第3341回 マルセイユ、リールも準々決勝へ(2) 監督が次々に代わったマルセイユが先勝
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■マルセリーノの後任は暫定監督のジャック・アバルドナド
今季マルセイユの監督に就任したマルセリーノだが、シーズン序盤でマルセイユのサポータークラブの脅迫を恐れて辞任した。マルセリーノは、スペインに戻り、ビジャレアルの監督に就任したが、ヨーロッパリーグのベスト8決定戦で両チームが対戦することとなった。マルセリーノはスペインのクラブでキャリアを積んできたが、最も長く指揮を執ったのがビジャレアルであり、3季過ごしている。11月から監督を務めるマルセリーノはヨーロッパリーグでチームを首位突破に導き、第2戦をホームで戦うアドバンテージを得た。
マルセリーノの辞任後、マルセイユの監督は目まぐるしく変わった。マルセリーノが突然辞任したため、コーチングスタッフであったジャック・アバルドナドが暫定監督となる。初戦はヨーロッパリーグのグループリーグ第1節のアヤックス(オランダ)戦、アウエーでの難敵相手に3-3と引き分け、リーグ戦ではアウエーでパリサンジェルマンと対戦、これは0-4と大敗する。結局アバルドナドが指揮を執ったのは2試合だけ、ベロドロームでの試合はなかった。
■2024年になって勝てなくなったジェンナーロ・ガットゥーゾ
マルセイユは正式な監督としてジェンナーロ・ガットゥーゾを選んだ。ACミラン、イタリア代表で活躍したガットゥーゾは引退後もイタリアのクラブを中心に監督を務めている。ACミランでも監督を務めたが、チャンピオンズリーグ出場に届かず、解任されている。
そのガットゥーゾは9月30日のモナコ戦から指揮を執り、黒星スタートであったが、その後は持ち直し、ヨーロッパリーグも首位を逃したが、2位になり、年を越えて戦うことになった。ところが、2024年になってリーグ戦では勝てなくなり、2月18日にブレストに敗れて3分2敗となったところでガットゥーゾは解任される。
■コートジボワール代表監督を解任されたジャン・ルイ・ガセが今季4人目の監督に
ちょうどヨーロッパリーグの決勝トーナメントのプレーオフの第2戦を控えた段階でマルセイユが招聘したのがジャン・ルイ・ガセである。本連載の読者の方であれば、ご記憶であろう。コートジボワール代表の監督としてアフリカネーションズカップに臨み、グループリーグが終わった時点で解任された監督である。コートジボワールは決勝トーナメントになって勝ち進み、優勝し、ガセに代わって暫定監督となったエメルス・ファエは最優秀監督に選ばれたが、ガセは傷心のままアフリカを去ったのである。
70歳のガセの初戦はシャフタール・ドネツク(ウクライナ)とのプレーオフ第2戦、第1戦の引き分けを受けて行われたベロドロームの試合で3-1と見事に勝利し、ファンから熱烈な歓迎を受ける。そしてリーグ戦ではかつてガセが選手として活躍したモンペリエ相手に4-1と大勝し、アウエーのクレルモン戦でも5-1と勝利、就任以来3連勝したガセは1か月前のコートジボワールの悪夢とは全く異なる日々を過ごすことになったのである。
■ホームでの第1戦は4-0の大勝
マルセイユは今季のホームではリーグ戦、ヨーロッパリーグ、フランスカップという公式戦では11勝6分と無敗である。第1戦をホームで戦うマルセイユは勝利するだけではなく、1点でも多く得点を積み上げたく、その目論見通りの試合となった。序盤からマルセイユは押し気味に試合を進める。守勢のビジャレアルは序盤から反則が目立ち、警告を重ねる。
先制点は23分のマルセイユ、右サイドのジョナタン・クロースからのクロスをジョルダン・ベルトゥがヘディングで決める。ビジャレアルのゴール前に攻め込んだマルセイユは28分に今度は左サイドからクロス、これをビジャレアルの守備陣がオウンゴール、マルセイユはリードを広げた。そして41分にはVARの末、ビジャレアルのペナルティエリア内のファウルを確認、マルセイユにPKが与えられ、ピエール・エメリク・オーバメヤンが3点目のゴールを決めて折り返した。
オーバメヤンは後半に入って59分にも追加点を決める。対するビジャレアルは62分にアルベルト・モレノが2回目の警告で退場となる。マルセイユはホームの第1戦を4-0と大勝したのである。(続く)