第3330回 開催国コートジボワールが優勝(6) グループリーグ3位から暫定監督で優勝

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■グループリーグの再戦、2位通過のナイジェリアと3位通過のコートジボワール

 34回目となるアフリカネーションズカップの決勝はナイジェリアとコートジボワールの間で2月11日に争われた。ナイジェリアは決勝進出はこれまでに7回、そのうち3回優勝しており、2013年大会以来の優勝を目指す。ナイジェリアはコートジボワールで開催された1984年大会でも決勝に進んだが、この時はカメルーンに敗れており、コートジボワールでの初戴冠を目指す。コートジボワールは4回決勝に進出しており、1992年大会と2015年大会で優勝している。コートジボワールは2006年のエジプト以来の開催国としての優勝を目指すが、この時決勝で敗れたのがコートジボワールであった。
 両国はこれまでにアフリカネーションズカップで7回対戦し、ナイジェリアが3勝2分2敗と勝ち越している。最後の対戦は今大会のグループリーグ、1月18日に行われた試合でナイジェリアが1-0と勝利している。両チームはグループAから勝ち上がり、決勝で再び対戦する。この大会だけではなく他のスポーツ大会でも、同じグループリーグで戦ったチームが決勝で対戦することだけで珍しいが、さらに珍しいのは1位通過のチームではなく2位通過と3位通過のチームが対戦することである。
 本連載第3313回の連載でグループリーグでの両チームの対戦を紹介したが、ナイジェリアは第2シードではあるが、コートジボワールが開催国として第1シードになっていなければ、第1シードに入っているはずであった。ナイジェリアは枠内シュート1本であったが、主将のウィリアム・トロースト・エコングがPKを成功させ、1-0と勝利する。その時と同じアラサン・ワタラ競技場で両チームは再戦する。

■劣勢のナイジェリアがウィリアム・トロースト・エコングのシュートで先制

 グループリーグでの対戦時よりも多い5万7000人の観衆の前でナイジェリアのキックオフで試合は始まった。決勝戦もコートジボワールがボールを支配し、ナイジェリアのゴールにシュートを浴びせる展開となる。試合開始後30分経過した時点で給水タイムが取られたが、この時点でコートジボワールはシュート6本を記録しているが、ナイジェリアはシュート数0のままである。
 しかし、先制点を奪ったのはナイジェリアであった。コートジボワールのシモン・アディングラのシュートをGKのスタンレー・ヌワバリがブロックし、速攻に繋げる。左サイドをザイドゥ・サヌジが駆け上がり、シュート、これはナイジェリアの選手がCKに逃れる。38分、ナイジェリアは初のCKをファーポストにいたトロースト・エコングがコートジボワールのセルジュ・オーリエとの主将同士の競り合いに勝ってヘディングシュート、グループリーグでの試合に続いて得点を決めた。

■フランク・ケシエが同点ゴール、セバスチャン・アレが決勝点

 唯一のチャンスを得点に結びつけたナイジェリアが1点リードして迎えた後半、コートジボワールは前半にもまして攻勢を強める。コートジボワールの攻撃が結実したのが62分、左サイドから連続してCKを獲得し、ファーサイドのフランク・ケシエのヘディングシュートが堅守を誇ったヌワバリの守るゴールを破り、追いついた。
 実はこれはコートジボワールがアフリカネーションズカップの決勝で記録した初めての得点である。
 そして決勝点を奪ったのはエースであった。81分にセバスチャン・アレがトロースト・エコングと競り合って、アディングラからのクロスボールをシュート、これが決まって大観衆のボルテージは最高潮に達した。

■これまで2回の優勝はスコアレスでのPK戦だったコートジボワール

 この後、ナイジェリアはコートジボワールに対し、一方的に攻め続けたが、追いつくことができず、コートジボワールが2-1で勝利し、優勝を果たした。これまでコートジボワールは2回優勝しているが、いずれも0-0で延長戦まで戦っても得点をあげることができず、PK戦での優勝決定であった。
 コートジボワールはグループリーグ最終戦で敗戦した後に監督を解任し、エメルス・ファエを暫定監督にしている。グループリーグ3位からの暫定監督による優勝を果たしたのである。(この項、終わり)

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