナルティを取らない。6分にはテオ・エルナンデスが、この試合、両チームを通じて初めてのシュートを放つが、枠をとらえられなかった。その後もフランスは攻め続け、11分にはムバッペがドリブルで左サイドを駆け上がる。ギリシャの守備陣をかわして、クロスを上げる。ゴール前にはランダル・コロムアニとコマンが走りこんだが、2人ともわずかに合わず、先制点を上げることができない。試合はフランスの一方的なペースとなるが、この日のフランスはシュートが決まらない。25分にもグリエズマン、ムバッペとつなぎ、ラストパスをコロムアニに送るが、ヘディングシュートはゴールの枠の外に飛んでいった。このコロムアニのシュートの後のプレー、ギリシャは攻め込み、ダヨ・ウパメカノがクリアしたボールをギリシャのアナスタシオス・バカセタスが左足でシュート、これをフランスのGKのマイク・メニャンがキャッチする。これがこの試合最初の枠内シュート、堅守速攻のギリシャの怖さはここにある。
■PKの蹴り直しで先制点を決めたキリアン・ムバッペ
フランスの最初の枠内シュートは34分まで待たなくてはならなかった。左サイドのCKを得たフランスは、グリエズマンが蹴り、これをウパメカノがヘディングで合わせる。ゴールの枠の中には飛んだものの、ギリシャのGKのオディッセアス・ブラホディモスがキャッチする。前半終了間際にはコマンのパスを受けたジュール・クンデがシュートするが、これもブラホディモスに防がれる。
後半に入って試合は荒れた。49分、ペナルティエリア内でギリシャの選手が足を高く上げ、グリエズマンの頭部にぶつかる。グリエズマンは頭部から出血、フランスにPKが与えられる。これをムバッペが蹴り、ブラホディモスに阻まれる。しかし、ムバッペが蹴る前にGKが動いていたということで蹴り直しとなり、ムバッペは2回目のPKを成功させた。
■最年少40得点、1シーズン最多得点の記録を更新したムバッペ
これはムバッペにとって代表40ゴール目、20代で代表40ゴールを記録した最初の選手となった。そして今季13得点目となり、フランス代表として1シーズン最多得点記録を更新した。負傷の治療をしたグリエズマンが試合続行をするために包帯を巻いて再出場したのは57分のことであった。
70分にはコマンのスルーパスにコロムアニが追いついたが、背後からギリシャの選手に倒される。コロムアニを倒したコンスタンティノス・マブロパノスはレッドカードで一発退場となる。残り20分弱、フランスは11人、ギリシャは10人となったが、追加点を入れることはできず、フランスが1-0と勝利して4連勝、4試合連続クリーンシートで盤石の強さを見せたのである。(この項、終わり)