第3329回 開催国コートジボワールが優勝(5) ナイジェリアとコートジボワールが決勝進出
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■ナイジェリアが先制、終了間際に南アフリカが追いつき、延長戦に
アフリカネーションズカップの準決勝はナイジェリア－南アフリカ、コートジボワール－コンゴ民主共和国という組み合わせになった。グループリーグを首位で通過した国はこの中にはなく、第1シードも開催国のコートジボワールだけ、2022年のワールドカップに出場した国もなかった。それだけアフリカにおいて有力国がひしめいていることも意味している。
2月8日の準決勝、18時にキックオフされたのは8回目の決勝進出を狙うナイジェリアと3回目の決勝進出のかかる南アフリカの試合である。先に決定機をつかんだのは南アフリカ、15分にスフェフェロ・シソルがシュート、これはナイジェリアのGKがキャッチする。優勢と思われていたナイジェリアはボールを保持できず、攻撃が機能せず、苦戦する。ナイジェリアは前半終了間際になってようやく南アフリカのゴールを襲うが、前半は両チーム無得点で折り返す。
ナイジェリアは後半に入って先に選手を交代させる。シュートの精度を欠いたビクトール・オシムヘンが64分にペナルティエリア内で倒され、ナイジェリアがPKを得る。ウィリアム・トロースト・エコングが決めて劣勢のナイジェリアが先制点を上げる。86分にナイジェリアのオシムヘンのシュートがゴールネットを揺らし、追加点かと思われたが、ナイジェリアの他の選手にファウルがあり、ゴールは取り消される。その直後の88分、今度は南アフリカのパーシー・タウがペナルティエリア内で倒され、PKをテボホ・モコエナが決め、南アフリカが89分に同点に追いついた。
■PK戦で次々と成功させたナイジェリアが決勝に進出
延長戦に入り、ナイジェリアがようやく試合の主導権を握るが、南アフリカのGKロンウェン・ウィリアムズが活躍し、ゴールを許さない。延長後半の112分にはナイジェリアにPKかと思われたが、映像判定では認められず、115分に南アフリカのグラント・ケカナがレイトタックルでレッドカード、退場処分となる。試合は結局PK戦となる。準々決勝のPK戦で活躍した南アフリカのウィリアムズは5本中4本決められてしまい、ここで力尽き、PK戦を4－2で制したナイジェリアが決勝に進んだ。
■ガエル・カクタが戻ってきたコンゴ民主共和国
アビジャンでコートジボワールは21時にキックオフを迎える。決勝トーナメントになってセネガルにPK戦で勝利、マリに延長戦で勝利と接戦を勝ち抜いてきた。一方のコンゴ民主共和国はゲームメーカーにガエル・カクタが戻ってきた。本連載でも何回か取り上げたことがあるが、祖父が日本人の日系三世である。リール生まれで16歳の時にイングランドのチェルシーに移籍、それ以降は欧州各国だけではなく、中国のクラブに所属したこともあるが、現在はフランスに戻り2部のアミアンに3回目の所属となる。
アンダーエイジのフランス代表の常連であり、フランスのフル代表を希望してコンゴ民主共和国代表からフル代表の誘いを断ったこともあったが、結局25歳の時にコンゴ民主共和国代表のフル代表を選択した。そのカクタもすでに32歳、ゲームメーカーとして活躍しているが、負傷のため決勝トーナメントに入ってメンバーから外れ、準々決勝もメンバー外だった。カクタの復帰がチームに勢いを与え、9分にメシャック・エリアが先制点かと思われたがファウルで取り消される。次第に試合はコートジボワールのペースとなり、42分にはフランク・ケシエのシュートはポストをたたくが、前半は無得点に終わる。
■エースのセバスチャン・アレの決勝点でコートジボワールが勝利
後半に入ったところで、コンゴ民主共和国はカクタをベンチに下げる。コートジボワールの攻撃は続く。ようやくコートジボワールが得点をあげたのは65分、エースのセバスチャン・アレのシュートが決まった。
後半のアディショナルタイムになってからコンゴ民主共和国は同点に追いつこうと攻撃するが、コートジボワールの守備が勝り、1－0で勝利したコートジボワールが決勝に進出したのである。（続く）
