第3343回 ベスト8の出そろった欧州カップ(1) 27年ぶりに三大タイトルにフランス勢がそろい踏み

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■フランス勢が久しぶりに8強入りしたチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグ

 前回までの本連載ではチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、ヨーロッパカンファレンスリーグでベスト8を目指すフランス勢の戦いを紹介し、パリサンジェルマン(チャンピオンズリーグ)、マルセイユ(ヨーロッパリーグ)、リール(ヨーロッパカンファレンスリーグ)の3チームがベスト8入りした。
 フランス勢のベスト8入りはチャンピオンズリーグでは2020-21シーズンのパリサンジェルマン以来3年ぶり、ヨーロッパリーグでは2017-18シーズンのマルセイユ以来6年ぶり、ヨーロッパカンファレンスリーグは2021-22シーズンの開設以来3年連続となる。

■現行体制になってから初めてフランス勢がそろって8強入り

 2021-22シーズンからヨーロッパカンファレンスリーグが始まり、現在の欧州カップの対戦となってから、3つの大会すべてでフランス勢が準々決勝に進出したのは初めてのことである。1998-99シーズンまではチャンピオンズリーグ(チャンピオンズカップ)、カップウィナーズカップ、UEFAカップという現在とは若干異なる三大カップ戦が行われていたが、フランス勢が当時の三大カップでそろってベスト8入りしたのは1996-97シーズンのオセール(チャンピオンズリーグ)、パリサンジェルマン(カップウィナーズカップ)、モナコ(UEFAカップ)以来、27年ぶりのことである。

■イタリア以外の欧州五大リーグ勢が占めたチャンピオンズリーグ

 さて、それぞれの大会のベスト8の顔ぶれを紹介しよう。チャンピオンズリーグはレアル・マドリッド、バルセロナ、アトレチコ・マドリッド(以上スペイン)、アーセナル、マンチェスター・シティ(以上イングランド)、バイエルン・ミュンヘン、ボルシア・ドルトムント(以上ドイツ)、パリサンジェルマンとなる。
 昨季はインテル・ミラノ、ナポリ、ACミランという3チームを送り込んだイタリア勢は今季は1回戦でインテル・ミラノ、ラツィオ・ローマ、ナポリと3チームが全滅し、イタリア以外の欧州五大リーグ勢が準々決勝を争う。
 チャンピオンズリーグはグループリーグの上位2チームが決勝トーナメント1回戦を戦ったが、グループリーグ2位でベスト8入りしたのはパリサンジェルマンだけである。残り7チームはグループリーグを首位突破したチームが勝ち進んだ。パリサンジェルマンは1回戦でレアル・ソシエダ(スペイン)に対して連勝しているが、パリサンジェルマンがチャンピオンズリーグの決勝トーナメントで連勝したのは2015-16シーズンの1回戦のチェルシー(イングランド)戦以来のことで8年ぶりのこととなる。パリサンジェルマン以外で1回戦で2戦とも勝利したのはFCコペンハーゲン(デンマーク)を圧倒したマンチェスター・シティだけである。パリサンジェルマンの準々決勝以降に期待したい。

■イタリア勢が3チームを占めたヨーロッパリーグ

 ヨーロッパリーグはACミラン、アタランタ、ASローマとイタリア勢が最多の3チームを占めた。イングランドからはリバプールとウェストハム・ユナイテッドの2チーム、それ以外はバイエル・レバークーゼン(ドイツ)、ベンフィカ(ポルトガル)、マルセイユである。
 ヨーロッパリーグはチャンピオンズリーグのグループリーグの3位チームとヨーロッパリーグのグループリーグ2位チームがプレーオフを行い、その勝者がグループリーグを首位で突破したチームと1回戦で戦い、その勝者が準々決勝に進出する。
 プレーオフではヨーロッパリーグの2位チームが圧倒した。6勝2敗とチャンピオンズリーグの3位チームに大きく勝ち越したが、ヨーロッパリーグの2位チームで敗れた2チームはレンヌとトゥールーズ、いずれもフランス勢であった。
 そして1回戦はプレーオフを勝ち抜いたチームとグループリーグ1位チームは4勝4敗と五分の成績であった。グループリーグの組み合わせ抽選を行った際の第1シードからウェストハム・ユナイテッド、リバプール、ローマ、アタランタ、バイエル・レバークーゼンが入り、チャンピオンズリーグからベンフィカとミラン、フランス勢から唯一勝ち残ったマルセイユは第2シードからの8強入りだったのである。(続く)

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