第3245回 欧州カップのグループリーグ組み分け決定(1) 予備戦3回戦から参戦するマルセイユ

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ワールドカップ、世界選手権が集中した今夏

 オリンピックイヤーの前年とあって、今夏は種目ごとのワールドカップ(世界選手権)が目白押しである。7月には女子サッカーのワールドカップ、8月には水泳のワールドカップと世界陸上、8月から9月にかけてはバスケットのワールドカップと熱戦が続き、フランスでは9月から10月にかけてラグビーワールドカップが開催される。このように世界中が4年あるいは2年に1回熱狂する大会もあるが、サッカーの世界では毎年行われるのが各国のリーグ戦と欧州カップ戦である。今年も各国でリーグ戦が始まり、いよいよ9月からは欧州カップのグループリーグが始まる。今回と次回はグループリーグに出場するフランス勢を紹介しよう。

■UEFAインデックスで5位のフランスから6チームが参戦

 欧州カップの出場権は前年の成績で決まる。UEFAインデックスで5位のフランスはリーグ1位(パリサンジェルマン)と2位(RCランス)にチャンピオンズリーグのグループリーグ出場権が与えられ、3位(マルセイユ)はチャンピオンズリーグの予備戦3回戦からの出場権となる。4位(レンヌ)はヨーロッパリーグのグループリーグ出場、5位(リール)はヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフからのチャレンジになる。それ以外にフランスカップの優勝チーム(トゥールーズ)はヨーロッパリーグのグループリーグに出場する。
 このようにグループリーグに出場するために勝ち抜かなくてはならないのがチャンピオンズリーグのマルセイユとヨーロッパカンファレンスリーグのリールである。

■退場者を出しアウエーの第1戦は0-1でパナシナイコスに敗戦

 マルセイユは予備戦3回戦、プレーオフと2回勝ち抜かなければ本大会であるグループリーグに出場できない。ただ、予備戦3回戦やプレーオフで敗れた場合、ヨーロッパリーグのグループリーグに転戦することになり、欧州カップのグループリーグに出場できる権利は確保されている。  そのマルセイユ、本連載第3236回で紹介した通り、ガボン代表のピエール・エメリク・オーバメヤンをチェルシー(イングランド)から獲得するなど、積極的に強化を進めた。リーグ開幕の週末をはさんでチャンピオンズリーグの予備戦3回戦が行われた。第1戦については第3238回でスコアだけ紹介したが、ギリシャのパナシナイコスにアウエーで0-1で敗れている。パナシナイコスが予備戦2回戦を勝ち抜いてきたのに対し、今季初の公式戦のマルセイユはマルセリーノ新監督の初陣となる。監督としてスペインのクラブを渡り歩いてきた57歳のマルセリーノ監督はいずれのクラブでも4-4-2フォーメーションを貫き、初めての国外チームとなるマルセイユでもこのシステムを採用する。
 開始30秒でマルセイユはジョフレイ・コンドグビアが警告を受ける。アウエーであることに加え、チームの仕上がりが不十分ということもあるのか、前半はボールを一方的に支配される。パナシナイコスのシュートの精度の低さもあり、何とか無失点で前半を乗り切る。しかし、後半に入り、64分にコンドグビアが2回目の警告で退場となる。後半は少しマルセイユが盛り返してきたが、この退場で、守備に専念せざるを得なくなる。83分にパナシナイコスはブラジル人のベルナードがハーフボレーを決めてついに先制点、マルセイユも何とか1点を返そうとするが、0-1で試合終了、マルセイユでの第2戦に希望をつなぐことになった。

■ベロドロームでの第2戦に集まった6万3000人

 本連載第3238回で紹介した通り、本拠地で行われたリーグ開幕戦でマルセイユはスタッド・ド・ランスに逆転勝ちする。この勢いで3日後に同じベロドロームで行われるパナシナイコスとの2回戦では2点差以上の勝利を収めて、プレーオフに進出したい。
 8月15日、ベロドロームには6万3000人を増えるファンが集まった。バカンス中の真夏の平日の夜、しかも予備戦3回戦というのにこの観客の数はいかにファンが今季のマルセイユに期待しているかを表しているのである。(続く)

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