第3328回 開催国コートジボワールが優勝(4) コンゴ民主共和国とコートジボワールも準決勝進出
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■1勝もしないまま準々決勝に進んだコンゴ民主共和国
今大会の準々決勝にはポルトガルを宗主国とするアンゴラとカーボベルデという2か国が進出したが、いずれも敗れた。アンゴラはナイジェリア、カーボベルデは南アフリカと英国から独立した伝統国に敗れた。
今回は準々決勝の残り2試合を紹介しよう。2月2日にはコンゴ民主共和国とギニアの試合が行われた。
コンゴ民主共和国はグループFで3引き分けであったが2位に入り、決勝トーナメント1回戦では同じくグループリーグ3引き分けのエジプトをPK戦で下したことは本連載第3326回で紹介した通りである。記録上は両チームとも今大会に入って4引き分けであったが、明暗が分かれ、コンゴ民主共和国は一度も勝利しないままベスト8入りした。
一方のギニア、グループリーグは3位であるが、1勝1分1敗という成績を残し、3位チームの中では最高の成績を残し、決勝トーナメント1回戦でもグループAでナイジェリア、コートジボワールを押さえて首位になった赤道ギニアを下し、ここまでの成績は2勝1分1敗である。
ギニアのキックオフで始まった試合、先にゴールを脅かしたのはコンゴ民主共和国、1分にシュートを放つが、ギニアのGKが手ではじき出す。その後もコンゴ民主共和国がギニアのゴール前でプレーを続けるが、先制点は奪えない。ギニアは引き気味でボールを保持する展開となる。そして17分、コンゴ民主共和国の選手がペナルティエリア内でファウル、VARの結果、ギニアのPKが与えられ、ルアーブルに所属するモハメド・バヨが先制のゴールを決める。
■ギニアの先制を許したが、逆転で今大会初勝利したコンゴ民主共和国
これに対してコンゴ民主共和国は27分にCKからファーポストにいたマルセイユに所属するシャンセル・ムバンバがシュートで同点にする。ここから試合はコンゴ民主共和国のペースとなる。後半に入って62分、ギニアはコンゴ民主共和国の攻撃を止められず、ペナルティエリア内でファウル、今度はコンゴ民主共和国のPKとなり、ヨアン・ウィッサが決めて逆転する。ギニアはボールを保持するが、ゴール前の攻撃に結び付けられない。逆にコンゴ民主共和国は82分にDFのアーサー・マスアクが攻めあがり、そのままシュート、決定的な得点差となる。コンゴ民主共和国が2015年大会以来の準決勝進出を決め、ギニアは敗退した。ギニアは14回目の出場であるが、これは優勝をしたことのない国としては最多出場回数となった。
■前半終了直前に1人が退場して守勢のコートジボワール
コンゴ民主共和国と準決勝で対戦するのがコートジボワールとマリの勝者である。マリは1回戦と先発1人だけを入れ替えたが、延長、PK戦まで戦ったコートジボワールは選手を3人入れ替えた。試合は序盤から激しくなり、15分にはマリのラシン・シナヨコがペナルティエリア内でオディロン・コスヌに倒され、コスヌにイエローカード、マリにPKが与えられる。ところがアダマ・トラオレのPKはマリのGKヤヒア・フォファナにはじかれ、失敗する。その後も両チームにイエローカードが出され、44分にはコスヌが2枚目のイエローカードで退場となり、コートジボワールは1人少ない状態で後半を戦うことになった。
守勢のコートジボワールはFWの選手をDFに交代、守備に重点を置いた布陣に切り替える。しかし、一方のマリは中盤の選手を前線の選手に入れ替え、これが功を奏する。71分、マリは交代出場してきたネネ・ドルジェルが先制点を決める。
■後半と延長後半の終了間際にゴールをあげて勝利したコートジボワール
リードされたコートジボワールはここから攻撃の選手を投入、90分にシモン・アディングラが同点ゴールを決め、試合は延長戦に入る。延長後半も終わろうとした120分、左サイドのセコ・フォファナからのパスをウマール・ディアキテが左足のヒールキックで決勝点をあげる。開幕戦以来の勝利となったコートジボワールが準決勝進出を果たしたのである。(続く)