第3387回 欧州選手権に臨むフランス代表(4) 本大会前の最終戦の相手はカナダ

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■25人でドイツでの本大会に臨むフランス代表

 6月5日にメッスでルクセンブルクを3-0と下したフランス、次の試合は欧州選手権の本大会前最後となるカナダ戦であり、9日にボルドーで行われる。この2つの試合の間にはいくつかイベントがあった。6月7日にメンバーの最終登録日であったが、ディディエ・デシャン監督は5月に発表した25人を動かすことなく、上限より1人少ない25人でドイツでの戦いに臨む。また、最終的に確定した25人のメンバーは8日にクレールフォンテーヌで公式写真の撮影を行った。この写真には選手以外にデシャン監督、コーチのギ・ステファン、GKコーチのフランク・ラビオ、フィジカルコーチのシリーユ・モアンが加わった。写真撮影後に本大会前最後のスパーリングマッチの行われるボルドーに移動し、夕方記者会見を行い、そのあとさっそく練習を行った。

■ボルドーでの三代目の競技場となるマットミュット・アトランティック競技場

 ボルドーでフランス代表が試合をするのはこれが6試合目である。フランスの地方都市としてはマルセイユの18試合、リヨンの12試合、ナントの10試合、ランス(Lens)の9試合、リール、サンテチエンヌ、トゥールーズの7試合についでニースと並ぶ。
 いずれもフランスの主要な地方都市であるが、ボルドーの場合、1922年に初めて試合を行ってから、3つ目の競技場である。初代が1938年のワールドカップでも使用されたブスカ競技場、二代目は1984年の欧州選手権、1998年のワールドカップの舞台となったパルク・レスキュール、そして現在の三代目は2015年に竣工し、2016年の欧州選手権、2023年のラグビーワールドカップで使用されたマットミュット・アトランティック競技場である。開業間もない2015年9月にフランスはセルビアに勝利しており、9年ぶり2回目の代表戦となる。

■これまでに1回しか対戦経験のないカナダ

 次回のワールドカップの開催国の1つであるカナダ、ドイツのバイエルン・ミュンヘンのアルフォンソ・デービス、リールのジョナサン・デービッドなど欧州で活躍する選手もいる。昨年のワールドカップは1986年のメキシコ大会以来36年ぶりに本大会出場を果たした。この1986年のワールドカップのグループリーグでの対戦がフランスとカナダのこれまでの唯一の対戦歴である。グループリーグの初戦でと対戦し、フランスが1-0と勝利している。
 この試合唯一のゴールはジャン・ピエール・パパンが記録している。エリック・カントナとのツートップはフランス代表史上最強とも言われたが、主要大会では恵まれた成績を残すことができず、結局ワールドカップには22歳で出場したメキシコ大会のみにしか出場できなかった。そのパパンのワールドカップでの初ゴールがカナダ戦であった。なお、パパンはワールドカップ本大会ではこの大会の3位決定戦、欧州選手権本大会では1992年大会のスウェーデン戦とデンマーク戦にいずれも1ゴールをあげている。

■南米選手権に参加するカナダ、欧州遠征第1戦でオランダと対戦

 カナダに話を戻すと、ワールドカップを控えた昨年10月には新潟で日本代表と親善試合を行っていることから、日本の皆様はよくご存じのチームであろう。この新潟での親善試合で日本は4-1と大勝し、ワールドカップ本大会でもグループリーグで敗退し、現在の世界ランキングは49位にとどまっている。しかし、2年後のワールドカップに向けて準備は進み、6月下旬から開催される南米選手権は、そのワールドカップ開催も考慮し、米国で開催され、カナダも参加する。
 そのカナダは南米選手権に向けて欧州遠征を行い、6日にはロッテルダムでオランダと対戦、前半は無失点で切り抜けたが、後半に大量失点し、0-4と敗れる。オランダは欧州選手権本大会ではフランスと同じグループD、このグループDには他にポーランドとオーストリアが入り、二強二弱という構図であり、カナダを物差しにフランスとの力関係を図ることができる。
 フランスも大量点を奪って勝利したいところであるが、思わぬ結果となったのである。(続く)

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