第3258回 1年半ぶりの親善試合となるドイツ戦(3) ドイツに9年ぶりに敗れる

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■ワールドカップ以降、初失点を喫したフランス

 ドルトムントのシグナル・イドゥナ・パークでのドイツとフランスの親善試合、ドイツのキックオフで試合が始まった。キックオフ直後からドイツは積極的に攻める。そして先制点はドイツであった。左サイドのセルジュ・ニャブリとベンヤミン・ヘンリヒスがパスをつないでクロスを上げる。ペナルティエリア内で待ち受けていたのはトーマス・ミュラー、バイエルン・ミュンヘンのストライカーは左足で強烈なシュートを放ち、フランスのGKマイク・メニャンはセーブすることができずに、ゴールネットが揺れた。
 メニャンが代表にデビューしたのは昨年3月の南アフリカとの親善試合、それ以来これまで8試合に出場したが、4試合はワールドカップ前の試合であり、2失点を記録している。メニャンはカタールでのワールドカップの後、ウーゴ・ロリスに代わって正GKとなり、ワールドカップ後はアウエーのアイルランド戦を除く4試合に出場、これまで無失点であったが、ついに5試合目にして初めて失点を許した。

■追加招集のトーマス・ミュラー、思い出のスタジアムで復活のゴール

 先制点を上げたミュラーは代表出場123試合目で45ゴール目となる。すでに33歳となったミュラーはグループリーグで敗退したワールドカップを最後に代表チームから離れており、9月の日本、フランスとの連戦のメンバーにも当初は加わっていなかった。ところが昨季のブンデスリーガの得点王であり、ボルシア・ドルトムントに移籍してきたニコラス・フルクルクが負傷したため、ベテランのFWに復帰の声がかかった。ミュラーは代表チームを苦境から救うことになった。ミュラーにとってこのドルトムントのシグナル・イドゥナ・パークは14年のちょうどこの日にプロ選手として最初のゴールを決めたスタジアムであった。
 ベテランの先制点に勢いづいたドイツはその後も攻撃を続け、セルジュ・ニャブリがバンジャマン・パバールをかわしてシュートを放つが、これは枠から大きく外れる。ドイツはフランスを押し込み、試合を支配する。

■攻撃のチャンスをつかめないフランス

 フランスがチャンスを作ったのは20分、この日、先発出場となったランダル・コロムアニがペナルティエリア内でキングスレー・コマンからのパスを受ける。コロムアニがアントニオ・リュディガーに倒されるが、主審は反応せず、フランスにPKが与えられることはなかった。
 24分にドイツはイルカイ・ギュンドアンが空中戦で競り合って、落下する際に腰を痛め、ピッチを去り、パスカル・グロスと交代する。
 フランスは30分にようやくこの試合初めてのシュートをコロムアニが放つが、枠から大きく外れる。このあたりからようやくフランスのエンジンがかかり、オーレリアン・チュアメニはヘディングシュートを立て続けに放つ。前半は終盤になってフランスが盛り返すが、ドイツの1点リードで折り返す。

■レロイ・サネに追加点を許し、アントワン・グリエズマンのPKも及ばず、フランス敗れる

 後半に入り、フランスはチュアメニ、アントワン・グリエズマンなどがシュートを放つが、ドイツのGKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンに阻まれる。
 試合は終盤になり、フランスは同点に追いつきたいところであったが、87分にジャン・クレール・トディボのパスがドイツにインターセプトされ、ドイツはカイ・ハバーツがレロイ・サネにつなぎ、フランスの守備陣をかわして左足のシュートが追加点となる。
 ところがサネは得点後のプレーで、自陣ペナルティエリア内でエドゥアルド・カマビンガを倒してしまう。この反則で得たPKをフランスはグリエズマンが決めて1点差に迫ったが、3分間の後半アディショナルタイムの間に追いつくことはできず、1-2で敗れる。
 フランスがドイツに敗れたのは2014年ワールドカップの準々決勝以来のこととなる。また、フランスが親善試合で敗れるのは2020年11月11日のフィンランド戦以来、ほぼ3年ぶりのことなのである。(この項、終わり)

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