第3345回 ドイツ、チリと連戦(1) アントワン・グリエズマンの連続試合出場が84でストップ
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■ドイツで行われる欧州選手権に向けた親善試合
今年はオリンピックイヤー、すなわち欧州選手権の行われる年である。4年前は新型コロナウイルスの感染拡大により、いずれも1年延期され、実際には3年ぶりの開催となる。オリンピックはパリ、欧州選手権はドイツで開催、隣接した国で両大会が開催されるのは1972年(オリンピックはドイツのミュンヘン、欧州選手権はベルギー)以来のことであるが、1980年大会までの欧州選手権は勝ち進んだ4か国のみが1か国に集まる方式であり、1984年に現行方式となってからは初めてのことである。
6月に行われる欧州選手権の予選については本連載でも紹介してきたが、フランスはオランダ、オーストリア、プレーオフ勝者とグループDで対戦することになる。本大会に向けてメンバー選考の最後のチャンスが3月下旬に行われるインターナショナルマッチデーであり、フランスは23日にドイツ、26日にチリと親善試合で対戦する。代表チームの活動は昨年11月の欧州選手権予選の最終戦以来4か月ぶりとなる。この2試合に向けた23人のメンバーが14日にディディエ・デシャン監督から発表された。
■負傷者以外は変動の少ない23人の
それではさっそくそのリストを紹介しよう。GKはアルフォンス・アレオラ、マイク・メニャン、ブリス・サンバの3人、DFはジョナタン・クロース、ルカ・エルナンデス、テオ・エルナンデス、イブラヒマ・コナテ、ジュール・クンデ、バンジャマン・パバール、ウィリアム・サリバ、ダヨ・ウパメカノの8人、MFはエドゥアルド・カマビンガ、ユスフ・フォファナ、アドリアン・ラビオ、オーレリアン・チュアメニ、ウォーレン・ザイール・エメリの5人、FWはウスマン・デンベレ、ムーサ・ディアビ、オリビエ・ジルー、アントワン・グリエズマン、ランダル・コロムアニ、キリアン・ムバッペ、マルクス・テュラム、の7人である。
11月のメンバーと変更は少なく、ジャン・クレール・トディボ、ブーバカ・カマラ、キングスレー・コマンが外れ、バンジャマン・パバール、オーレリアン・チュアメニ、ムーサ・ディアビが入ってきた。FWに関してはコマンが負傷のために外れ、パリサンジェルマンで売り出し中のブラッドレー・バルコラが入るのではないかと思われたが、昨年3月のアイルランド戦で代表10キャップに達したディアビが1年ぶりに復帰してきた。パバールとチュアメニは11月の時点では負傷でメンバーから外れており、欧州選手権を前に復帰を果たした。アクセル・ディザジ、エンゴロ・カンテ、ジョルダン・ベルトゥなどが選に漏れた。
■負傷を抱えたままメンバー入りしたマイク・メニャン
選出されたメンバーも負傷を抱えていないわけではない。ACミラン(イタリア)に所属するGKのメニャンは14日に行われたヨーロッパリーグの決勝トーナメント1回戦のスラビア・プラハ(チェコ)戦で負傷し、クレールフォンテーヌでの合宿には合流したものの、練習には参加していない。親善試合の第1戦のドイツ戦はサンバかアレオラのいずれかがゴールを守ることになる。
■2017年以来84試合連続出場を続けてきたアントワン・グリエズマン
そしてもう1人、負傷を負いながらクレールフォンテーヌ入りしたのがグリエズマンである。グリエズマンは所属するアトレチコ・マドリッド(スペイン)のメンバーとしてチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦でインテル・ミラノ(イタリア)と戦った。2月20日の第1戦で負傷し、途中交代した。第2戦にも出場し、チームはPK戦を制してベスト8入りを果たしたが、グリエズマンの右足の負傷の回復は思わしくなく、代表チームに合流した当日に離脱することになった。
グリエズマンはデシャン監督の信頼が厚く、2017年8月のオランダ戦以来、連続して試合に出場していたが、その記録は84でストップすることになった。代わりのメンバーとしてマテオ・ゲンドウジが加わることになったのである。(続く)