第3314回 アフリカネーションズカップ開幕(4) エジプト、3引き分けながら2位を確保

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■開催国のコートジボワール、赤道ギニアに大敗し、まさかの3位

 前回の本連載は優勝候補の一角である開催国のコートジボワールが開幕戦は勝利したものの、第2戦ではナイジェリアに敗れたことを紹介したが、グループリーグの最終戦の赤道ギニア戦では0-4と大敗した。赤道ギニアは第3シードであるが、ナイジェリアと引き分け、ギニアビサウとコートジボワールに連勝、勝ち点7でナイジェリアと並び、得失点差で首位となった。開催国のコートジボワールは勝ち点3どまりの3位、決勝トーナメントに進めるかどうかは、他のグループ次第となった。

■開幕戦は後半アディショナルタイムのPKで追いついたエジプト

 開催国のコートジボワールの入ったグループAと開幕戦以外は同日程のグループBに入ったエジプトも苦戦した。初戦は第4シードのモザンビークと対戦した。開始早々の2分にエジプトはムスタファ・モハメドが先制点を上げる。モハメドはナントに所属しており、今大会、フランスのクラブに所属する選手として最初の得点をあげた。幸先よいスタートを切ったエジプトであったが、後半に入って55分、58分と立て続けに失点し、逆転を許す。時計の針は90分を過ぎ、敗色濃厚であったが、アディショナルタイムにエジプトにPKが与えられる。これをモハメド・サラーが決めて、エジプトは何とか引き分けに持ち込んだのである。

■エースのモハメド・サラーが負傷退場、ガーナと引き分け

 エジプトは第2戦以降も厳しい戦いが続いた。第2戦の相手はガーナである。かつてはアフリカネーションズカップではこれまでに4回優勝を果たし、21世紀に入ってからはワールドカップの常連となった。ただ、近年はやや精彩を欠いている。今大会も第1戦はカーボベルデ相手に後半アディショナルタイムに勝ち越し点を許し、1-2で敗れている。エジプトは優位に試合を進めたがなかなか得点を奪うことができない。そして前半終了間際の45分、サラーがうずくまり、試合が中断される。サラーは試合続行が不可能でベンチに下がり、キャプテンマークを外す。不安なエジプトイレブンを追い打ちするようにガーナの一撃が襲った。サラーがピッチを去った53秒後にガーナはモハメド・クズスが得点をあげ、ガーナが1点リードして両チームはベンチに下がる。
 後半の立ち上がり、エジプトはモハメド・アブデルモメムのシュートが決まったかに見えたが、VARの判定となり、オフサイドで得点は取り消された。ようやくエジプトが追いついたのは69分であった。オマル・マルムシュの得点で同点になる。しかし、その2分後ガーナはクズスが勝ち越し点を決め、エジプトは再び追う立場となる。74分にエジプトはモハメドのゴールで追いつき、その後も優勢に試合を進めたが、7分という長い後半アディショナルタイムを得ながら、勝ち越し点を奪うことができず、2試合連続して引き分けに終わったのである。

■後半アディショナルタイムのモザンビークの2得点に救われたエジプト

 グループBは2戦終わった時点でカーボベルデが2勝し、首位を確定した。エジプトは2位とは言え勝ち点2、勝ち点1のガーナとモザンビークが最終戦で直接対決するので、エジプトは2位を確保するためにはカーボベルデとの最終戦で勝利が欲しい。
 グループBの最終戦は1月22日21時にアビジャンの2会場でエジプト-カーボベルデ戦とガーナ-モザンビーク戦が同時にキックオフ、ドラマチックな展開となった。エジプトは勝利すれば2位確保、敗れた場合は3位以下となり、引き分けの場合はもう1試合が引き分けの場合のみ2位となる。
 すでに首位を確定しているカーボベルデに対し、エジプトは立ち上がりから攻め続ける。しかし、前半アディショナルタイムにカーボベルデに先制を許し、折り返す。後半に入ってエジプトは50分にトレゼゲのゴールで追いつく。しかし、ガーナは1点リードしており、エジプトは勝ち越したい。攻め続けたエジプトであったが、70分にガーナが追加点をあげる。タイスコアのまま6分間の後半アディショナルタイムに入る。ここでドラマが起こり、モハメドが93分に勝ち越し点をあげる。これで勝利かと思ったが、アディショナルタイムは長引き、99分にカーボベルデに同点ゴールを許し、引き分けに終わる。
 しかし、同じ後半アディショナルタイムにモザンビークが2点をあげ、エジプトは3引き分けながら2位に入ったのである。(続く)

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