第3335回 プレーオフで苦戦したフランス勢(3) レンヌ、トゥールーズともプレーオフで敗れる
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■新旧のフランス代表のGKの対決となったレンヌとACミラン
フランス勢でヨーロッパリーグの決勝トーナメントのプレーオフを戦う4チームについて紹介してきたが、今回はレンヌとトゥールーズを紹介しよう。
レンヌはグループリーグでは首位で最終節を迎えたが、2位のビジャレアル(スペイン)との直接対決で敗れ、2位に落ちた。プレーオフに回る。相手はパリサンジェルマン、ボルシア・ドルトムント(ドイツ)、ニューカッスル・ユナイテッド(イングランド)という激戦区で3位になったACミラン(イタリア)である。勝ち点8で2位のパリサンジェルマンと並んだが、グループリーグの3位の中で勝ち点8以上をあげたのは勝ち点9のシャフタール・ドネツクだけである。シャフタール・ドネツクは前回の本連載で紹介した通りプレーオフでマルセイユと対戦している。フランス勢で惜しくもグループリーグで首位を逃した両チームはプレーオフで強敵と対戦した。レンヌはスティーブ・マンダンダ、ACミランはマイク・メニャンと進級のフランス代表のGKの戦いとなる。
■ミラノで第1戦はACミランが快勝
第1戦はACミランのホームゲーム、国内リーグでも好調で3位のACミランは、国内リーグ7位のレンヌに対して一方的にボールを支配した。32分、ACミランは右サイドのアレッサンドロ・フロレンツィからのクロスをルーベン・ロフタス・チークがニアサイドでヘディングで合わせて先制点を決める。
後半に入っても47分、ACミランが右からのCKをゴール前でつないでロフタス・チークがまたヘディングでゴール、さらに52分には左サイドのテオ・エルナンデスからのマイナスのクロスをラファエル・レオンが3点目、レンヌはいいところがなく、0-3で完敗した。
■ホームで勝利したが、2試合通算スコアで及ばなかったレンヌ
第2戦はレンヌのロアゾンパーク、レンヌはグループリーグ最終戦以来、ホームでは負けていない。3点差をひっくり返したいレンヌは1週間前と5人の選手を入れ替えて逆転を狙う。キックオフ直後にラファエル・レオンがマンダンダを襲うが、レンヌは互角に試合を進める。そして11分にはペナルティエリアの外でボールを回し、バンジャマン・ブリジョーがミドルシュート、先制する。逃げるACミランは22分に左サイドのテオ・エルナンデスのクロスにフリーとなったルカ・ヨビッチが同点ゴール。
同点で迎えた後半、54分はレンヌはPKを獲得、ブリジョーが決める。しかし、58分にACミランはラファエル・レオンが技ありの同点ゴール。67分にレンヌはPKを得て、ブリジョーが今度も同じコースに決め、ハットトリック。レンヌは3-2と勝利したが、2試合通算スコアで及ばず、プレーオフで敗退となった。
■初越年のトゥールーズ、ベンフィカの前に屈する
欧州カップで初めて年を越えて戦うことになるトゥールーズの相手はベンフィカ(ポルトガル)である。第1戦はリスボンのルス競技場、5万6000人の大観衆の中にトゥールーズから3000人が駆け付ける。ホームのベンフィカがやや優勢に試合を展開したが、アウエーのトゥールーズは守備的な布陣で得点を許さず、0-0で後半を迎えた。
後半に入るとベンフィカが攻勢を強め、65分にはトゥールーズの選手がペナルティアエリア内でハンドがあったとVARで判定され、ベンフィカのアンヘル・ディマリアがPKを決めて先制、先制されたトゥールーズは選手交代、75分にはミケル・デスラーが同点ゴールを決める。同点でトゥールーズに帰りたいところであったが、後半アディショナルタイムにベンフィカは猛攻、トゥールーズの選手がベンフィカの選手を倒してしまい、ディマリアがこの日2本目のPKを決めて、ベンフィカが2-1と先勝した。
1点ビハインドでホームゲームを迎えたトゥールーズ、3万の市民が試合競技場に集まる。リスボンの第1戦と比べてトゥールーズは押し気味に試合を進めるが、逃げ切りを図るベンフィカの守備を崩すことができず、スコアレスドローに終わる。トゥールーズも2試合通算得点で敗れ、フランス勢はマルセイユだけがプレーオフを突破したのである。(この項、終わり)