第3378回 パリサンジェルマン、フランスカップを制す(3) 準々決勝の組み合わせが決定
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■1部勢対決はニースとストラスブールが制す
2月上旬に行われたフランスカップのベスト8決定戦、前回の本連載では欧州カップの決勝トーナメントを控えるパリサンジェルマン、レンヌ、リールの戦いについて紹介し、翌週の半ばに試合があるパリサンジェルマンとレンヌがベスト8入りし、リールがリヨンに敗れたことを紹介した。
それ以外のベスト8争いであるが、1部勢同士の試合が2試合あった。モンペリエ-ニース戦はリーグ戦で2位のニースがアウエーゲームをものともせず、ゴールを積み重ね、4点を奪う。リーグ戦13位でホームのモンペリエは終盤に得たPKを決めることができず、その直後にようやく1点を返したにとどまった。
もう1試合のストラスブールとルアーブルの対戦はフランスカップでは64年ぶりとなる。その時はストラスブールが勝利し、今季のリーグ戦の前半戦でもストラスブールが勝利している。この試合もストラスブールが先行し、3-1と勝利した。
■ルーアン、トゥールーズに続きモナコにもPK戦で勝利
1部勢で下位のリーグのチームと対戦して敗れたのがモナコである。モナコはナショナル1部のルーアンとアウエーで対戦した。ルーアンは前々回の本連載で紹介したとおり、ベスト16決定戦で前年度王者のトゥールーズをPK戦で退けている。現在ナショナル1部で4位であり、2部復帰も望めるルーアンはモナコにおいても互角の戦いを演じた。23分にはシュートがポストに当たり、モナコのイレブンは肝を冷やす。ただ、先制点はモナコであった。ペナルティエリア内でモナコのフォラリン・バログンが倒され、バログン自身がPKを決める。対するルーアンは前半のアディショナルタイムに好位置でFKのチャンスを得る。このFKからルーアンの主将のクレモン・バッサンが同点ゴールを決めてハーフタイムを迎える。後半は両チーム得点上げることなく、90分の戦いが終わり、ベスト8へのチケットはPK戦で争われる。ルーアンにとっては2試合連続で1部勢相手のPK戦となった。ルーアンは後半のアディショナルタイムにPK要員と思われる選手を3人投入する。PK戦ではこの3人が見事に期待に応える。ルーアンは7人中6人が成功させ、モナコは試合中にPKを決めたバロガンが失敗するなど5人しか成功させることができなかった。ルーアンは2戦連続して1部勢をPK戦で下した。
それ以外の2試合は2部リーグ以下のチーム同士の対戦で2部のラバルはナショナル2部のルピュイに敗れる。もう1つの試合では2部のバランシエンヌがナショナル3部リーグのサンプリエを下し、2部勢で唯一ベスト8入りした。
■準決勝に2部以下のチームの進出が確定
ベスト8は1部勢5チーム(パリサンジェルマン、ニース、レンヌ、ストラスブール、リヨン)、2部のバランシエンヌ、ナショナル1部のルーアン、ナショナル2部のルピュイという顔ぶれとなった。
準々決勝の組み合わせ抽選はベスト8決定戦が行われている中で行われた。1部勢対決はリヨン-ストラスブール、パリサンジェルマン-ニースの2カードである。ルピュイ-レンヌ戦はルピュイが3つ上のカテゴリーに挑戦する。ルーアン-バランシエンヌ戦は2部勢以下の対決となり、準決勝には少なくとも1チームが2部以下ということも決まった。
■チャンピオンズリーグを戦うパリサンジェルマン、ニースとの準々決勝は2週間遅れ
その一方でパリサンジェルマンには2つの試練が襲った。まず、対戦相手のニース、組早生抽選が行われた時点の順位は2位である。パリサンジェルマンはベスト8決定戦のブレスト戦に続き、上位のチームの挑戦を受けることになった。
そしてもう1点は試合日程である。準々決勝はもともと2月27日から2月29日と2月の最終週の平日に予定されている。ところが、パリサンジェルマンはその前後の週末にはリーグ戦があり、翌週の平日の3月5日にはチャンピオンズリーグのベスト16決定戦のレアル・ソシエダ(スペイン)戦のアウエーでの第2戦が控えている。国内外のカップ戦を戦うパリサンジェルマンの準々決勝は2週間遅らせて3月13日に行うことになったのである。(続く)